公務員試験【経済学】の勉強法を解説!

ハチミツちゃん

経済学は計算問題もあって、じつはいちばん嫌いな科目でした。

わんこ先生

民法とならんで苦手とする受験生が多いのが、経済学。
なかには「数学が苦手だから、経済学なんてぜったいムリ」とはじめから諦めるひともいます。

誤解されがちですが、経済学に数学は必要ありません。
ごくごく簡単な計算を覚えるだけで問題は解けるんです。

この記事では、

  • 経済学の出題分野と形式
  • 経済学の頻出分野と難易度
  • 経済学の効果的な勉強方法
  • 経済学のおすすめ参考書
  • 経済学の試験種類ごとの勉強ポイント

をすべて解説します。

経済学を得意科目にして、本番で高得点をめざしましょう!

 

 

公務員試験「経済学」を知ろう!

まずは、経済学がどんな科目なのか見てみましょう。
それから難易度や頻出分野を確認し、大まかな勉強の方針を立てます。

どんな科目なの?

経済学のおもな分野、出題数、出題形式は次のとおりです。
「ふ~ん。そうなんだ」くらいに読み流して大丈夫ですよ。

分野は11つ

経済学はとても分量の多い学問なので、【ミクロ経済学】と【マクロ経済学】に分かれています。

ミクロ経済学は家庭や企業の視点で経済活動を分析し、マクロ経済学は国のレベルで経済活動を分析するんです。

ミクロ経済学は次の6つの分野があります。

ミクロ経済学
  • 【消費者理論】:最適消費点と無差別曲線、代替効果と所得効果、上級財と下級財、需要の価格弾力性、期待効用
  • 【生産者理論(完全競争)】:利潤最大化と費用関数、損益分岐点と操業停止点、長期均衡、生産関数
  • 【生産者理論(不完全競争)】:独占、複占、寡占、ゲーム理論
  • 【市場理論】:市場の安定、余剰分析
  • 【パレート最適と市場の失敗】:パレート最適、外部効果、平均費用逓減産業、情報の不完全性
  • 【ミクロ貿易論】:比較優位論、貿易論

そしてマクロ経済学の分野は大きく5つです。

マクロ経済学
  • 【国民所得の決定】:45度線分析、IS-LM分析、マンデル=フレミング・モデル、消費関数、投資関数、貨幣理論
  • 【乗数理論】:乗数理論の基本、IS-LM計算
  • 【総需要-総供給分析】:総需要曲線、労働市場と総供給曲線、フィリップス曲線と自然失業率仮説、インフレ需要曲線/供給曲線
  • 【経済成長理論】:ハロッド=ドーマーの経済成長理論、新古典派の経済成長理論
  • 【GDP】:GDP統計、ISバランス、物価指数、産業連関表

出題数はとても多い

専門科目の試験でミクロ経済学とマクロ経済学の問題は、合わせてどれくらい出題されるのかというと、

  国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
経済学の出題数 16 10 10 11 11
全体の回答数 40 40 40 40 40 40
全体の出題数 46 80 55 40 40
回答必須/選択 必須 選択 選択 必須 必須
受験案内 国総合 国一般 労基官
国税官
財務官
特別区
試験種の略称
  • 【国総合】:国家総合職(経済区分)
  • 【国一般】:国家一般職
  • 【国専門】:国家専門職(労働基準監督官、国税専門官、財務専門官)
  • 【特別区】:東京都特別区(東京都23区)
  • 【地上級】:地方上級(道府県庁、政令指定都市)
  • 【市役所】:市役所上/中級(政令指定都市をのぞく市役所)

ミクロ経済学とマクロ経済学を合わせれば、すべての試験種でもっとも多い出題数です。
経済学は専門試験全体にしめる割合が大きいですから、経済学をさけては公務員試験の合格はないというぐらい重要な科目ですね。

受験案内にはそのほかの科目の出題数も掲載されていますから、ぜひ参照してみましょう。

※【国家専門職】は各試験種によって経済学の出題数や必須/選択が分かれるため、ここでは割愛しています。

出題形式は3つ

問題の出題形式は大きく3通りです。

  • 【文章問題】:「次の記述のうち、妥当なのはどれか?」
  • 【グラフ問題】:「次の図にかんする記述のうち、妥当なのはどれか?」
  • 【計算問題】:「~はいくらか?」

国家総合職はもともと【計算問題】のわりあいが高いんですが、ほかの試験種でも計算問題が多く出題されるようになっているので注意が必要です。
でも、計算問題はいくつかのパターンを覚えてしまえば得点しやすいので、「勉強しやすくなった」と前向きに考えましょう。

それでは次に、経済学の頻出分野と難易度を確認してみます。

 

頻出分野と難易度をチェック

公務員試験の試験種別に、経済学の頻出分野と難易度を表にまとめました!

