公務員試験【判断推理・数的推理・資料解釈】の勉強法を解説!

ハチミツちゃん

計算があまり好きじゃないので、判断推理や数的推理はいやな科目でした。

わんこ先生

判断推理/数的推理/資料解釈は公務員試験ではじめて出会うひとが多い科目です。
そして数字や図形をあつかうので、苦手にしている受験生はとても多いですよね。

でも教養試験のなかでもっとも重要な科目ですから、さけてとおることはできません。

この記事では判断推理/数的推理/資料解釈について、

  • 出題分野と形式
  • 頻出分野と難易度
  • 効果的な勉強方法
  • おすすめ参考書
  • 試験種類ごとの勉強ポイント

をすべて解説します。

判断推理/数的推理/資料解釈を得意科目にして、本番で高得点をめざしましょう!

 

 

公務員試験「判断推理/数的推理/資料解釈」を知ろう!

まずは、判断推理/数的推理/資料解釈がどんな科目なのか見てみましょう。
それから難易度や頻出分野を確認し、大まかな勉強の方針を立てます。

どんな科目なの?

判断推理/数的推理/資料解釈のおもな分野、出題数、出題形式は次のとおりです。

分野は11つ/11つ/2つ

判断推理/数的推理/資料解釈はそれぞれ11つ/11つ/2つの分野に分かれています。

判断推理

  • 【論理】:命題、集合、真偽
  • 【関係】:対応関係、位置関係、順序関係
  • 【数量推理】
  • 【試合】:リーグ戦、トーナメント戦
  • 【暗号】:カナの暗号、アルファベットの暗号
  • 【操作手順】:ニセガネ選別、油分け算、ゲームの必勝法
  • 【推理】:事実からの推理、発言からの推理
  • 【立体図形】:正多面体、立体の切断、投影図
  • 【展開図】:重なる辺、面の移動、平行な面
  • 【軌跡/移動】:直線上の軌跡、図形上の軌跡、円の回転数
  • 【図形の分割と構成】:平面図形、立体図形、位相
数的推理

  • 【倍数/約数】:最小公倍数、剰余系、素因数分解、約数の個数
  • 【整数】:不定方程式の整数解、整数の計算
  • 【比/割合】:比の性質、割合、利益算、濃度
  • 【記数法/数列】:10進法とn進法の変換、等差数列、等比数列、階差数列、フィボナッチ数列
  • 【最大と最小】:条件の最大と最小、二次関数の最大と最小
  • 【速さ】:比の利用、旅人算、通過算、流水算
  • 【覆面算/魔法陣】
  • 【文章題】:仕事算、ニュートン算、平均算、集合算
  • 【場合の数】:順列、組合せ
  • 【確率】:加法定理、乗法定理、余事象の確率、原因の確率、期待値
  • 【図形の計量】:三平方の定理、相似、底辺分割の定理、円の性質
資料解釈

  • 【実数/構成比】
  • 【指数/増減率】

出題数はとても多い

教養試験で判断推理/数的推理/資料解釈はどれくらい出題されるのかというと、

  国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
判断推理の出題数 7 9 8 10 9 7~8
数的推理の出題数 7 4 5 5 6 4~5
資料解釈の出題数 2 3 3 4 1 1
全体の回答数 40 40 40 40 50 40
全体の出題数 40 40 40 44 50 40
回答必須/選択 必須 必須 必須 必須 必須 必須
受験案内 国総合 国一般 労基官
国税官
財務官
特別区
試験種の略称

  • 【国総合】:国家総合職(法律、経済、政治/国際区分)
  • 【国一般】:国家一般職
  • 【国専門】:国家専門職(労働基準監督官、国税専門官、財務専門官)
  • 【特別区】:東京都特別区(東京都23区)
  • 【地上級】:地方上級(道府県庁、政令指定都市)
  • 【市役所】:市役所上/中級(政令指定都市をのぞく市役所)

