

テキストや過去問題集が充実している筆記試験科目とちがって、面接は対策の仕方に悩む受験生が多くいます。
なかには「面接は受験生同士で差がつかない」「ぶっつけ本番しかない」といって、ほとんど対策をしないひとも。
でもじつは、面接は事前にきちんと対策したひとと、そうでないひとの得点差が大きくあらわれるんです。
じっさいに受験生の発言や態度を見比べてみると、よしあしがはっきりと分かります。
面接は配点がとても高い試験。教養試験と専門試験を合計した以上の配点のばあいもよくあります。
筆記試験にくらべて、ほんの少し対策しただけで得点がぐっと高まるお得な試験なので、ここできちんと方法をおさえておきましょう。
公務員試験【面接】対策1.「面接の情報を集める!」
面接をするときには、あらかじめいくつかの知識があると役立ちます。
面倒がらずにしっかりと情報を集めることが大切です。
受験先の面接形式
過去に受験先ではどんな形式で面接されていたのか、調べておきましょう。
個人面接と集団面接どちらか、面接の回数、頻出の質問、制限時間などが事前に分かれば、本番に向けて有効な対策をとることができます。
調べ方は公務員試験の専門誌やネットの情報サイトなどを使います。
大学生であれば、キャリアセンターが受験先の過去のデータを収集していればバッチリですよね。
自治体によっては過去の内容を公開しているばあいもあるので、チェックしてみるのがおすすめです。
自治体の基本情報と施策
受験する自治体の基本的な情報を集めましょう。
歴史や文化、人口推移、おもな産業や資源をおさえます。
また、総合計画や各課の計画にも目をとおし、自治体がどんな施策に力をいれて取りくんでいるのか理解することが大切です。
重要な施策について質問されることは、よくありますからね。
ほとんどの自治体はホームページをもっているので、すみずみまで確認します。
ホームページのトップ画面に重点施策が掲げられていることも多いですよ。
自治体の人材育成方針
ほとんどの自治体では職員の「人材育成方針」を策定し、ホームページなどで公開しています。
受験先がわざわざ「こういう人物を採用(育成)しますよ」と教えてくれているのですから、これを見逃す手はありません。
重視している職員の評価項目がわかったら、自分にそうした能力や人柄がそなわっていることを、面接をとおしてアピールするわけです。
もし志望する自治体に人材育成方針が見当たらなくても、心配いりません。
多くの自治体では「高い倫理観と使命感」「旺盛なチャレンジ精神」「自己啓発に努める姿勢」を評価項目にかかげているからです。
この3つを意識してアピールすれば、的を外すことはないでしょう。
公務員試験【面接】対策2.「面接の練習をする!」
とにかくやってみる
まずはこちらの記事を読んで、「定番質問の回答」を作っておきましょう。
面接の対策でもっとも大切なのは「とにかくやってみる」ことです。
いくらあたまのなかでイメージトレーニングをしたり、自己分析をしたり、定番質問の回答をあたまに詰めこんでも、じっさいにやってみないことには面接が上達することはありません。
まったく面接の経験がないひとと、一度でも練習したことがあるひとでは、得点に大きな差がつきます。
意外なことに、「試験本番が初めての面接」という受験生は多くいます。
そんな受験生を横目にみながら二度、三度と面接練習をくり返しておけば、十分に合格レベルに到達できるわけです。
面接官役をお願いする
問題は、面接練習で面接官役をやってくれるひとを探すこと。
学生であれば大学の友人や公務員試験を目指す知り合いに声をかけて集められます。
就職活動支援の部署が支援してくれるばあいも多いでしょう。
社会人だとお願いできるひとを探すのは苦労するかもしれません。
昔からの友人や公務員として働いている知人、家族や恋人を頼ってなんとかお願いしたいところです。
面接官役にあらかじめ「定番の質問リスト」をわたしておき、適当な順番で質問してもらいます。
質問に対して30秒~1分くらいで回答する練習をしましょう。
「面接に受かる回答の作り方」については、こちらの記事を読んでみてください。
面接官役に「深堀りの質問」をしてもらうと、面接練習の効果を高めることができます。
1つの質問について、面接官役から「なぜ~ですか?」「どうやって~ですか?」と数回、再質問をしてもうらうようにお願いしておきます。
じっさいの個人面接では面接官から再質問されることが一般的です。
集団面接のばあいは再質問されることはまれですが、深堀りして回答することで考えが整理されるので練習しておくのがおすすめ。
全体の制限時間はもうけず、じっくりと面接練習をしたら最後に「よかった点」「わるかった点」を評価してもらいましょう。
公務員試験【面接】対策3.「頻出テーマの小論文の答案をあらかじめ用意しておく!」
面接対策の最後のステップは「小論文」を書くことです。
面接の対策なのに、なぜ小論文を書くのか不思議に思いますよね。
じつは面接の定番質問と小論文の頻出テーマは、かぶる部分が多いんです。
面接の定番質問のなかには「少子高齢社会の対応策」「人口流出の対応策」など、行政課題にかんするものがあります。
これはそのまま小論文でもよく出題されるテーマなんです。
行政や社会がかかえる重要な課題ですから、面接も小論文も区別なく問われやすいのは当然ですよね。
小論文の頻出テーマ(面接と同じ)で小論文を書いておけば、面接の本番で類似の質問がされたとき、背景や対応策があたまのなかにインプットされているので、それを要約すれば落ち着いて回答できます。
その場で考えるより話がしやすいですよね。
「小論文の構成のつくり方」と「小論文の対策法」はこちらの記事を読んでみてください。
頻出テーマで小論文をいくつか書いておくことは、小論文の対策はもちろん、面接でも大きな威力をはっきします。
さらに言えば集団討論の対策にもなる一石三鳥の対策法です。
筆記試験科目の勉強よりはるかにコストパフォーマンスがいいので、小論文も課されるのなら面倒がらずにがんばってみましょう。

この記事のまとめです。
- 受験先の試験形式や自治体の人材育成方針など、面接の情報を集める
- 面接官役をお願いして模擬面接をやってみる
- 頻出テーマで小論文の答案をあらかじめ書いておく
はじめのうちは「面接って、いったいなにを勉強したらいいの?」と、対策の方法が分かりませんでした。