公務員試験【論文の構成のつくり方】を解説!

ハチミツちゃん

論文は書くたびに「書き出しはどうしよう」「次の段落でなにを書こう」って、悩んでしまいます。

わんこ先生

論文はテーマを見ていきなり書き始めてはいけません。
まず答案の構成をつくりあげることが、なにより大切です。

構成をつくってから文章を書くと、論文全体に論理的なつながりが生まれるので、合格点を目指すことができます
「次になにを書こうか」と悩まないので文章を書く時間も短縮できるし、練習で書いた回答を1字1句記憶しておくのは無理でも、構成なら覚えられて本番で役立つんです。

どんなテーマでも使える論文の構成をマスターしましょう。

 

 

どんなテーマでも使える公務員試験「論文の構成」!

こちらの記事で、正しい文章の書き方を解説しました。

正しい文章で論文を書くことは、あくまでも大前提で減点をさけることが目的です。
当然これだけでは論文で合格点をとることはできません。

論理的で内容が優れている文章を書く必要があるわけです

このとき役立つのが論文の構成。
構成は次の5つの要素から成り立っています。

  1. 定義
  2. 背景
  3. 問題点
  4. 解決策
  5. まとめ

1.定義~3.問題までが序論にあたります。
本論への導入部分です。
論文全体のうち、3割くらいの文字数を目安に書きましょう

4.解決策が本論です。
問われたテーマに答える、論文でもっとも大事な部分ですね。
論文全体のうち、6割くらいの文字数が目安

5.まとめは結論部分です。
論文全体のうち、1割くらいの文字数で十分でしょう。

それではそれぞれの要素について、くわしく見ていきますよ。
解説の題材につかうテーマはこちら。

少子化対策における行政の役割について、あなたの考えを述べなさい。
(制限時間80分、文字数1,000字程度)

 

公務員試験【論文の構成】STEP.1「定義」

論文の書き始めで、いつもなにを書こうか迷っていませんか?

じつは論文の書き始めは決まっています

それは「定義」をすること。
問題文に与えられたなかで中心的な語句を定義したうえで、現状や今後の予測を書いていくんです。

少子化問題がテーマなら、定義が必要な語句はもちろん「少子化」ですね。
こんなぐあいに書きます。

少子化とは特殊合計出生率が人口置換水準を長期間にわたって相当程度下回っている状態である。わが国の特殊合計出生率は近年微増傾向ではあるものの、人口置換水準を大きく下回るため少子化が進行しており、全人口に占める年少者の割合は低下している。

論文は問題に登場する語句について説明することから始まります。

「出題者に語句をあらためて説明する必要はないだろう」と思うかもしれませんが、論文はあくまで自分自身が問いを立て、第三者に読んでもらうことを想定して書く論文です

いきなり本題に入るより、問題を定義して現状を述べると文章がまとまり、論理的な構成になります。

 

公務員試験【論文の構成】STEP.2「背景」

重要な語句を定義して現状を説明したら、次にすることはなんでしょうか?

それは問題の「背景」を述べることです。
問題となっている要因を分析して説明しましょう。

少子化問題がテーマなら、「少子化が起こる原因」としてなにが考えられるかですね

少子化が深刻化しているのはなぜか。原因の一つに価値観の多様化や若者の所得減少により、生涯未婚率の上昇と晩婚化が進んでいることが挙げられる。また男性の家事育児参画が進まないことや、女性が社会に進出して活躍する機会が増えたことにより、出産育児の負担感が増加していることも要因として考えられる。

問題を定義し現状を述べただけでは、本題の解決策にはつながりません。
問題の背景が分からないと、有効な解決策は見つからないはずだからです。

定義と解決策の間に「背景」が入ると、文章はつながりがよくなり、論理的に一貫する構成になります

 

公務員試験【論文の構成】STEP.3「問題点」

定義と解決策の間に必要なものは、背景のほかにもう1つあります。

それは「問題点」です。
このままなにも解決策を取らなければ、どんなわるい影響がもたらされるのかを述べます。

なにも影響がないのであれば解決策を考える必要はないですよね。
放ってはおけない重要な問題があるからこそ、この後に解決策を続けて述べるわけです

少子化はどんな影響をもたらすでしょうか。

少子化を放置すれば今後どんな影響をもたらすか。一つは社会保障への影響が考えられる。少子化により労働力人口が減少することで、現役世代の社会保障費の負担が増え、高齢者の暮らしを支えることは困難になる。また地域社会に与える影響も大きい。地域から子供が減り高齢者が増えれば、地域コミュニティの活力がなくなり、若者の都市部への流出が加速する可能性がある。

問題点を説明すると、テーマを正しくとらえていることや、テーマに対してどれだけ関心を寄せているかアピールすることができます。
「問題把握」は重要な採点基準です。

STEP.1~3をまとめると、重要な語句を定義して現状を説明し、その背景を考察し、これから生じる影響を述べるというながれでしたね
これで本論の解決策につながる土台がすべてできあがりました。

