公務員試験【論文の解答例】を解説!

ハチミツちゃん

練習として論文の構成を考えたり、それをもとに文章を書いてみると「これで大丈夫なのかな」「得点はどれくらい取れるかな」と不安になるんですよね。

わんこ先生

自分で書いた論文は、公務員試験予備校の講師などプロに添削してもらうのが一番です。
よいところ、わるいところを客観的にアドバイスしてくれて、だいたいの点数も分かりますからね。

添削をお願いできるひとがいない場合は、この記事の解答例をよく読んでみましょう

解答例は平均的な答案として書いています。
自分の答案と比べると、かいぜんするポイントが見えてくるはずですよ。

くれぐれも解答例をそっくりにまねしないよう、注意してくださいね。

 

公務員試験「論文3つの型」

論文のテーマは「政策課題型」「行政組織型」「自己作文型」の3つに大きく分類されます
それぞれ、いくつかの頻出テーマがあるんです。

くわしくはこちらの記事を読んでみてくださいね。

それぞれの型について、頻出テーマを選んで解答例を示していきますよ。

 

公務員試験「政策課題型」論文の解答例

政策課題型というのは、「世界や日本、自治体を取りまく社会的な状況や課題について、行政はどんな取りくみを行う必要があるのか」を問うテーマです。

この型の頻出テーマは「少子高齢社会」「環境問題」「地域活性化」など重要なものばかり

取りあげるテーマはこちらです。

近年の雇用をめぐる課題と行政が取り組むべき対策について、あなたの考えを述べなさい。

(制限時間60分、文字数800字程度)

それでは解答例を読んでみましょう。

近年わが国では非正規労働者の数が増加しており、大きな問題となっている。
非正規労働者とは、パートタイマーやアルバイトなど正規雇用以外の有期契約で働く労働者である。

その数が増加している背景には何があるのか。
原因の一つに、企業の雇用慣行が変化していることが挙げられる。
バブル崩壊以降長引く不況や国際競争の激化により、企業は非正規雇用を増やし人件費を節減する必要に迫られているのだ。
他にも、柔軟な働き方を求めて自ら非正規雇用を望む労働者が増加したことが一因であろう。

正規雇用を望んでいながら非正規雇用から抜け出せない労働者の増加を放置すれば、今後どんな影響が生じるだろうか。
一つとして、深刻化している少子化に拍車がかかることが挙げられる。
正規労働者に比べて非正規労働者の賃金は低いため、経済的な理由により結婚や出産をためらう若者が増加すると考えられるからだ。
また企業の正規雇用とそれに伴う終身雇用を前提に存立する現在の社会保障制度に与える影響も大きい。
社会保険未加入や保険料未納に陥り、将来適切な社会保障を受けられないケースが増加する可能性がある。

それでは本人が望まない非正規雇用の増大を食い止めるため、行政はどんな取り組みをする必要があるだろうか。
私は、求職者と企業のミスマッチを解消することであると考える。
なぜなら正規雇用を望む求職者の多くは大企業を志すが、正規雇用の人材不足に悩む中小企業や福祉業界に目を向ければ正規雇用で働く道が開けるからである。
具体的には、第一に、行政は民間と協働し、福祉業界の魅力を発信する就職フェアを開催したり、中小企業向けのインターンシップを推進したりすることが挙げられる。
第二に、企業が求職者を3か月間雇用し、労働環境を知ってもらった上で正規雇用契約を交わすトライアル雇用を、ハローワークと協力して充実させることが考えられる。
このような施策により求職者と企業が相互に理解を深め、雇用のミスマッチや早期離職を減らし、非正規労働者の増加を抑制する効果が期待される。

今後、私は行政職員として雇用問題の解決に向けて、地域の実情に合わせて積極的に取り組みたいと考えている。

制限字数は800文字ていどと少なめを想定して、必要最低限の答案を示しています。
制限字数がもっと多いばあいには、解決策について「実施するうえでの留意点」「本質的な問題と革新的なアイデア」を追加したり、まとめを充実させるとよいでしょう。

ところで、解答は構成がきちんと「定義⇒背景⇒問題点⇒解決策⇒まとめ」になっていることが確認できますよね。

このくらいの答案を書けば、地方公務員試験では十分に合格点を狙えるでしょう

論文の構成についてはこちらの記事を読んでみてください。

 

公務員試験「行政組織型」論文の解答例

行政組織型とは、「国や地方の行政機関があるべき姿や、必要な法整備、住民や企業との関わり」について問うテーマです。

「行政機関のあり方」「法整備」「住民や民間組織との関わり」についてのテーマが頻出です。

取りあげるテーマはこちら。

公共サービスの民間委託や民営化が進められている。今後、行政はどんな役割を担うべきか、あなたの考えを述べなさい。

(制限時間60分、文字数800字程度)

それでは解答例を読んでみましょう。

公共サービスの民間委託とは、自治体の業務を民間に委託し、事務処理の効率化やコストの削減を図ることである。
美術館や図書館、刑務所の運営など様々な分野で民間委託が進んでいる。

