【埼玉県】職員採用試験を解説!

ハチミツちゃん

「埼玉県の職員採用試験って、どんな感じなんだろう?」

「じぶんでも受かるのかな…」

埼玉県の職員採用試験のこと、よく分からなくて不安になりますよね。

わんこ先生

埼玉県の職員採用試験はとても人気のある公務員試験です。

埼玉県をふくむ都道府県庁や政令指定都市の公務員採用試験は、「地方上級」とよばれます。

地方上級といっても、自治体ごとに試験内容や特徴がことなります。

この記事では埼玉県の職員採用試験にフォーカスして、

  1. 埼玉県職員採用試験の「求める人材」と「職場環境」
  2. 埼玉県職員採用試験の「試験種類」
  3. 埼玉県職員採用試験の「試験内容」
  4. 埼玉県職員採用試験の「試験スケジュール」
  5. 埼玉県職員採用試験の「試験対策」

をくわしく解説していきます。

学習のガイドとして参考にし、埼玉県職員採用試験の合格をめざしましょう!

 

 

埼玉県職員採用試験の「求める人材」と「職場環境」

埼玉県の人口は全国5位。
他都道府県からの転入超過は2万人をこえ、全国2位を誇ります。

埼玉県がもとめる人材は「埼玉県の魅力を引き出し、未知の局面を打開していく人」です。
自分にその素養があることを、論文試験や面接試験のときにアピールしましょう。

次に、埼玉県の職場環境にかんするデータをまとめたので確認してください。

  • 【平均年齢】:42.9歳
  • 【平均給与月額】:387,980円
  • 【年次有給休暇の平均取得日数】:12.4日
  • 【女性職員の割合】:39.3%
  • 【女性管理職の割合】:9.1%

新規採用職員は、職場の先輩が適切な助言や支援をおこなう「ブラザー,シスター制度」を中心に、職場全体でフォローしてもらえます。

 

埼玉県職員採用試験の「試験種類」

埼玉県の職員採用試験は、「上級試験」「初級試験」「民間企業等職務経験者」の大きく3種類。
そのなかに試験区分がいくつか用意されています。

受験資格といっしょに確認してみましょう。

  • 【上級試験(大学卒業程度)】:試験区分は「一般行政」「小中学校事務」「警察事務」「福祉」「心理」「設備」「総合土木」「建築」「化学」「農業」「林業」「薬剤師」「獣医師」「保健師」「管理栄養士」。受験資格は年齢が22~30歳(薬剤師、獣医師、保健師をのぞく)、「福祉」「薬剤師」「獣医師」「保健師」「管理栄養士」は必要な資格や免許を有すること
  • 【初級試験(高校卒業程度)】:試験区分は「一般事務」「小中学校職員」「警察事務」「設備」「総合土木」「司書」。受験資格は年齢が18~21歳(司書をのぞく)
  • 【民間企業等職務経験者】:試験区分は「一般行政」「設備」「総合土木」「建築」。受験資格は年齢が59歳まで、大学卒業後に民間企業等での職務経験が5年以上あること(短大は7年、その他は9年)

年齢はすべて受験翌年の4月1日時点

平成29年度受験案内より

上級試験は大学卒業程度の受験者を対象にしています。

ただし大学卒業程度といっても、じっさいに大学を卒業している必要はありません。
年齢要件などを満たしていれば受験することができます。

ここからは、もっとも受験者が多い行政系職種をメインに解説していきますね。

  • 【上級試験】:「一般行政」「小中学校事務」「警察事務」
  • 【初級試験】:「一般事務」「小中学校事務」「警察事務」
  • 【民間企業等職務経験者】:「一般行政」

 

