

国立大学法人等職員は人気の試験です。
受験者数が多いわりに採用数が少なく、とても倍率が高い試験として知られています。
でも最初は、「国立大学法人等職員ってどんな試験?」「どんな勉強をしたらいいの?」と疑問に思いますよね。
国立大学法人等職員の試験内容や難易度、試験科目や学習のポイントをすべて解説します。
国立大学法人等職員の「概要」
国立大学法人等職員とは、国立大学法人のほか次の機関ではたらく職員のことです。
- 国立高等専門学校
- 研究機構、研究所
- 国立美術館、国立博物館
- 教育施設
これら機関の職員採用試験は、申し込みから1次試験までが共通でおこなわれます。
じつは国立大学法人等職員は公務員ではありません。
ですが、1次試験で課される教養試験の内容が公務員試験とほとんど同じ。
効果的な学習法は共通なんです。
国立大学法人等職員の「仕事内容」
国立大学法人等職員の仕事は多岐にわたります。
おもな業務内容を分類すると、
- 【総務系】:総務、庶務、人事、企画渉外
- 【財務系】:財務、資金管理、資産管理、契約
- 【教務系】:入試、教務、学生支援、就職支援
- 【研究/国際系】:研究協力、産学連携、国際交流、留学
- 【医療系】:医療事務、医療情報
- 【図書系】:図書サービス、情報管理
- 【施設系】:施設設備、施設保全
- 【研究支援系】:技術支援、設備保全
国立大学法人等職員の「異動/昇任/年収」
国立大学法人等職員として採用されると、異動は採用された機関のなかでおこなわれます。
原則、ほかの機関に異動することはあまりありません。
異動をくり返しながら、各職員の能力や業務成績におうじて昇任していきます。
一般的には、
- 係員
- 主任
- 係長
- 課長補佐
- 課長
- 部長
- 局長
昇任とともに給与もあがっていきます。
国立大学法人等職員の「難易度/倍率」
国立大学法人等職員のほかにも、公務員にはいろいろな種類があります。
種類ごとに大卒程度試験の難易度をランキングにしました。
難易度は筆記試験や面接試験、採用人数などから総合的に判断しています。
- 国家総合職
- 国家一般職、国家専門職(国税専門官/財務専門官/労働基準監督官など)、国立大学法人等職員、裁判所職員
- 地方上級(県庁/政令指定都市)、東京都庁
- 東京都特別区(東京都23区)
- 市役所(政令指定都市をのぞく)、警察官/消防官
国立大学法人等職員の採用試験は、国家総合職についで難易度が高い試験です。
学歴が高くても関係なく落ちてしまう試験ですから、かんたんではありません。
試験の難易度は受験年度や、どの機関を受験するかによって変わります。
難易度ランキングは参考ていどにとどめてくださいね。
国立大学法人等職員の試験倍率は下表のとおりです。
(平成29年度試験)
地区 | 申込み | 1次合格 | 最終合格(約) | 倍率(約) |
---|---|---|---|---|
北海道 | 1,420 | 499 | 50 | 28 |
東北 | 2,243 | 497 | 20 | 112 |
関東甲信越 | 10,877 | 1,366 | 110 | 99 |
東海北陸 | 3,598 | 1,488 | 70 | 51 |
近畿 | 3,830 | 758 | 30 | 55 |
中国四国 | 2,810 | 788 | 50 | 56 |
九州 | 5,495 | 856 | 70 | 79 |
最終合格者数は地区にあるすべての機関の合計を、概算であらわしています。
倍率はとても高いですね。
国立大学法人等職員を受験するときは、ほかの公務員試験などの併願が必須です。
つづいて、国立大学法人等職員ではどんな試験が課されるのか、試験内容を確認していきましょう。
国立大学法人等職員の「試験種類」
国立大学法人等職員の採用1次試験は、全国の各地区ごとにおかれた試験実施委員会がおこないます。
受験者は志望先の機関がある地区の1次試験に申し込む仕組みです。
複数の地区を併願することはできません。
- 北海道地区
- 東北地区
- 関東甲信越地区
- 東海北陸地区
- 近畿地区
- 中国四国地区
- 九州地区
受験資格は、
- 30歳まで(受験翌年4月1日時点の年齢)
- 図書区分のばあい、司書資格は必要ない
試験区分は事務系2区分のほか、技術系11区分があります。