判断推理/数的推理/資料解釈を合わせると、市役所上/中級では13問、国家公務員試験や地方上級では16問、東京都特別区にいたっては19問も出題されます。

教養試験の3分の1から半分くらいをしめる、もっとも重要な科目です。

資料解釈

資料解釈は計算量が多めですが、必ず解ける問題ばかり。
判断推理や数的推理にくらべて確実に得点することができます。

東京都特別区では4問、国家一般職と国家専門職では3問が出題されます。
これらの試験種では資料解釈で満点をねらって、十分に対策しておくのがおすすめです。

はんたいに地方公務員試験では標準的なレベルの問題が1問しか出題されないので、試験直前にいくつか過去問を解いてなれておけば大丈夫です。

出題形式

判断推理/数的推理/資料解釈のばあい、出題形式はとても多様で、新しいタイプの問題が登場してきますのでここでは割愛します。

本番でどんな問題が出題されてもおどろかず、「聞かれていることは同じ」と落ち着いて回答しましょう。

 

頻出分野と難易度をチェック

公務員試験の試験種別に、判断推理/数的推理/資料解釈の頻出分野と難易度を表にまとめました!

判断推理 国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
論理
関係
数量推理
試合
暗号 ― 
操作手順
推理
立体図形
展開図
軌跡/移動
図形の分割と構成
難易度 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
数的推理 国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
倍数/約数
整数
比/割合
記数法/数列
最大と最小
速さ
覆面算/魔法陣
文章題
場合の数
確立
図形の計量
難易度 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
資料解釈 国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
実数/構成比
指数/増減率
難易度 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
表の見方

  • 【頻出分野】は「◎:とてもよく出る」「〇:よく出る」「△:出る」「―:近年出題がない」の4つに分類しています。
  • 【難易度】は「★:とても易しい」「★★:やや易しい」「★★★:標準」「★★★★:やや難しい」「★★★★★:とても難しい」の5段階で表示しています。
  • 個人の所感により作成したものです。

頻出分野は?

判断推理では、対応関係/位置関係/順序関係がすべての試験種でもっとも出題頻度が高い分野です。
毎年複数の問題が出るので、十分に対策しておきましょう

試合や暗号は東京都特別区でよく出る、など試験種によって特徴があるので確認しておくといいですよ。

数的推理では、試験種ぜんたいをとおして整数、速さ、文章題、確率、図形の計量はよく出題されます。
とくに図形の計量はすべての試験種で毎年必ず出るので、要注意です。

最大と最小は国家総合職で頻出分野ですが、地方公務員試験ではほとんど出題されないなど、試験種ごとの特徴をみておきましょう。

難易度は?

国家総合職の難易度は高いです。
問題が長文で条件がたくさん与えられる傾向があります。

そのほかの国家公務員試験は、全体としてやや高めで、問題によって難易度に幅があるのがとくちょうです。
標準的な問題もあれば、とても難しい問題もあります。

地方公務員試験の難易度は標準からやや高めです。
近年は難しくなりつつあるので注意が必要です。

頻出分野と難易度の話をまとめると、

  • 試験種全体の頻出分野と、試験種ごとの頻出分野がある!
  • 難易度は高め!

 

勉強の方針

ここまでをふまえて、判断推理/数的推理/資料解釈の大まかな勉強方針を次のように決めましょう。

  • 頻出分野にこだわらない!
  • 受験勉強の最初に対策する!

頻出分野にこだわらない

判断推理/数的推理/資料解釈は試験種によって各分野の出題頻度にとくちょうがあります。

でも、はじめは頻出かどうかにこだわらず、すべての分野の勉強にとりくみましょう

問題の分野はちがっても、大きな思考過程は科目全体をとおして同じです。
ある分野での勉強はぜんたいの力を底上げするので、ほかの分野にも効果があります。

どの分野もあるていど解けるようになってから、頻出分野を完ぺきにするのがおすすめです。

受験勉強の最初に対策する

地方上級や市役所上/中級を受験するときの、教養試験のおすすめ勉強順番はこちらです。

おすすめの勉強順番

  1. 判断推理/数的推理/資料解釈
  2. 文章理解:現代文/英文/古文
  3. 時事
  4. 社会科学:政治/経済/社会
  5. 人文科学:日本史/世界史、地理/思想/文学/芸術
  6. 自然科学:生物/地学、数学/物理/化学

判断推理/数的推理/資料解釈は、教養試験でもっとも重要な科目です。

対策するのも時間がかかりますから、公務員試験を受験すると決めたらすぐに勉強にとりかかりましょう。

わんこ先生

判断推理/数的推理/資料解釈の特徴がよくわかりましたね。

それではいよいよ、公務員試験の判断推理/数的推理/資料解釈で高得点をとる勉強法を解説していきますよ。

 

公務員試験「判断推理/数的推理/資料解釈」が得点できる勉強法!