埼玉県職員採用試験の「試験内容」

試験区分  1次試験 2次試験 3次試験
教養試験 専門試験 論文試験 論文試験 個別面接 集団討論 個別面接
上級試験 一般行政
100点

100点

100点

300点

100点
小中学校事務
100点

100点

300点

100点
警察事務
100点

100点

100点

200点

100点
初級試験 一般事務
100点

100点

300点
小中学校事務
100点

100点

300点
警察事務
100点

100点

200点
民間企業等職務経験者
一般行政

50点

150点

100点

200点

300点

1次試験

1次試験で共通して課されるのは、「教養試験」です。

教養試験は公務員試験にとくゆうな科目群の「一般知能分野」、高校までに学ぶことが多い科目群の「一般知識分野」にわかれます。

  • 【一般知能分野】:文章理解(英文/古文/現代文)、判断推理/数的推理/資料解釈など
  • 【一般知識分野】:社会科学(政治/法律/経済/社会)、人文科学(日本史/世界史/地理/文学,芸術)、自然科学(数学/物理/化学/生物/地学)など

上級試験のばあい各科目の出題数はおおむね、

科目 出題数
政治 1
法律 3
経済 3
社会 6
日本史 3
世界史 3
地理 2
文学,芸術 1
数学 1
物理 1
化学 2
生物 2
地学 1
英文 5
古文 1
現代文 3
判断推理
数的推理
資料解釈 1
合計 50

合計回答数は40問、回答時間は120分です。

一般知能分野の問題はすべて回答。
全体の回答数が40問になるよう、一般知識分野の問題をえらんで回答します。

 

上級試験の一般行政や警察行政の1次試験では、「専門試験」が課されます。

専門試験とは公務員試験の各職種ごとに、必要な専門的知識をはかるため実施される試験です。

行政系職種のばあい、専門試験は「行政系科目」「法律系科目」「経済系科目」から出題されます。

  • 【行政系科目】:政治学/行政学/社会政策/社会学/国際関係
  • 【法律系科目】:憲法/行政法/民法/刑法/労働法
  • 【経済系科目】:ミクロ経済学/マクロ経済学/財政学

各科目ごとの出題数はおおむね、

科目 出題数
政治学 2
行政学 2
社会政策 3
国際関係 3
憲法 4
行政法 5
民法 6
刑法 2
労働法 2
ミクロ経済学/
マクロ経済学
12
経済政策/
経済史
3
財政学 4
合計 50

出題される50問から、40問をえらんで回答。

回答時間は120分です。

 

民間企業等職務経験者の1次試験では、「論文試験」が課されます。

出題されたテーマに対して75分間、900~1,100文字で回答。

過去の出題テーマは、

埼玉県をはじめとする多くの地方自治体で現在課題としているものを挙げ、その課題を解決するために、あなたが職務経験で得た知識や能力をどのように活かせるかについて述べなさい。

 

2次試験

2次試験では、どの区分でも「論文試験」が課されます。

出題されたテーマに対して、上級試験と民間企業等職務経験者試験は75分間、900~1,100文字で回答。
初級試験のばあいは60分間、700~900文字です。

過去の出題テーマは、

  • 子供の貧困率は13.9%とされており、これはおよそ7人に1人が経済的に困難な状況にあるという高い水準である。
    埼玉県では新たな試みとして、ボランティアや大学、民間企業等と協力した生活保護世帯への子供への学習支援をスタートさせ、今では全国に広がっている。
    そこで「子供の貧困が生じる背景としてどのようなことが考えられるか」「子供の貧困の解決に向け埼玉県が取り組むべきことはなにか」論じなさい。(上級試験 一般行政)
  • 障害のある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる社会の実現を目指して、平成28年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行された。
    そこで「障害のある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる社会とはどのようなものか」「それを実現するために埼玉県が取り組むべきことはなにか」論じなさい。(上級試験 警察事務 小中学校事務)
  • 埼玉県民が求める埼玉県職員とはどのようなものか、あなたの考えを述べなさい。(初級試験)
  • 埼玉県はこれから人口減少、異次元の高齢化など、今まで経験したことのない局面を迎える。新たな情勢に即したモデルを自ら考え、希望にあふれる未来を築いていくことが求められる。
    それを実現するため、埼玉県に秘められたポテンシャルをどのように引き出し活用していくべきか、あなたの考えを述べなさい。(職務経験者試験)

 

「個別面接」もすべての区分でおこなわれます。

一般行政と小中学校事務の面接回数は2回。
警察事務と職務経験者のばあいは1回です。

 

