【岩手県】職員採用試験の合格法を解説!

ハチミツちゃん

「岩手県の職員採用試験って、どんな感じなんだろう?」

「じぶんでも受かるのかな…」

岩手県の職員採用試験のこと、よく分からなくて不安になりますよね。

わんこ先生

岩手県の職員採用試験はとても人気のある公務員試験です。

岩手県をふくむ都道府県庁や政令指定都市の公務員採用試験は、「地方上級」とよばれます。

地方上級といっても、自治体ごとに試験内容や特徴がことなります。

この記事では岩手県の公務員採用試験にフォーカスして、

  1. 岩手県職員採用試験の「試験種類」
  2. 岩手県職員採用試験の「試験内容」
  3. 岩手県職員採用試験の「試験スケジュール」
  4. 岩手県職員採用試験の「試験対策」
  5. 岩手県職員採用試験の「倍率」

をくわしく解説していきます。

学習のガイドとして参考にし、岩手県職員採用試験の合格をめざしましょう!

 

 

岩手県職員採用試験の「試験種類」

岩手県の職員採用試験は、大きく4つの区分にわかれます。

受験資格といっしょに確認してみましょう。

  • 【Ⅰ種】:大学卒業程度。年齢要件は22~32歳(一般行政Bは22~40歳)
  • 【Ⅱ種】:短大卒業程度。年齢要件は20~26歳
  • 【Ⅲ種】:18~21歳の高卒または短大卒
  • 【警察官】:警察官Aは年齢が33歳以下の大卒者、警察官Bは年齢が18~29歳の大卒以外

年齢はすべて受験翌年の4月1日時点

大学卒業程度などといっても、じっさいに大学を卒業している必要はありません。

年齢要件を満たしていれば受験することができます。

警察官をのぞくそれぞれの区分のなかに、「行政系」や「技術系」の職種がいくつか用意されています。

平成29年度試験で募集されたⅠ種試験の職種は、

  • 【行政系】:一般行政A、一般行政B
  • 【技術系】化学、農芸化学、農学、農業農村工学、畜産、水産、林業、電気、土木、建築

一般行政Aは新卒者向け、一般行政Bは経験者向けの試験です。

Ⅱ種試験で募集された行政系の職種は、「一般事務(学校事務)」「警察事務」。
Ⅲ種試験で募集された行政系の職種もおなじく、「一般事務」「警察事務」でした。

ここからはもっとも受験者が多い、行政系職種の採用試験をメインに解説していきますね。

 

岩手県職員採用試験の「試験内容」

  1次試験 2次試験 3次試験
教養試験 専門試験
(多肢選択式)
論文試験 専門試験
(記述式)
論文試験 人物試験 人物試験
Ⅰ種 一般行政A
200点

200点

50点

100点

400点

300点
一般行政B
150点

400点
 〇
350点

300点
Ⅱ種 一般事務/
警察事務

200点

100点

300点
Ⅲ種 一般事務/
警察事務

200点

100点

300点

平成30年度採用試験で、「専門試験(記述式)」はおこなわれません。

1次試験

全職種の1次試験で課されるのは、「教養試験」です。

教養試験は公務員試験にとくゆうな科目群の「一般知能分野」、高校までに学ぶことが多い科目群の「一般知識分野」にわかれます。

  • 【一般知能分野】:文章理解(英文/古文/現代文)、判断推理/数的推理/資料解釈
  • 【一般知識分野】:社会科学(政治/法律/経済/社会)、人文科学(日本史/世界史/地理/文学,芸術)、自然科学(数学/物理/化学/生物/地学)

教養試験の試験時間は120分。

各科目の出題数は(Ⅰ種とⅡ種のばあい)、

科目 出題数
政治 1
法律 3
経済 3
社会 4
日本史 2
世界史 2
地理 2
文学,芸術 1
数学 1
物理 1
化学 2
生物 2
地学 1
英文 5
古文 1
現代文 3
判断推理 9
数的推理 6
資料解釈 1
合計 50

地方上級の教養試験は、全50問の回答がきほんです。

ですが岩手県のばあい、合計回答数が40問になるよう各科目の回答数をどくじに調整しています。

公務員試験の各区分ごとに、必要な専門的知識をはかるために実施されるのが専門試験です。
行政系のなかでは一般行政Aだけ専門試験がおこなわれます。

一般行政Aのばあい、専門試験は「行政系科目」「法律系科目」「経済系科目」から出題。

  • 【行政系科目】:政治学/行政学/社会政策/社会学/国際関係
  • 【法律系科目】:憲法/行政法/民法/刑法/労働法
  • 【経済系科目】:ミクロ経済学/マクロ経済学/財政学

