

筆記試験とちがって、面接はいまいち試験の内容がつかみずらく、どんな対策をしたらいいか不安になりますよね。
どんな公務員試験でも必ず面接が課されます。
事前にしっかり対策したひとと、そうでないひとの差が簡単に見えてしまう試験なので、筆記試験と同じくらい気合をいれて取り組む必要があるんです。
まずは面接の概要と採点基準をおさえましょう。
公務員試験【面接】の概要!
すべての試験種で課され、配点はとても高い
国家公務員や地方公務員の区別なく、公務員試験では面接が必ず登場します。
ばあいによっては1次面接につづいて2次面接や3次面接が課されることもあるので、注意が必要です。
面接の配点はどれくらいでしょうか。
試験の配点を公開している国家公務員試験や自治体を抜粋してまとめました(平成29年度受験案内より作成)。
教養試験 | 専門試験 | 小論文 | 面接&集団討論 | その他 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国家総合職 | 2/15 | 3/15 | 2/15 | 3/15 | 5/15(専門記述) | |
国家一般職 | 2/9 | 4/9 | 1/9 | 2/9 | ||
地方上級 | 青森県 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 3/6 | |
宮城県 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 3/6 | ||
埼玉県 | 1/7 | 1/7 | 1/7 | 4/7 | ||
高知県 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 3/6 | ||
佐賀県 | 1/7 | 1/7 | 1/7 | 4/7 |
国家総合職や国家一般職では集団討論が登場しないので、面接の配点は表のとおりです。
地方公務員試験では面接と集団討論の配点は一緒に記載されているので、面接の正確な配点はわかりません。
「面接2:集団討論1」くらいの割合でしょうか。
そうだとすれば、面接の配点は教養試験と専門試験の合計と同じかそれ以上。
配点はすべての試験科目のなかでもっとも高いといえます。
試験形式はだいたいお決まり
どんな試験種でも面接の試験形式はほとんど同じです。
- 【面接時間】:15分~30分程度
- 【試験官】:3人~5人程度
- 【質問】:5~10項目程度
大まかな流れはこちらのとおりです。
- 【入室】:控え室から面接会場の入り口手前まで案内される。入室して席の前で待機し、促されたら着席
- 【説明】:試験官または司会から面接の時間や注意事項が説明される
- 【面接】:試験官からの質問に回答する。はじめに自己紹介や自己PRを求められるばあいがある
- 【退室】:退室を促されたら、挨拶して面接会場を出る
面接には「個人面接」と「集団面接」の2つがあります。
個人面接のほうが一般的ですが、受験者数が多い自治体では集団面接もよく課されるので、特徴を覚えておきましょう。
集団面接は3人~5人ほどで1グループになり、グループごとに面接を受ける形式です。
大きな流れは個人面接とかわりありません。
1つの質問に対して受験者が順番に回答していきます。
集団討論で最大のポイントは、試験官からの再質問がほとんどないこと。
自分の回答が終わればとなりの受験者の回答にすぐ移り、全員が回答したら次の質問にかわります。
個人面接では自分の回答に対して、試験官からあらためて深掘りの質問が何度かやってくるのが普通です。
1人あたりの持ち時間が個人面接より短いことも、集団面接のポイントの1つ。
自分だけ長々と話してほかの受験者の時間をうばえば評価が低くなってしまうので、1つの質問に対して30秒~1分くらいで回答する必要があるんです。
まとめると、集団面接のばあいは「定番質問の回答を30秒~1分くらいであらかじめ用意しておく」ことで突破できるといえます。
面接の質問は定番がほとんど
面接でよく問われる質問は決まっています。
定番の質問はこんなぐあいです。
- 志望動機
- 自己PR
- これまでに力をいれて取りくんだこと
- 公務員を選んだ理由
- どんな仕事に取りくみたいか
- 望まない仕事に配属されたとき
- 困難な課題に直面したとき
- 友人にはどう思われているか
- 理想の公務員像
- 職務遂行能力の高め方
- 苦情への対応
- 気になる施策
- 少子高齢化の解決策
とくに「志望動機」「自己PR」「これまでに力をいれて取りくんだこと」はもっとも頻出の質問です。
公務員試験【面接】の採点基準!
すべての試験で登場していて、配点も高い面接。
どんな基準で採点されるのか、とても気になりますよね。
一般的には次のような4つの基準で評価されるので、順番に確認していきましょう。
POINT.1 積極性
積極性は「どれだけ主体的に判断/行動しているか」が評価されます。
具体的な評価ポイントは、
- ものごとにすすんで挑戦していること
- 目標を設定し、継続して取りくんでいること
- 他人にはたらきかけ、巻きこんでいること
POINT.2 協調性
協調性は「どれだけ周りの情況に応じた行動がとれているか」が評価されます。
具体的な評価ポイントは、
- 他者の意見に耳を傾けていること
- 意見や立場のちがいを受け入れていること
- 周囲との関係性や規律を把握し、適切に対応していること
POINT.3 表現力
表現力は「どれだけ自分の考えを的確に伝え、他者と円滑にコミュニケーションできるか」が評価されます。
具体的な評価ポイントは、
- 質問に対して正しく、要点をおさえて回答していること
- 自分の言葉で分かりやすく話していること
- 発言の内容に論理性や説得力があること
POINT.4 態度
態度は「どれだけ明瞭で誠実な人柄か」が評価されます。
具体的な評価ポイントは、
- 表情や姿勢が明るく元気であること
- はっきりとした声で発言していること
- 身だしなみが清潔であること
採点方法
採点方法としては、各項目に満点時の点数が割りふられたうえで、受験生について3段階や5段階で評価し合計点を算出するというものがあります。
面接は主観的な評価になりがちです。
複数の評価者が採点し、その平均を得点にする方法がよく使われます。
最後に採点例を示しますね。
受験番号 | 合計点 (満点:100) |
評価項目 | |||
---|---|---|---|---|---|
積極性 (配点:25) [1,2,3,4,5]×5 |
協調性 (配点:25) [1,2,3,4,5]×5 |
表現力 (配点:25) [1,2,3,4,5]×5 |
態度 (配点:25) [1,2,3,4,5]×5 |
||
001 | 65 | [4]×5=20 | [3]×5=15 | [2]×5=10 | [4]×5=20 |

これで公務員試験「面接とは?」の解説はおしまいです。おつかれ様でした。
この記事のまとめです。
- 面接はすべての試験で課され、配点はもっとも高い
- 試験形式はほとんど決まっている。集団面接のばあいは「定番質問の回答を30秒~1分くらいであらかじめ用意しておく」のが有効
- 面接には定番の質問がある。とくに「志望動機」「自己PR」「これまでに力をいれて取りくんだこと」は頻出
- 面接の評価ポイントは「積極性」「協調性」「表現力」「態度」の4つ
はじめは面接って「どんなふうに進むんだろう?」「なにを話したら評価されるのかな」と、分からないことだらけでした。