この後に解決策とまとめが続くと考えると、この段階ですでに「とても論理的な論文になりそうだ」と思いますよね。

 

公務員試験【論文の構成】STEP.4「解決策」

「解決策」は論文でもっとも重要な構成要素です。
出題されたテーマに対する自分の「答え」にあたります。

分量は論文全体の半分ほどを占めるので、解決策の要素はさらに3つに分解されます。

  1. 解決策の方向性
  2. 方向性の根拠
  3. 具体的な解決策

解決の方向性

いきなり解決の具体策を述べる前に、まずは解決の方向性を示しておきましょう。

少子化を食い止めるため、行政はどんな取り組みをする必要があるか。私は、子供の見守り機能を担っていた地域コミュニティのつながりを再生することであると考える。

具体的な解決策は分量が多いので、方向性を示さずに話し始めると採点者は「話はこれからどこに向かうんだろう」と不安なまま読み進めることになります。

はじめに大まかな方向性が分かれば採点者も安心して読むことができますね。
論文では次の文章があるていど予想できる「安心感」を与えることが大切です

方向性の根拠

解決の方向性を示したら、続けて「方向性の根拠」を説明しましょう。

かつては子供を地域の宝ととらえ、互いに助け合い、地域一丸となって子育てをする風土があった。しかし、そのような関わり合いは現在弱まっていると言われている。地域の絆が希薄化した現状において住民による自発的な再生は困難であり、行政による支援こそが必要とされているのである。

数ある解決策のなかからそれを選んだ理由をきちんと伝えて、採点者に納得してもらう必要がありますよね

もし根拠に説得力がないと、その先の具体的な解決策も評価されなくなってしまうので、よく考えて理由付けをしっかりとしましょう。

具体的な解決策

いよいよ「具体的な解決策」を述べる番です。

1つか2つの施策を挙げます。
1つだとそれについて深い記述が必要になるので、2つ取りあげるのがおすすめです。

具体的には、第一に、地域住民と行政が協働し、各地域が現在抱える課題や今後の地域のありたい姿、そのために推進する施策を盛り込んだ地域計画を策定することが挙げられる。この作業を通じて住民には当事者意識が芽生え、地域コミュニティ再生のきっかけとなることが期待される。
第二に、住民に向けて自治会の取り組みを行政が広報誌で周知することが考えられる。地域の活動を知ってもらうことでコミュニティへの帰属意識を醸成するとともに、活動への参加を促すことにつながる。同様に市の窓口で転入者へ自治会紹介のチラシを配布し、自治会への加入を促すことも効果的であると考えられる。

具体的な解決策として「施策の内容」「期待される効果」を書きます
この2つを書くだけでも、これまでに論理的な流れは十分にできあがっているので合格点がもらえるはずです。

さらに「実施するうえでの留意点」「本質的な問題と革新的なアイデア」まで説明できれば、とくに高い評価がえられます。
どのていど深く記述するのかは、残された時間と字数の制限から決めましょう。

解決策は「オリジナリティあふれる素晴らしいアイデア」である必要はありません
すでに行われている施策を充実させることだったり、ほかの地域の成功事例を工夫して取りいれることなどでかまいません。
ただし、「方向性の根拠」は説得力をもってしっかり書くことが大切です。

 

公務員試験【論文の構成】STEP.5「まとめ」

論文の最後の構成要素は「まとめ」です。

「論文の始まりは定義から書く」と決まっているのと同じように、論文の最後に書くまとめの内容もほとんど決まっています

それは「これから自分は行政職員として、このテーマに対してどのように取りくんでいきたいか」についてです。
論文も公務員を採用するための試験の1つですから、公務員になる強い意欲や当事者意識をアピールすることが大切なんです。

これから私は行政職員として、積極的に地域へ飛び出し、住民との協働により地域の社会的なつながりの再生に貢献したい。

最後にこうしたまとめがあれば、論文全体がぐっと引き締まります。

まとめは「市民に奉仕すること」「市民や民間組織と連携すること」を中心に考え、どんなテーマが出題されても使いまわせるよう決まった型を準備しておくと、役立ちます

じつは論文の構成と集団討論の進め方はとてもよく似ています。

集団討論の進め方はこちらの記事を読んでみてください。

 

わんこ先生

これで公務員試験「論文の構成の作り方」の解説はおしまいです。おつかれ様でした。

この記事のまとめです。

  1. 【定義】:問題文に与えられたなかで中心的な語句を定義したうえで、現状や今後の予測を書く
  2. 【背景】:問題が起こる要因を説明する
  3. 【問題点】:このままなにも解決策を取らなければ、どんなわるい影響がもたらされるのかを述べる
  4. 【解決策】:解決の方向性⇒方向性の根拠⇒具体的な解決策の流れで、安心感を与える
  5. 【まとめ】:これから行政職員として、このテーマに対してどのように取りくんでいきたいかをアピール