志望する機関が、必ずすべての試験区分を募集するわけではないので注意しましょう。
- 事務
- 図書
- 電機
- 機械
- 土木
- 建築
- 化学
- 物理
- 電子,情報
- 資源工学
- 農学
- 林学
- 生物,生命科学
2次試験は各機関がそれぞれ独自に試験をおこなって、最終合格者を決定します。
もちろん1次試験を通過した受験者が対象です。
国立大学法人等職員の「試験科目」
国立大学法人等職員の1次試験では教養試験だけが課されます。
試験時間は2時間、問題数は40問。
すべての地区、そしてすべての試験区分で共通の日程と問題です。
教養試験の科目別出題数は、
科目 | 出題数 | |
---|---|---|
社会科学 | 政治 | 1 |
法律 | 2 | |
経済 | 2 | |
社会 | 2 | |
人文科学 | 世界史 | 2 |
日本史 | 2 | |
地理 | 2 | |
思想 | 1 | |
文学,芸術 | ||
自然科学 | 数学 | 1 |
物理 | 1 | |
化学 | 1 | |
生物 | 2 | |
地学 | 1 | |
文章理解 | 現代文 | 3 |
古文 | 1 | |
英文 | 3 | |
判断推理 | 8 | |
数的推理 | 4 | |
資料解釈 | 1 |
2次試験で課される種目は各機関によってことなります。
面接や集団討論を課されるばあいがほとんどです。
とくに面接は複数回おこなわれることもあります。
図書区分のばあいは図書系専門試験(筆記試験)を受けたあと、面接がおこなわれます。
面接試験
一般的な国立大学法人等職員の面接の試験形式は、
- 【面接時間】:15~30分程度
- 【試験官】:3~5人程度
- 【質問】:5~10項目程度
大まかな面接の流れはこのとおりです。
- 【入室】:控え室から面接会場の入り口手前まで案内される。入室して席の前で待機し、促されたら着席
- 【説明】:試験官または司会から面接の時間や注意事項が説明される
- 【面接】:試験官からの質問に回答する。はじめに自己紹介や自己PRを求められるばあいがある
- 【退室】:退室を促されたら、挨拶して面接会場を出る
面接試験は「採点基準」と「定番の質問」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
集団討論試験
一般的な国立大学法人等職員の集団討論の試験形式は、
- 【制限時間】:30~60分が標準
- 【人数】:5~8人が標準
- 【テーマ】:1つまたは複数提示される。複数の場合は1つを選んで回答
大まかな流れはこのとおりです。
- 【着席】:アルファべットや数字など記号が置かれた座席に案内され、着席する。討論中はグループのメンバーを記号で呼ぶ
- 【説明】:テーマや制限時間などが書かれた用紙が配られ、進め方や注意事項について試験官から説明を受ける。「討論開始前に各自が考える時間」「役割分担」「討論終了後の発表」などの有無は、試験によってことなるため説明をしっかりと聞くこと
- 【討論開始】:グループで討論をはじめる。討論の進行や管理はすべてグループに任される
- 【討論終了】:グループとしての結論を導き、討論を終える。時間内にグループ内でまとめを行う、あるいは終了後に試験官へ発表する場合などがある
集団討論試験は「採点基準」と「頻出テーマ」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
国立大学法人等職員の「試験日程」
国立大学法人等職員の試験日程と採用までのながれはこちら。
(平成29年度実施試験の日程)
- 【受験申込み】:4月1~15日(インターネットから行う)
- 【1次試験】:5月18日
- 【合格発表】:6月10,17,24日(地区によってことなる)
- 【合同説明会/機関訪問】:地区や機関によってことなる
- 【2次試験】:8月~(各機関によってことなる)
- 【最終合格発表】:各機関によってことなる
- 【採用内定】:各機関によってことなる
合同説明会/機関訪問
1次試験の合格発表後に、採用予定のある機関が各地区ごとに合同で採用説明会をおこなったり、各機関がどくじに機関(職場)訪問を開催します。
合同説明会や機関訪問はぜったいに不可欠ではありません。
ただ、その場で2次試験の申し込みができたり、各機関の業務内容や職場のふんいきが分かる機会です。