専門試験の試験時間は120分。

各科目ごとの出題数は、

科目 出題数
政治学 2
行政学 2
社会政策 3
国際関係 2
憲法 4
行政法 5
民法 4
刑法 2
労働法 2
ミクロ経済学/
マクロ経済学
9
財政学 3
(経営学) (2)
合計 40

地方上級の専門試験は、この表の出題数がきほんです。

ですが岩手県のばあい、経営学は出題されません。
合計回答数が40問になるよう各科目の出題数をどくじに増減しています。

Ⅱ種やⅢ種の一般事務や警察事務で課される論文試験は、それぞれに関連するテーマに対して回答を記述します。

試験時間はⅡ種が80分、Ⅲ種が60分です。

平成29年度試験の出題テーマは、

  • 岩手県の学校における課題を1つ挙げ、行政として取り組むべき解決策を論じなさい。(Ⅱ種一般事務)
  • 警察として求められることは何か。それを踏まえ、あなたが岩手県警察事務職員として取り組んでいきたいことを論じなさい。 (Ⅱ種警察事務)
  • 住みよい岩手をつくるために、あなたが県職員として取り組みたいことについて述べなさい。(Ⅲ種一般事務/警察事務)

教養試験の配点は、一般行政Bが150点、そのほかが200点です。
一般行政Aの専門試験(多肢選択式)は200点。

Ⅱ種とⅢ種の論文試験はどちらも100点です。

2次試験

一般行政AとBは2次試験で「論文試験」が登場します。

一般行政Aは1テーマ、一般行政Bは2テーマに回答。
配点は一般行政Aが100点、一般行政Bが400点です。

平成29年の出題テーマは、

  • 岩手県では、東日本大震災津波により甚大な被害を受けた三陸地域の早期の復旧、復興はもとより、長期的な視点に立ち、多くの人々をひきつけ、多様な人材が育まれる、将来にわたって持続可能な新しい三陸地域の創造を目指すため、「三陸創造プロジェクト」を推進しています。このプロジェクトは、「科学技術分野」、「環境共生・再生可能エネルギー分野」、「津波災害への次世代への継承」、「産業振興分野」及び「新たな交流による地域づくり」の分野で実施していますが、今後、プロジェクトを推進する上で課題となることを1つ挙げ、その解決策について論じなさい。(一般行政A)
  • あなたがこれまでの職務経験で得た誇るべき実績は何か。また、それを達成するためにどのように取り組み、その経験から得られたことを岩手県政のためにどのように生かしていきたいか、論じなさい。(一般行政B アピール論文)
  • 岩手県では、人口減少や少子高齢化の進行等に伴い、基幹産業である農林水産業や、地域産業分野における担い手不足が課題となっており、その確保や育成に取り組んでいます。そこで、担い手を確保するための対応策として、どのようなことが考えられるか論じなさい。(一般行政B 政策課題論文)

一般行政Aの人物試験では「個別面接」と「集団討論(グループワーク)試験」がおこなわれます。
配点は両方あわせて400点です。

集団討論試験(グループワーク)は、受験者数名がグループになり、出題されたテーマに対してグループでディスカッションし、最後に発表します。
平成29年の出題テーマは、

  • 岩手県の世界遺産等を活用した地域振興策について
  • 岩手県の海外戦略について
  • 岩手県産米消費拡大について
  • 岩手県の被災地におけるコミュニティについて
  • 岩手県の児童生徒の肥満について
  • 岩手県の若者や女性の活躍について
  • 岩手県の文化やスポーツ振興戦略について

一般行政Bの人物試験では「個別面接」と「プレゼンテーション試験」がおこなわれます。
配点は両方あわせて350点です。

プレゼンテーションの平成29年出題テーマは、

  • あなたがこれまでの職務経験で得た誇るべき実績は何か。また、それを達成するためにどのように取り組み、その経験から得られたことを岩手県政のためにどのように生かしていきたいか、論じなさい。

3次試験は一般行政AとBどちらも人物試験として「個別面接」が課されます。
配点は300点です。

1次試験や2次試験、3次試験の合格者は各試験の得点によって決定。
最終合格者は、各試験の合格基準をみたしたうえで、3次試験の得点の順位で決まります。

Ⅱ種とⅢ種は2次試験で「個別面接」がおこなわれ、その結果で合否が決定されます。

 

