

筆記試験を突破すると、面接カードとよばれる質問項目がならんだ用紙が配られます。
それに回答を書いて、面接時に持参するのが一般的です。
面接直前の控室で配られ、その場で記入するばあいもあります。
民間企業でいうエントリーシートのようなものです。
面接官は事前に面接カードを読み、面接の評価に加味をします。
じっさいの面接も提出されたカードにそって進行することが多いので、面接カードにどんな内容を書いておくかは、とても重要だと分かりますよね。
面接官から高評価をもらう面接カードの書き方は決まっているので、ポイントをすべて解説します。
公務員試験【面接カード】STEP.1「受験先の “人材育成方針” をチェックする!」
ほとんどの自治体では職員の「人材育成方針」をつくり、ホームページなどで公開しています。
受験先が「こういう人物を採用(育成)しますよ」とわざわざ教えてくれているのですから、これを見逃す手はありません。
重視している職員としての評価項目がわかったら、自分にそうした能力や人柄がそなわっていることを、面接カードでアピールするわけです。
もし志望する自治体に人材育成方針が見当たらなくても大丈夫。
「高い倫理観と使命感」「旺盛なチャレンジ精神」「自己啓発に努める姿勢」の3つが重要な評価項目にかかげられていることが多いからです。
この3つを意識してアピールすれば、的を外すことはありません。
公務員試験【面接カード】STEP.2「面接カードの回答をつくる!」
回答の作戦をたてる
面接カードの質問項目を1つずつ確認していきましょう。
どんな質問項目があるか、それぞれの回答欄はどれくらいの大きさかチェックします。
だいたい質問項目は5~10くらい、回答欄の大きさは100~200文字くらいが標準です。
じっさいに記入してみると分かりますが、意外と書ける文字数は少なめ。
「趣味」など1行で20文字くらいのスペースしかない項目もあります。
少ない文字数という制限のなかで、「自分がもっているエピソード」と「アピールしたい能力や人柄(人材育成方針を参考にする)」をそれぞれの質問項目にバランスよく割りふることが、面接カード最大のポイントです。
たとえば質問項目がNo.1~3、自分が持っているエピソードがA,B,C、アピールしたい能力や人柄がX,Y,Zだとします。
それぞれの質問に対して「No.1:エピソードA⇒アピールX」「No.2:エピソードB⇒アピールY」「No.3:エピソードC⇒アピールZ」となるように、全体の回答をぼんやりと考えてみましょう。
エピソードやアピールをすべてちがうものにする必要はありません。
でもバリエーションが多いほど、面接官があなたを評価しやすくなることを覚えておきましょう。
志望動機/自己PR/これまでに力をいれて取りくんだこと
面接カードでは「志望動機」「自己PR」「これまでに力をいれて取りくんだこと」の3つが定番の質問です。
こちらの記事を参考に、自分の回答をパソコンの文書ソフトなどでつくってみましょう。
面接本番での回答とのちがいは、文字数の少なさです。
本番では200~300文字(30秒~1分)ていど話せるのに対して、面接カードでは回答欄の大きさにあわせて100~200文字ほどで回答をつくる必要があります。
必ず結論から書き始め、長々と文章が続かないようにすることが大切です。
結論の後には「根拠」や「具体例」をシンプルに伝えます。
正しい回答の構成については、こちらの記事を読んでみてください。
長所と短所/趣味や特技/好きな科目
「長所と短所」「趣味や特技」「好きな科目」などは面接本番ではあまり頻出の質問ではありません。
いっぽう面接カードでは定番の質問項目です。
「長所と短所」回答のポイントは、長所を行政職員として活かしたいとアピールすること、短所の改善に向けて努力をしている姿勢をみせることです。
長所は「人と良好な関係が築ける」ことです。
塾のアルバイトでは始業前に少しの間、同僚に他愛ない会話を投げかけることが日課です。
あるとき「毎朝、幸せなひと時をありがとう」と言葉をもらいました。
同僚と親睦を深めることは、業務においても円滑なコミュニケーションが図られ有益です。
今後は市職員として明るい挨拶やふとした時の交流を大切にしていきます。