なぜ近年、民間委託が積極的に取り入れられているのか。
背景として、住民ニーズの多様化と行政の財政が逼迫していることが挙げられる。
社会の成熟化や地域コミュニティの希薄化が進んだ現在、住民ニーズは多様化している。
一方、少子高齢化により行政の社会保障に関わる支出は増加しており、財政に余裕はない。
そこで、多様な住民ニーズに応えるため、民間企業やNPOの参画が求められている。

公共サービスの民間委託は利点があるが、すべて民間に委ねることはできない。
公共財の提供や住民の生命に関わる事業はコスト意識になじまないからである。
したがって、行政と民間の役割分担が重要となる。

それでは行政は今後、どのような役割を果たしていくべきか。
私は、比較的公益性の低い業務は積極的に民間委託を進めたうえで、その運用を管理することであると考える。
なぜなら、民間に業務を委託した場合でも行政は結果責任と説明責任を負っており、企業が利益を優先するあまり住民の福祉を阻害しないよう、管理監督する必要があるからである。
具体的には第一に、委託する業務の範囲や委託先の選定、委託業務の評価等を協議するプロセスを設け、広く一般市民の参加を募ることが挙げられる。
民間委託の透明性を高め、企業に市民本位の事業運営を推し進める効果が期待される。
第二に、委託業務について事前や事中の管理を徹底することが考えられる。
委託業務の実施手法やコスト、達成目標を事前に調査することで、行政サービスが低下しないことを保障する必要があるからだ。
また、業務が適切に行われているかどうかを定期的にチェックし、必要な指導を行うことが重要である。

私はこれから行政職員として、民間組織が公共サービスの新しい担い手となって、住民の利益に則った事業運営ができる環境づくりに貢献したいと考えている。

「政策課題型」の解答例と同じように、論文の構成どおりに書かれていることが分かりますね

 

公務員試験「自己作文型」論文の解答例

自己作文型とは、「受験者自身について、これまでの経験やこれから行政職員としてどうありたいか」を問うテーマです。

取りあげるテーマはこちら。

市役所で仕事をするときの心構えについて、あなたの考えを述べなさい。

(制限時間60分、文字数800字程度)

それでは解答例を読んでみましょう。

市役所は市民全体の福祉向上のため、教育・健康福祉・農林水産業振興・インフラ整備など市民生活に関わる幅広い業務を担っている。
そして市役所で働く職員は数年で他部署への異動を繰り返すことが通例である。

市職員に求められる心構えはなにか。
第一に高い使命感と倫理観を備えることが挙げられる。
なぜなら市職員は市民への奉仕者として法令に従って業務を行い、市民の福祉に貢献するべき存在だからである。
第二に職務遂行能力を高めるため努力することが重要である。
今後、人口減少や自治体財政の逼迫が深刻化していくと予想されており、市職員は最小のコストで最大の成果を生むことが強く求められからだ。

これから私は市職員としてどのように職務に励むべきか。
第一に、使命感と倫理観を養うため、市民の声に耳を傾けるよう心掛けたい。
具体的には窓口で市民に対応するさい、市民の話を丁寧に聞いて事情を理解することに努めることが有用であろう。
また地域のイベントの中心的役割を担ったり積極的に参加したりすることで、市民のニーズを深く知ることも重要であると考えられる。
市民との対話や交流の機会を生み出すことで、市民の立場になって市民の利益のために働く姿勢が培われるのではないだろうか。
第二に、職務遂行能力を高めるため自己啓発に努めたい。
私はこれまで自分の人生の糧とするため、広報や経理の知識・ウェブ制作技術・ファシリテーションスキル・英語など様々な分野の習得に励んできた。
今後は市職員として、時間を活用し主な例規や要綱に目を通し、正確かつ効率的に業務を行える人材に成長したい。
また専門書籍や業界紙から知識をインプットすることで、職務能力の幅を広げることも重要である。
自己啓発に努めることで、限りある時間の中で成果を生み出す力が養われると考えている。

私はこれから市職員として、高い使命感・倫理観と職務遂行能力を身に付け、市民・民間組織・自治体の三者がより豊かになるよう貢献するべく職務に励む決意である。

自己作文型の論文は「背景」「問題点」がなかったり、これらが「定義」のなかで一緒に語られたりします。
解答例では背景や問題点はとくに書いていません。

「解決策」つまり「市役所で仕事をするときの心構えとは?という問いに対する答え」が「市職員に求められる心構えはなにか。第一に・・・」で述べられています。

ほかの2つの型と少しちがいますが、自己作文型も大枠は「論文の構成」に当てはまることが分かりますよね

 

公務員試験「論文解答集」公開

公務員試験の論文でよく出題されるテーマは、ほかにもあります。

たくさんの頻出テーマの模範解答を、こちらで公開しました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

わんこ先生

これで公務員試験「論文の解答例」の解説はおしまいです。
おつかれ様でした。

ぜひ解答例と自分の答案を見比べて、活かせるポイントがないか考えてみましょう。

公務員試験予備校にかよえば、たくさんの頻出テーマの解答例を知ることができます。
もちろん自分で書いた答案の添削もしてくれますので、「論文がとても苦手…」というひとは公務員試験予備校の活用を考えてみるのがおすすめです。