岩手県職員採用試験の「試験スケジュール」

平成30年度に実施される一般行政AとBの試験日程はこちら。

  1. 【1次試験】:6月24日
  2. 【1次合格発表】:6月下旬
  3. 【2次試験】:7月中旬
  4. 【2次合格発表】:7月下旬
  5. 【3次試験】:8月上旬
  6. 【最終合格発表】:8月下旬

2次試験の論文試験は、1次試験の日におこなわれます。

1次試験は盛岡市のほか、東京都の会場で受験することも可能です。

 

岩手県職員採用試験の「試験対策」

教養試験

教養試験や専門試験は、とにかく科目数がたくさんあります。
出題数が多い科目や、マスターするのに時間のかかる科目から学習するのが鉄則です。

教養試験のなかでは「判断推理」「数的推理」がもっとも重要な科目。
得点源にできる「資料解釈」や「文章理解」も、早いうちから取りくみましょう。

これらの科目の学習が十分にすすんだら、「社会科学(政治/法律/経済/社会)」や「人文科学(日本史/世界史/地理/思想/文学,芸術)」、「自然科学(数学/物理/化学/生物/地学)」の勉強をはじめます。

社会科学は専門試験の科目とかぶる内容が多くあります。
専門試験の政治学や憲法、経済学の学習を優先するのがおすすめ。

人文科学と自然科学は範囲がとても広いわりに出題数が少ないので、時間のかけすぎに注意が必要です。
判断推理や文章理解の学習をメインに続けながら、気分転換として取りくみましょう。

専門試験

専門試験のなかでもっとも理解に時間がかかり、出題ウェイトも大きい科目は「民法」と「経済学」です。
出題数が多くて、教養試験にも登場する「憲法」や「行政法」の学習も早くからスタートします。

法律系科目では憲法がいちばん勉強しやすいので、先にはじめるのがおすすめ。

重要科目の学習がすすんだら、次に行政系科目とよばれる「政治学」「行政学」「社会政策」「国際関係」や、のこる経済系科目の「財政学」に取りかかります。

こうした科目は、ほとんど暗記科目です。
演習問題をくり返しながら、知識をあたまに定着していきましょう。

最後によゆうがあれば、「労働法」と「刑法」の対策をします。
刑法は難解ですが、労働法は得点源になるので勉強しておくのがおすすめです。

論文試験

筆記試験とちがって、「論文はなにを勉強したらいいんだろう」「どうしたら得点が高くなるのか分からない」と疑問に思いますよね。
勉強のしかたが明らかな筆記試験より、対策も不十分になりがち。

でも、論文は筆記試験や面接と同じくらい重要で、合否に影響する試験です。

論文試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

面接試験

どんな公務員試験でも、面接は必ず課されます。

筆記試験とちがって、面接はいまいち試験の内容がつかみづらく、どんな対策をしたらいいか不安になりますよね。

事前にしっかり対策したひとと、そうでないひとの差が簡単に見えてしまう試験なので、筆記試験と同じくらい気合をいれて取り組む必要があるんです。

面接試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

集団討論(グループワーク)試験

集団討論って「どんなふうに進むんだろう?」「なにを話したら評価されるのかな」と、分からないことだらけですよね。

面接練習は2人いればできますが、集団討論の練習はたくさんの人がいないとできません。
あらかじめ頻出テーマや、評価の高いすすめかたを知っておくと有利です。

集団討論試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

岩手県職員採用試験の「倍率」

平成28年度におこなわれたⅠ種試験の倍率はこちらです(一般行政Bをのぞく)。

  受験者 1次合格 2次合格 最終合格 倍率
一般行政A 270 87 52 43 6.3
社会福祉 26 16 10 7 3.7
心理 9 4 3 2 4.5
農学 28 28 21 18 1.6
畜産 10 10 8 7 1.4
林学 15 10 6 5 3.0
水産 10 9 6 4 2.5
総合土木A 39 29 20 19 2.1
建築 5 3 2 2 2.5
機械 8 6 4 4 2.0
電気 11 8 5 4 2.8
総合化学 22 16 10 8 2.8

 

わんこ先生

これで「【岩手県】職員採用試験を解説!」は終わりです。
おつかれ様でした。

この記事のポイントです。

  • 一般行政Aの専門試験(記述式)は、平成30年度の試験で登場しない
  • 一般行政Aの教養試験と専門試験(多肢選択式)の配点はおなじ
  • 最終合格者は2次試験または3次試験でおこなわれる個別面接の得点だけで決まる