ミクロ経済学は、

  国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
消費者理論
生産者理論(完全競争)
生産者理論(不完全競争)
市場理論
パレート最適と市場の失敗
ミクロ貿易論
難易度 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆

マクロ経済学は、

  国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
国民所得の決定
乗数理論
総需要-総供給分析
経済成長理論
GDP
難易度 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
表の見方
  • 【頻出分野】は「◎:とてもよく出る」「〇:よく出る」「△:出る」の3つに分類しています。
  • 【難易度】は「★:とても易しい」「★★:やや易しい」「★★★:標準」「★★★★:やや難しい」「★★★★★:とても難しい」の5段階で表示しています。
  • 個人の所感により作成したものです。

頻出分野は?

ミクロ経済では、全体的に【消費者理論】と【生産者理論】が頻出です。
国家一般職や市役所上/中級では、【ミクロ貿易論】が出題されることはあまりありません。

マクロ経済では、全体的に【国民所得の決定】や計算問題の【乗数理論】がとてもよく出ます
【GDP】は地方上級と市役所上/中級で頻出ですが、国家総合職と国家一般職であまり出題されることはありません。

東京都特別区はミクロ経済とマクロ経済ともに、いろいろな分野からバランスよく問題が出されています。

試験種ごとに出題に差がある分野と、共通してよく出題されている分野があるんですね。

難易度は?

国家総合職の難易度はとても高いです。
難しい計算問題がよく出題されます。

ほかの試験種も、すべての科目のなかで経済学の難易度はトップクラスです。

でも、経済学の基礎をしっかり固めて、問題の解法パターンを覚えてしまえば大丈夫。
満点をとることはできなくても、合格点をとればいいのですから。

頻出分野と難易度の話をまとめると、

  • すべての試験種で共通の頻出分野がある!
  • 難易度は高め!

 

勉強の方針

ここまでをふまえて、経済学の大まかな勉強方針を次のように決めましょう。

  • 頻出分野からつぶす!
  • 主要法律系科目の次に対策する!

頻出分野からつぶす

「ミクロ経済とマクロ経済ともに、全体に共通して頻出の分野がある」とお伝えしましたね。
ミクロ経済学の【消費者理論】と【生産者理論】、マクロ経済学の【国民所得の決定】と【乗数理論】です。

この分野から経済学全体の半分以上が出題されます。
ほかの分野の理解の土台にもなる、まさに経済学の柱です。

どれも参考書のはじめに位置していますから、まずはこの分野から勉強にとりくみましょう。

主要法律系科目の次に対策する

地方上級や市役所上/中級を受験するときの、おすすめ勉強順番はこちらです。

主要法律系科目の憲法、行政法、民法の学習が終わったら、次は経済学の勉強にうつります。

「ミクロ経済学とマクロ経済学、どっちから先に勉強したらいいの?」と迷いますよね。

おすすめは先にミクロ経済学です。

経済学でもっとも大事な「需要と供給」を学びますし、計算問題もマクロ経済学にくらべてかんたんです。
マクロ経済学には、ミクロ経済学の知識が前提になっている分野もありますから。

おすすめ勉強順番
  1. 憲法
  2. 民法 or 行政法
  3. ミクロ経済学
  4. マクロ経済学
わんこ先生

経済学の特徴がよくわかりましたね。

それではいよいよ、数学ができなくても経済学で高得点がとれる、じっさいの勉強法を解説していきますよ。

 

公務員試験「経済学」が得点できる勉強法!

経済学を勉強するとき、本番直前まで心にとどめてほしいことがあります。

それをつねに意識しながら、導入テキストと過去問題集の使い方をマスターして学習していきましょう。

大切な3つのポイント

  1. 経済学に数学は必要ない!
  2. 基礎を固めることが大切!
  3. 理論に深入りしない!

POINT.1 経済学に数学は必要ない

「数学が苦手だから、どうせ経済学も分からないんだろうな」と悩む受験生が多くいます。

ですが、経済学に数学は必要ありません!

