公務員試験【憲法】の勉強法を解説!

ハチミツちゃん

憲法って判例がとても多くて、覚えるのがたいへんでした。

わんこ先生

憲法は「暗記科目」といわれます。
覚えなければいけない判例の数が多く、暗記が苦手なひとは苦労するでしょう。

でも判例の覚え方にはコツがあるので、安心してください。

この記事では、

  • 憲法の出題分野と形式
  • 憲法の頻出分野と難易度
  • 憲法の効果的な勉強方法
  • 憲法のおすすめ参考書
  • 憲法の試験種類ごとの勉強ポイント

をすべて解説します。

ほかの受験生も憲法には力を入れて取り組んできます。
負けずに憲法を得意科目にして、本番で高得点をめざしましょう!

 

 

公務員試験「憲法」を知ろう!

まずは、憲法がどんな科目なのか見てみましょう。
それから難易度や頻出分野を確認し、大まかな勉強の方針を立てます。

どんな科目なの?

憲法のおもな分野、出題数、出題形式は次のとおりです。
いまは「ふ~ん。そうなんだ」くらいに読み流して大丈夫ですよ。

分野は8つ

憲法は大きく【基本的人権】と【統治機構】の2つに分けられ、それぞれ4つずつ合わせて8つの分野があります。

基本的人権
  • 【人権総論】:法の下の平等、外国人の人権、幸福追求権
  • 【精神的自由】:表現の自由、信教の自由、思想/良心の自由
  • 【経済的自由/人身の自由】:職業選択の自由、財産権、人身の自由
  • 【参政権/社会権】:選挙権、社会権

統治機構

  • 【国会】:国会の地位/構成/活動/権能、国政調査権、国会議員
  • 【内閣】:内閣の構成と権能、内閣総理大臣、議院内閣制
  • 【裁判所】:裁判所の範囲/構成/権能、司法権の独立、違憲審査権
  • 【財政/地方自治】:財政、地方自治

出題数は多め

専門試験で憲法の問題はどれくらい出題されるのかというと、

  国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
憲法の出題数 7 5 5 4 4
全体の回答数 40 40 40 40 40 40
全体の出題数 49 80 55 40 40
回答必須/選択 必須 選択 選択 必須 必須
受験案内 国総合 国一般 労基官
国税官
財務官
特別区
試験種の略称
  • 【国総合】:国家総合職(法律区分)
  • 【国一般】:国家一般職
  • 【国専門】:国家専門職(労働基準監督官、国税専門官、財務専門官)
  • 【特別区】:東京都特別区(東京都23区)
  • 【地上級】:地方上級(道府県庁、政令指定都市)
  • 【市役所】:市役所上/中級(政令指定都市をのぞく市役所)

4~7問が出題されていますね。
同じ主要法律系3科目の民法や行政法にくらべれば、出題数はわずかに少なくなります。
ですが、多くの受験生がたくさん勉強して高得点を目指すため、とても重要な科目であることには変わりありません。

受験案内にはそのほかの科目の出題数も掲載されていますから、ぜひ参照してみましょう。

※【国家専門職】は各試験種によって憲法の出題数や必須/選択が分かれるため、ここでは割愛しています。

出題形式は5つ

問題の出題形式は大きく5通りです。

  • 【五肢択一】:「次の記述のうち、妥当なのはどれか?」
  • 【妥当な組み合わせ】:「次の記述のうち、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか?」
  • 【学説】:「~について次の2説がある。A説の立場からの記述の組み合わせとして妥当なのはどれか?」
  • 【長文の空欄補充】:「次の文章の空欄に入るものの組み合わせとして妥当なのはどれか?」
  • 【対話の正誤判断】:「次の甲と乙の会話中の下線部のうち、妥当なものの組合せはどれか?」

最近の傾向として、市役所をふくむすべての試験種で、【学説】の出題形式が多くなっています。
単純な知識の記憶では学説問題は解けませんから、おもな学説の対立は通説と少数説それぞれの主張や批判を理解しておきましょう。

通説と少数説
  • 【通説】:学説上、多数に支持されている説。最高裁が下す【判例】と対立することがある。
  • 【少数説】:学説上、少数ではあるが一定の支持がある説。

市役所上/中級では各選択肢の文章が短いのが特徴です。
いっぽう国家総合職では各選択肢の文章がとても長いため、読むのに時間がかからないよう慣れておく必要があります。

国家専門職の出題形式は特徴的です。
1つの問題が1つの分野について問うのではなく、1つの問題が複数の分野を問う形式が多いんです。
たとえば「選択肢1は表現の自由、選択肢2は職業選択の自由、選択肢3は…」というぐあい。

国家総合職は、近年の新判例が出題されることもあるので要注意です。

それでは次に、憲法の頻出分野と難易度を確認してみましょう。

 

頻出分野と難易度をチェック

公務員試験の試験種別に、憲法の頻出分野と難易度を表にまとめました!