積極的に参加しましょう。
2次試験
2次試験は各機関がどくじにおこないます。
試験日程もことなるので、いくつかの機関を併願することも可能です。
採用内定
内定解禁日をもうけるなどのルールはありません。
2次試験終了からほどなくして結果が通知されます。
内定の受諾は1機関のみ可能です。
ほかの機関を併願しているばあいは、すみやかに選考を辞退する必要があります。
国立大学法人等職員の「勉強スケジュール」
対策期間がだいたい1年間あるばあいのスケジュール例はこちら。
試験種目 | 月 | |||
---|---|---|---|---|
9~12 | 1~5 | 6~8 | ||
教養試験 | 一般知能 | ☆ | ☆ | |
一般知識 | ★ | |||
専門試験 | ★ | |||
面接試験/ 集団討論試験 |
★ |
- 【★】:注力して取りくむ試験種目
- 【☆】:取りくむ試験種目
9~12月
試験勉強はまず教養試験の「一般知能」と専門試験の学習からはじまります。
一般知能の科目は出題数がとても多く、毎日コツコツと問題を解きつづけることで得点力がみにつきます。
国立大学法人等職員の1次試験は教養試験だけで、専門試験は課されません。
ですが、専門試験科目は教養試験「一般知識」社会科学の各科目をカバーしていて、専門試験の学習をしたほうが理解が早まります。
併願先で専門試験が課されるばあいは多いので、早めに専門試験の対策をしておきましょう。
1~5月
年明けあたりからは教養試験の「一般知識」の対策もスタートです。
とはいっても社会科学の各科目は、専門試験の学習をしていればかんたんに解くことができます。
教養試験どくとくの出題形式や論点になれるつもりで、過去問演習に取りくみましょう。
自然科学や人文科学に重点をおいて学習するのがおすすめです。
「一般知能」の学習も毎日つづけることを忘れずに。
6~8月
1次試験が終われば2次試験(面接試験や集団討論試験など)対策に集中できます。
面接や集団討論は少し対策をすれば評価がぐっと高まる、コストパフォーマンスのよい試験です。
1次試験と同じくらい力をいれて取りくみましょう。
国立大学法人等職員の「1次試験科目の学習法」
社会科学:政治/法律/経済/社会
政治は日本や世界各国の「政治制度」と「選挙制度」は学習必須。
時事問題も登場するので、最新版の時事参考書で対策しましょう。
国際関係にかんする分野も頻出です。
ほかの公務員試験の専門試験科目「国際関係」をざっと学んでおくのがおすすめ。
法律は憲法からの出題がほとんどです。
専門試験科目「憲法」の学習をすすめます。
経済はミクロ経済学から1問と、マクロ経済学または財政学どちらかから1問が一般的。
基本問題が多めですが、専門試験レベルの問題がみられることもあります。
経済の頻出分野はミクロ経済学が「市場理論」「市場の失敗」、マクロ経済学が「国民所得」「IS-LM分析」、財政学が「財政制度」「財政事情」。
教養試験の過去問をつかった演習と、時事参考書で「一般会計予算」や「財政赤字」の確認をしておきましょう。
社会は「社会保障」「労働事情」「国際情勢」などとても広いテーマから、やや細かい知識が問われます。
代表的な統計データを知っておく必要がありますよ。
人文科学:世界史/日本史/地理/思想/文学,芸術
世界史の出題は「近現代史」に限られるのが特徴です。
そのなかでも分野は「欧米史」と「アジア史」から出題されます。
まずは19~20世紀の世界史を確認しましょう。
それからアメリカやイギリスなど主要国の出来事を1国ずつまとめておくのが効果的です。
日本史はわりと出題傾向がはっきりしています。
1問は明治以降の「近現代史」とくに「戦後史」が頻出です。
もう1問は江戸時代までの「前近代史」から。
教育史や仏教史など「テーマ別通史」がよく出ます。
近現代史からの出題に限られる世界史とちがって、日本史は広い時代をおさえる必要があります。
コンパクトなテキストで知識をざっと整理してから、出題頻度の高い分野を学習していきましょう。
地理は「地形」と「気候」がもっとも頻出です。
基本的な内容が問われるので、かくじつに得点する必要があります。
日本の地形と気候の学習も忘れずに。
世界地誌は範囲が広め。
世界の農牧業、水産業、林業、鉱工業について最新の統計を確認しておきましょう。