上級試験の2次試験では「集団討論」が登場します。

集団討論は受験者数名がグループになり、出題されたテーマに対してグループでディスカッションし、結論をみちびき出す試験です。

過去の出題テーマは、

国はICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方である「テレワーク」を推進している。
そこで次の2点について順次討論し、グループとしての意見をまとめなさい。

  1. テレワークが推進される背景としてどのようなことが考えられるか。
  2. テレワークを推進するうえでの課題と対策はなにか。

 

最終合格者は、各試験の合格基準をみたしたうえで、1次試験と2次試験の総合得点の順位で決まります。

職務経験者試験だけ3次試験があります。

試験内容は「個別面接」です。

 

埼玉県職員採用試験の「試験スケジュール」

平成29年度に実施された上級試験の試験日程はこちら。

  1. 【1次試験】:6月25日
  2. 【1次合格発表】:7月4日
  3. 【2次試験】:7月中旬~8月中旬
  4. 【最終合格発表】:8月28日

 

埼玉県職員採用試験の「試験対策」

教養試験

教養試験や専門試験は、とにかく科目数がたくさんあります。
出題数が多い科目や、マスターするのに時間のかかる科目から学習するのが鉄則です。

教養試験のなかでは「判断推理」「数的推理」がもっとも重要な科目。
得点源にできる「資料解釈」や「文章理解」も、早いうちから取りくみましょう。

これらの科目の学習が十分にすすんだら、「社会科学(政治/法律/経済/社会)」や「人文科学(日本史/世界史/地理/思想/文学,芸術)」、「自然科学(数学/物理/化学/生物/地学)」の勉強をはじめます。

社会科学は専門試験の科目とかぶる内容が多くあります。
専門試験の政治学や憲法、経済学の学習を優先するのがおすすめ。

人文科学と自然科学は範囲がとても広いわりに出題数が少ないので、時間のかけすぎに注意が必要です。
判断推理や文章理解の学習をメインに続けながら、気分転換として取りくみましょう。

 

専門試験

専門試験のなかでもっとも理解に時間がかかり、出題ウェイトも大きい科目は「民法」と「経済学」です。
出題数が多くて、教養試験にも登場する「憲法」や「行政法」の学習も早くからスタートします。

法律系科目では憲法がいちばん勉強しやすいので、先にはじめるのがおすすめ。

重要科目の学習がすすんだら、次に行政系科目とよばれる「政治学」「行政学」「社会政策」「国際関係」や、のこる経済系科目の「財政学」「経済政策」「経済史」に取りかかります。

こうした科目は、ほとんど暗記科目です。
演習問題をくり返しながら、知識をあたまに定着していきましょう。

最後によゆうがあれば、「労働法」と「刑法」の対策をします。
刑法は難解ですが、労働法は得点源になるので勉強しておくのがおすすめです。

 

論文試験

筆記試験とちがって、「論文はなにを勉強したらいいんだろう」「どうしたら得点が高くなるのか分からない」と疑問に思いますよね。
勉強のしかたが明らかな筆記試験より、対策も不十分になりがち。

でも、論文は筆記試験や面接と同じくらい重要で、合否に影響する試験です。

論文試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

面接試験

どんな公務員試験でも、面接は必ず課されます。

筆記試験とちがって、面接はいまいち試験の内容がつかみづらく、どんな対策をしたらいいか不安になりますよね。

事前にしっかり対策したひとと、そうでないひとの差が簡単に見えてしまう試験なので、筆記試験と同じくらい気合をいれて取り組む必要があるんです。

面接試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

集団討論試験

集団討論って「どんなふうに進むんだろう?」「なにを話したら評価されるのかな」と、分からないことだらけですよね。

面接練習は2人いればできますが、集団討論の練習はたくさんの人がいないとできません。
あらかじめ頻出テーマや、評価の高いすすめかたを知っておくと有利です。

集団討論試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

わんこ先生

これで「【埼玉県】職員採用試験を解説!」は終わりです。
おつかれ様でした。

この記事のポイントです。

  • 教養試験や専門試験、論文試験、集団討論の配点はどれも同じ。
  • 個別面接の配点がとても高い。