短所は「こだわりが強く、効率を低下させてしまう場合がある」ことです。
まちづくりサークルでプレゼン資料を作成したとき、見た目の美しさを追求して何日間も作業に没頭したことがありました。
公務員は「最小のコストで最大の成果を生む」ことが強く求められます。
現在は作業に取りかかる前に、目的や作業計画を明確にし、こだわりは大切にしつつも「ほどほど」を心がけています。
「趣味や特技」「好きな科目」などの質問は、回答欄が1行で20文字ていどの場合があります。
回答のポイントは、ひと言で回答を書いた後に「実績」や「具体例」をそえることです。
ちょっとした工夫ですが、自分の人柄をアピールすることができます。
特技:ピアノ演奏(20年間継続, 県コンクール入賞経験)
好きな科目:世界史(特に好きなテーマは中国王朝史)
しばらく寝かせる
パソコンの文書ソフトなどで回答をつくったら、すぐ面接カードに記入せず、しばらく寝かせておくことが大切です。
できあがった回答を声に出して、くり返し読んでみましょう。
確認するポイントはこちら。
- 【語尾】:語尾は「です/ます調」がおすすめ。「だ/である調」は目上の面接官に読んでもらうのに好ましくありません
- 【誤字/脱字】:誤字や脱字はぜったいにNGです
- 【リズム】:文章はよいリズム感があって読みやすいですか?順接の接続詞(そして/また/したがって)を省いたり、語尾を変える(です/ます/)と効果的
- 【内容】:だれが読んでも意味が分かりますか?話は論理的で説得力がありますか?
公務員試験【面接カード】STEP.3「面接カードにていねいに記入する!」
面接カードのコピーをとる
面接カードは1枚しかないので、ミスをしたときのためにコピーをとっておきましょう。
「コピーの提出は認められないんじゃないか」と不安に思う受験生がいますが、官公庁か民間企業にかかわらずそれほど気にはしません。
コピーだからといって、面接の評価に影響することはないので安心してください。
回答欄に等分線をひく
記入する前に、回答欄を3等分や4等分するように横線をまっすぐ引きます。
文字の下端を線にそろえて書くためです。
文章がぐねぐね曲がらず、きれいにそろいます。
いくつに等分するかは、回答欄の大きさをみて決めましょう。
下書きする
等分線にそって、鉛筆やシャーペンで回答をうすく下書きします。
大切なのは1文字ずつていねいに書くこと。
「文字が下手でしょうがない」というひとは、上手く書こうとせず、あくまでもていねいな文字を心がけましょう。
ていねいに時間をかけて書かれた文字かどうかは、だれが読んでもわかるものです。
キーフレーズや強調したい言葉には「 」をつけるのがおすすめ。
面接官にとって読みやすく、パッとみて洗練された印象をあたえます。
下書きができたら、誤字や脱字がないかしっかりと見直します。
文字がびっしり詰めこまれていたり、はんたいに空欄が目立たないかも確認です。
文字の大きさは小さすぎず、大きすぎず。
清書する
いよいよペンに持ちかえて清書します。
ペンの色は黒を選びましょう。
線が細すぎたり太すぎたりしないことも重要です。
下書きよりもさらにていねいに書くことを心がけます。
もし字を誤ってしまったときは、コピーした面接カードに書き直すのがおすすめです。
修正液や修正印をつかうほうが印象はわるくなります。
保管する
インクが乾いたら消しゴムで下書きの線をきれいに消します。
消しカスをすべてはらうことも忘れずに。
完成した面接カードは汚れないようにクリアファイルに入れ、面接当日まで保管しておきましょう。

これで公務員試験「面接カードの書き方」の解説はおしまいです。おつかれ様でした。
この記事のまとめです。
- 受験先の「人材育成方針」をチェックする!明らかになった重要評価項目が自分にそなわっていることを、面接カードでアピール
- パーフェクトな回答をつくる!エピソードとアピールしたい評価項目を、バランスよく面接カードに配置
- 面接カードにていねいに記入する!文字は上手くなくても、ていねいなら大丈夫
公務員試験では面接の前に、面接カードを記入する必要がありますよね。
「どんな内容を書けばいいんだろう?」「ちょうどいい文字数や、です/である調はどうしようか」と疑問がたくさんありました。