  国総合 国一般 国専門 特別区 地上級 市役所
人権総論
精神的自由
経済的自由/
人身の自由
参政権/社会権
国会
内閣
裁判所
財政/地方自治
難易度 ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆
表の見方
  • 【頻出分野】は「◎:とてもよく出る」「〇:よく出る」「△:出る」の3つに分類しています。
  • 【難易度】は「★:とても易しい」「★★:やや易しい」「★★★:標準」「★★★★:やや難しい」「★★★★★:とても難しい」の5段階で表示しています。
  • 個人の所感により作成したものです。

頻出分野は?

国家専門職は△が多いことが分かります。
統治機構の【国会】【内閣】【裁判所】【財政/地方自治】はすべて△ですね。
これには国家専門職のかわった出題形式が関係しています。

前に「国家専門職は1つの問題で複数の分野を問う出題形式が多い」と話しました。
つまり、統治機構の分野が単独で問題になることは多くないけれど、選択肢の1つとして問われることはとても多いということなんです。
見かけの数字にまどわされずに、すべての分野の勉強をする必要がありますね。

それ以外の試験種では、出題頻度に大きなかたよりはみられません。
たとえ出題頻度が低い分野があっても、ほかの試験種ではよく出題されていれば、今後は出題される可能性がありますから、めんどうがらずに対策しておくべきでしょう。

難易度は?

難易度をみると、おおむね標準から少し難しいていどですね。

よく「憲法と民法どちらが難しいの?」と質問があります。

民法は理解が求められる科目、憲法は暗記科目と性質がことなるので、かんたんには比較できません。
ですが、憲法は過去問を繰り返し解いて知識を覚えてしまえば、だれでも得点できるようになるので、「憲法の方が勉強しやすい」と感じる受験生は多いようです。

頻出分野と難易度の話をまとめると、

  • すべての分野からバランスよく出題される!
  • 難易度は民法ほど高くない!

 

勉強の方針

ここまでをふまえて、憲法の大まかな勉強方針を次のように決めましょう。

  • 頻出ではなくてもすべての分野をつぶす!
  • 公務員試験の勉強で最初に対策する!

頻出ではなくてもすべての分野をつぶす

「試験種によって、出題頻度に大きなかたよりはみられない」ことを伝えましたね。
頻出かどうかにこだわらず、参考書のとおりの順番で勉強をすすめるようにしましょう。

あるいは【基本的人権】と【統治機構】は内容が独立していますから、先に統治機構から勉強しても問題はありません。

公務員試験の勉強で最初に対策する

地方上級や市役所上/中級を受験するときの、おすすめ勉強順番はこちらです。

憲法は法律系科目のなかで、「初学者にとって入門にちょうどいい科目」といわれています。
だれもが小学校や中学校で憲法は学習していて、ほかの法律系科目よりもなじみがあるからです。

公務員試験を受験すると決めたら、まずは憲法の勉強にとりかかりましょう。

憲法を学習することで、初学者でも法律の学問に共通する特徴的な考え方を養うことがきます。
憲法の学習が終わったら、次は分量が多い民法にうつるのがおすすめの順番です。

わんこ先生

憲法の特徴がよくわかりましたね。

それではいよいよ、公務員試験の憲法で高得点をとる勉強法を解説していきますよ。

 

公務員試験「憲法」が得点できる勉強法!

憲法を勉強するとき、本番直前まで心にとどめてほしいことがあります。

それをつねに意識しながら、導入テキストと過去問題集の使い方をマスターして学習していきましょう。

大切な3つのポイント

  1. 憲法ノートをつくる!
  2. 判例の意図を理解する!
  3. 覚えた知識を忘れない!