判断推理/数的推理/資料解釈を勉強するとき、本番直前まで心にとどめてほしいことがあります。

それをつねに意識しながら、導入テキストと過去問題集の使い方をマスターして学習していきましょう。

大切な3つのポイント

  1. 毎日コツコツ勉強する!
  2. 暗記科目と考える!
  3. 解くスピードを速める!

POINT.1 毎日コツコツ勉強する

受験勉強のはじめから毎日コツコツと継続してとりくむことが大切です。

判断推理/数的推理/資料解釈はスポーツとにているところがあります。
急激に得点力があがることはなく、毎日の積み重ねで少しずつ力がついていく。そして勉強しない期間が続くと、振り出しにもどってしまいます

受験勉強の初日から試験前日まで長く付き合っていく科目です。
短期間でかたをつけようとせず、「毎日1,2時間の勉強を1年続ければ十分」とらくな気持ちでいきましょう。

POINT.2 暗記科目と考える

判断推理/数的推理/資料解釈の問題を解くには、天性の高いセンスや思考力がなければいけないのでしょうか。

決してそんなことはありません。
これらの科目は暗記科目と考えましょう。

もちろん単純な知識の暗記ではありません。

あるていど問題の解法パターンが決まっているので、それをからだに覚えこませ、問題文を読んだとき「どのパターンを使うのか」が自然と思いつくようになればいいんです

はじめのうちは問題演習で1問ごとにあまり考えこまず、分からなければすぐに解説を読んで、解法パターンを覚えることを意識すると効果的ですよ。
その後にもういちど問題文を読み、解説の思考過程を自分なりにたどって再現してみることを忘れずに。

POINT.3 解くスピードを速める

受験勉強をしているときは、参考書の問題はあるていど時間をかけてすべて解きますよね。

でも試験本番では時間が限られていますし、ばあいによっては時間内にすべての問題が解けず、取捨選択することがあります

問題演習がすすんできたら、問題を解くスピードを高めることが大切です。

たとえば5分と時間を決めてとりくみ、時間がオーバーしたときは解説にうつりましょう。
その問題にはチェックをつけておき、今後もくり返し演習するようにします。
ただ、時間をオーバーしても「あと少しで解けそう」というときはそのまま回答を続けても大丈夫です。

演習だからといってゆったり解かず、緊張感をもってとりくむ必要があります。
だんだんと解法パターンをあたまからスムーズに引き出せるようになり、前につまずいた問題でもすばやく解けるようになりますよ。

 

おすすめ参考書と使いかた

参考書選びはとても重要。

数ある参考書のなかで、おすすめはこちらです。

  • 【畑中敦子の判断推理 ザ・ベストプラス(ほか数的推理、資料解釈)】導入テキスト
  • 【公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 判断推理(ほか数的推理)】:過去問題集
  • 【公務員試験 合格の500】:総仕上げ

よい参考書をえらんだら、参考書を正しく使って勉強することが大切。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. ベストプラスで解法をマスターする!
  2. スー過去をくり返し解く!
  3. 合格の500を解く!

 

試験種類ごとの学習ポイント

公務員試験には国家総合職や国税専門官、地方上級などたくさんの種類があります。

試験の種類ごとに、判断推理や数的推理の効果的な学習方法はちがうんです

自分が志望するところの学習ポイントをおさえましょう。

国家公務員や裁判所職員、東京都庁職員、国立大学法人等職員はとくに難関の公務員試験です

「判断推理/数的推理/資料解釈の独学はちょっと自信がない…」というひとは、公務員試験予備校の活用をかんがえてみましょう。
公務員試験予備校は、質の高い講師やテキストがそろっているのでおすすめです。

 

わんこ先生
これで判断推理/数的推理/資料解釈の勉強法の解説は終わりです。おつかれ様でした。

判断推理/数的推理/資料解釈は対策にとても長い時間がかかる科目です。
どうしても苦手なひとは「半分得点できれば十分」とわりきって、標準的な問題だけは必ず解けるようにしましょう。