思想と文学,芸術はどちらか1問が出題されています。
思想は難易度が高くありません。
「近現代の西洋思想」「江戸時代の日本思想」について、代表的な思想家とキーワードを結びつけて覚えることが大切。
文学,芸術は絵画や建築、音楽など広い分野が登場します。
対策は取りづらいので、過去問を確認するていどにしておきましょう。
自然科学:数学/物理/化学/生物/地学
数学の頻出テーマは「関数」「図形と方程式」です。
高校の数学Ⅰ,Ⅱのテキストで復習しておきましょう。
例題レベルの基本問題が解ければ十分です。
物理は力学を中心に広い分野から出題されます。
難しい問題はありません。
まずは力学の「力のつり合い」「運動方程式」「等加速度運動」から対策し、よゆうがあれば波動や電磁気にすすみましょう。
解き方の例にしたがって空欄をうめていく問題も多く登場します。
公式を単純に暗記するのではなく、なかみを理解してつかえることが大切。
化学は物質の構造や化学反応など「理論化学」が出題の中心です。
無機化学や有機化学はあまりみられず、登場しても基礎知識を問うやさしい問題ばかり。
過去問題集をつかって理論化学の演習から学習をはじめるのが効率的です。
生物は広い分野からバランスよく出題されています。
問い方はすなおで、消去法で正解できる問題が多いです。
重要事項はすべて覚え、関連することがらを体系的に理解するのがおすすめ。
地学の頻出テーマは「地球の構成物質」「大気」「天体」です。
出題パターンは多様なので、いろいろな問題を解いておくといいでしょう。
文章理解:現代文/英文/古文
現代文と英文は難易度がやや高め。
出題ジャンルもさまざまです。
地方上級など公務員試験の過去問題集にも取りくみ、問題になれておく必要があります。
古文の難易度は標準的です。
出題数が少ないので、ひととおり過去問演習をして対策は終えてしまいましょう。
判断推理/数的推理/資料解釈
判断推理は文章問題4問、図形問題4問の出題が一般的です。
文章問題は「命題」「対応関係」「順序関係」「勝敗」「操作手順」からオーソドックスな内容が問われます。
図形問題は全体のテーマから広く出題され、難易度もやや高めです。
判断推理は型にはまった解法の問題が多いので、過去問演習をくり返しましょう。
数的推理の頻出分野は「整数問題」「方程式と関数」「速さ」です。
判断推理にくらべて問題の難易度は高め。
基本事項はかくじつに理解したうえで、応用問題まで解けるよう準備しておくことが大切です。
資料解釈はオーソドックスな出題内容がつづいています。
時間をかければ誰でも正解できる科目ですが、しっかりと過去問に取りくんで素早く解けるようしておきましょう。
国立大学法人等職員の「面接試験の対策法」
国立大学法人等職員の面接試験を突破するために必要なポイントは、次の4つです。
POINT.1 回答の構成を理解する
面接で質問されると「どんな話をしよう?」「どういう構成で伝えたらいいだろう」と、焦ってしまいますよね。
面接独特の空気のなかで、質問にすばやく的確に答えるのは難しいものです。
でも、評価の高い面接の回答の構成には決まりがあります。
この決まりを理解しておけば、本番でどう話したらいいか迷うことはありません。
落ち着いて自分をアピールすることができます。
面接官から高評価をもらう回答の構成を理解しましょう。
POINT.2 定番質問の回答をつくり、解答例と比べる
面接試験でよく問われる質問は決まっています。
下の記事で紹介している定番質問に対する回答を、あらかじめ考えておくのがおすすめ。
用意した回答は、公務員予備校の講師などプロに添削してもらうのが一番です。
よいところ、わるいところを客観的にアドバイスしてくれて、だいたいの点数も分かりますからね。
添削をお願いできるひとがいない場合は、この記事の解答例をよく読んでみましょう。
解答例は平均的な回答として書いています。
自分の回答と比べると、改善するポイントが見えてくるはずですよ。
POINT.3 面接カードをていねいに作る
筆記試験を突破すると、面接カードとよばれる質問項目がならんだ用紙が配られます。
それに回答を書いて、面接時に持参するのが一般的です。
面接直前の控室で配られ、その場で記入するばあいもあります。
民間企業でいうエントリーシートのようなものです。
面接官は事前に面接カードを読み、面接の評価に加味をします。