POINT.1 憲法ノートをつくる

憲法は暗記科目なので、いかに効率的に暗記するかが勝負の分かれ道です。
憲法の暗記に役立つ、重要なポイントを整理した自分だけの【憲法ノート】をつくりましょう。

過去問を解くなかで、間違えやすかったり覚えにくかったりする問題があります。
そんな問題に出くわしたら、その問題を解くのに必要な知識をノートにまとめておくんです。

たとえばこんな感じでまとめます。

憲法ノートのまとめ方

【違憲判決】

  • 尊属殺重罰規定
  • 衆議院議員定数不均衡
  • 非嫡出子相続分差別
  • 国籍法
  • 愛媛玉串料事件
  • 空知太神社土地無償貸与事件
  • 薬事法距離制限
  • 森林法共有林分割制限
  • 第三者所有物没収事件
  • 女性再婚禁止期間

憲法ノートがあれば覚えにくに知識が整理されるので、問題を間違えるたびに導入本やほかの問題の解説ページから必要な知識を探す手間が省けます
また憲法ノートを読むだけで、過去問題集を1周解くほどの時間をかけずに、憲法の復習ができるので便利ですよね。

POINT.2 判例の流れを理解する

憲法には覚える判例がたくさんあります。
新しく知ったことをそのつど「外国人に人権は認められる。外国人に選挙活動の自由は認められる」など、断片的に記憶するのは効率がよくありません。

判例の流れを意識して記憶するのがよい方法です。

たとえば、

マクリーン事件の判例要旨
  1. 基本的人権の保障は、日本人だけを対象としているものをのぞき、外国人にもおよぶ
  2. そして、政治活動の自由は、重大な影響を及ぼす場合をのぞき、保障がおよぶ
  3. しかし、政治活動が在留期間の更新にわるい影響を与える場合がある。

マクリーン事件は、日本でデモ活動をしていたマクリーン氏が在留期間の更新を申請したところ、法務省がデモを理由に更新を拒否した事件です。最高裁もその判断を合憲としました。

判例はいくつかの文意で構成されています。
判例の流れをつかみ要約して覚えると、知識があたまに定着しやすくなるんです。

上の例の3つ目「しかし、~」を読んでみてください。
ここから流れが大きく変わっていますよね。

判例の流れをつかむには、国民(または外国人や公務員)の人権を保障することを言っている(プラスのイメージ)のか、制限することを言っている(マイナスのイメージ)のかに着目するといいでしょう。

「この判例は違憲判決だからプラスのイメージ。この判決は途中までプラスだったけど、最後はけっきょく人権を制限しているからマイナスのイメージ」とイメージと一緒に覚えておけば、試験ですばやく知識を思い出すことができますよ。

POINT.3 覚えた知識を忘れない

憲法の統治機構はとくに、国会の会期や表決数など覚える知識が多くありますよね。
憲法は公務員試験の最初に勉強しますから、せっかく覚えた知識を試験まで忘れないようにしなければいけません。

あるていど知識が定着したら、定期的にインプットとアウトプットを繰り返しましょう。
毎回、アウトプットとして過去問題集を解きなおす必要はありません。
憲法ノートや過去問題集のレジュメを読むだけでも有効です。

民法や行政法は理解が必要な科目ですからレジュメを読むだけで問題は解けませんが、憲法は暗記科目ですから繰り返しレジュメを読むだけで得点力は上がっていきます

 

おすすめ参考書と使いかた

参考書選びはとても重要。

数ある参考書のなかで、おすすめはこちらです。

  • 【郷原豊茂の憲法まるごと講義生中継】:導入テキスト
  • 【公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 憲法】:過去問題集
  • 【公務員試験 合格の500】:総仕上げ

憲法は中学校で習ったことがある科目ですから、導入本を読まずに過去問題集に取り組むこともできます。

ですが、まる生は判例の流れをていねいに解説しているため、知識を定着させるのに役立ちます。

参考書の特徴やおすすめする理由をくわしく知りたいときは、この記事を読んでくださいね。

よい参考書をえらんだら、参考書を正しく使って勉強することが大切。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. まる生を一気に読む!
  2. スー過去をくり返し解く!
  3. 合格の500を解く!

勉強の効果をもっとも高める参考書の使い方を、くわしく知りたいときはこの記事を読んでくださいね。

 

試験種類ごとの学習ポイントと予備校の活用

公務員試験には国家総合職や国税専門官、地方上級などたくさんの種類があります。

試験の種類ごとに、憲法の効果的な学習方法はちがうんです

自分が志望するところの学習ポイントをおさえましょう。

 

国家公務員や裁判所職員、東京都庁職員、国立大学法人等職員はとくに難関の公務員試験です

「憲法の独学はちょっと自信がない…」というひとは、公務員試験予備校の活用をかんがえてみましょう。
公務員試験予備校は、質の高い講師やテキストがそろっているのでおすすめです。

 

わんこ先生

これで憲法の勉強法の解説は終わりです。
おつかれ様でした。

憲法は判例や細かな知識を覚えないといけないため、「暗記が苦手」なひとは苦痛を感じるかもしれません。

ですが憲法の問題自体はあまり難しくないんです。
スー過去を3周もすれば、ほとんどの問題が解けるようになっているので、あきらめずに頑張りましょう!