正確にいえば、数学ではなく「公務員試験の経済学で使うかんたんな計算」を覚えれば大丈夫なんです。

計算問題に使うのは、

  • 【四則演算】:足し算、引き算、掛け算、割り算
  • 【分数, 少数】:1/1-0.2 = 1/0.8 = 1.25
  • 【指数】:32×9 = 32×32 = 34 = 81
  • 【関数】:Y = 2X+5 , Y = X2+2X+5
  • 【微分】:Y = X2+2X+5 ⇒ ΔY/ΔX = 2X+2
  • 【増分法】:Y = A+5B+10C+20「Bが10増加するときYはいくら増加するか?という問いの場合、関係のあるYとAにΔをつけて、ほかを消し去ります」ΔY = 5×ΔB = 5×10 = 50

この計算ルールさえ覚えてしまえば、経済学の問題はすべて解くことができます

関数や微分と聞いただけで「ぜったいムリ」と拒否反応を示すひともいますが、公務員試験の経済学の問題に登場する関数や微分は、とてもかんたんな式であたえられます。

専門試験は2時間くらいで40問ほどの問題を解く必要がありますから、1問あたり3分の計算です。

3分で高度な数学をつかって計算するのは時間が短すぎますよね。
時間内に解くため、問題はかんたんな計算で足りるよう作られているんです。

POINT.2 基礎を固めることが大切

経済学は過去問演習にとりかかる前に、導入テキストで基礎を固めることがとても大切です。

民法などほかの科目では、導入テキストをさっと読み流して、過去問題集で知識の理解と定着を目指していましたね。
ですが経済学は、基礎をしっかり理解してからでなければ、問題は解けるようになりません

理解があいまいな状態で問題を解いて解説を読んでも、けっきょくよく分からず、知識はあやふやなままになってしまうんです。

過去問題集をつかう前に、導入テキストで経済学を7割ていど理解しておくことが必要です。

POINT.3 理論に深入りしない

ほんらいの経済学は背景に高度な数学の世界をもっています。
公務員試験の導入テキストや過去問題集では、試験で得点をとることだけを目的に、効率よく学べるようできるだけ理論を単純化して説明してくれています。

勉強しているうちに、「なぜこうなるんだろう?」と疑問を感じることがよくあるんです。
そのときに理論的な正しさをもとめて立ちどまったり、専門書籍を調べたりする必要はありません

「そんなもんか」とか「この学者はこう考えたんだな」とわりきり、すなおに覚えることが大切です。
経済学者を目指すわけではないので、公務員試験に合格するために効率よく勉強しましょう。

 

おすすめ参考書と使いかた

参考書選びはとても重要。

数ある参考書のなかで、おすすめはこちらです。

  • 【公務員試験 最初でつまずかない経済学 ミクロ編, マクロ編】:導入テキスト
  • 【公務員試験 新スーパー過去問ゼミ ミクロ経済学, マクロ経済学】:過去問題集
  • 【公務員試験 合格の500】:総仕上げ

参考書の特徴やおすすめする理由をくわしく知りたいときは、この記事を読んでくださいね。

よい参考書をえらんだら、参考書を正しく使って勉強することが大切。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. つまずかないを理解するまで繰り返し読む!
  2. スー過去を繰り返し解く!
  3. 合格の500を解く!

勉強の効果をもっとも高める参考書の使い方を、くわしく知りたいときはこの記事を読んでくださいね。

 

試験種類ごとの学習ポイント

公務員試験には国家総合職や国税専門官、地方上級などたくさんの種類があります。

試験の種類ごとに、経済学の効果的な学習方法はちがうんです

自分が志望するところの学習ポイントをおさえましょう。

国家公務員や裁判所職員、東京都庁職員、国立大学法人等職員はとくに難関の公務員試験です

「経済学の独学はちょっと自信がない…」というひとは、公務員試験予備校の活用をかんがえてみましょう。
公務員試験予備校は、質の高い講師やテキストがそろっているのでおすすめです。

 

わんこ先生

これで経済学の勉強法の解説は終わりです。
おつかれ様でした。

経済学は暗記科目にちかく、ましてや数学なんて分からなくても得点できる科目です。

経済学にたいする苦手意識は薄れたでしょうか?

経済学が終われば、専門試験の勉強はだいたい終わったようなものです。
いちど理解できれば忘れにくく、出題数がもっとも多い科目ですから、「経済学はお得な科目」と考えて早めに勉強しておきましょう。