じっさいの面接も提出されたカードにそって進行することが多いので、面接カードにどんな内容を書いておくかは、とても重要だと分かりますよね。
面接官から高評価をもらう面接カードの書き方を理解しましょう。
POINT.4 落ちる人の特徴を知る
せっかくがんばって筆記試験を突破したら、「面接はぜったい落ちたくない」と思いますよね。
面接に「受かりやすいひと」もいれば、ざんねんながら「落ちやすいひと」もいるんです。
落ちやすいひとには共通点があります。
こちらの記事をよく読んで、面接でこうなってしまわないよう注意しましょう。
あわせて対策法も解説するので、自覚があるひともきっと改善できますよ。
国立大学法人等職員の「集団討論試験の対策法」
国立大学法人等職員の集団討論試験を突破するために必要なポイントは、次の3つです。
POINT.1 進め方をおさえる
集団討論はいつも「はじめになにを話そう?」「議論をどう進めたらいいんだろう」と、悩んでしまいますよね。
集まったメンバーによって、議論の中身は毎回ちがったものになります。
でも、評価の高い集団討論の進め方には決まりがあるんです。
これを理解しておけば、なにを話したらいいか迷うことはありません。
自分がリーダーシップをとって、グループの議論をスムーズに進めていくことができます。
採点者に好印象をあたえるポイントがたくさんあるので、すべてお伝えしますよ。
POINT.2 役割分担を知る
集団討論では「司会」「書記」「タイムキーパー」という3つの役割を分担することがあります。
「集団討論で役割、とくに司会を引き受けると落ちる」という噂を信じて、「本番ではなにも担当したくない」というひとが多くいます。
じつは、それぞれの役割にはメリットとデメリットがあるんです。
もちろん、司会をしたからといって不合格になることはありません。
役割を活かして高評価をもらう方法、はんたいに気をつけるポイントを説明しますね。
POINT.3 コツを意識する
自分が練習したとおりに議論が進まなかったり、他人の意見を否定するひとがいたり、集団討論はなかなか思うようにいかないことがありますよね。
集団討論にのぞむさい、よくある困った状況の対処法や、どんなときでも使える高評価のコツを知っていると便利です。
コツといっても難しいものではありません。
ひととコミュニケーションをとるときの心がけのようなものです。
これを心がけて討論できると、数多くいるライバルから抜け出し、採点者の目にとまるようになりますよ。
国立大学法人等職員の「独学/予備校」
国立大学法人等職員を受験するひとの半分くらいは独学、のこりは公務員予備校にかよっています。
公務員予備校はお金がかかるので、どうしようか迷いますよね。
独学でも対策可能な試験種目
- 教養試験
国立大学法人等職員の教養試験は、独学でも合格レベルまで得点力を高めることができます。
ほとんどの試験は科目質の高い導入テキストや過去問題集がそろっているからです。
難関大学合格者や勉強に自信があるひとなら、市販の参考書をつかってひたすら問題演習に取りくめば合格点をこえることは難しくありません。
予備校で対策したほうがいい試験種目
- 面接試験
- 集団討論試験
面接試験や集団討論試験は本番の形式で模擬練習をなんどもくり返すことが、合格への王道です。
面接カードはあらかじめ回答を作成し、専門的なスキルがあるひとに添削してもらう必要があります。
どちらも独学で対策するのは厳しい試験種目です。
公務員予備校では、面接試験について頻出質問分析や、回答作成、面接指導など万全の対策ができます。
集団討論練習のサポート体制や、先輩合格者の体験記などノウハウの蓄積も十分です。
国立大学法人等職員は難関の公務員試験。
よほど筆記試験に自信があったり、面接対策や集団討論対策の環境を自前で用意できるひと以外は、公務員予備校をつかう方法がおすすめです。

これで「国立大学法人等職員」採用試験の解説はおしまいです。
おつかれ様でした。
この記事のまとめです。
- 国立大学法人等職員の難易度と倍率はとても高く、併願が必須。
- 1次試験は教養試験だけなので、学習は難しくない。
- 2次試験でよく課される面接や集団討論は、予備校をつかって対策するのが効果的。
国立大学って全国にたくさんある大学のごく一部だから、職員採用試験の倍率は高そうですね。
どうしたら合格できるんだろう?