

市役所は人気の公務員試験です。
併願先のひとつに選ぶひとも多くいます。
でも最初は、「市役所ってどんな試験?」「どんな勉強をしたらいいの?」と疑問に思いますよね。
市役所の試験内容や難易度、試験科目や学習のポイントをすべて解説します。
市役所採用試験の「概要」
市役所の採用試験でもっとも一般的なのが「市役所上級試験」です。
市役所上級とは、次の2項目をみたす試験の総称。
- 政令指定都市をのぞく市町村がおこなう職員採用試験
- 対象は「大学卒業程度」
政令指定都市をのぞく市町村で働く公務員の筆記試験は、試験日程や出題内容が同じ3つのグループに分けられます。
すべてまとめて「市役所上級」とよばれています。
市役所によって試験の名称は「上級試験」「A試験」「大学卒業程度試験」などさまざまです。
市役所上級には一般的な事務職である「行政職」のほかにも、機械や土木など専門職があります。
ここでは行政職にしぼって解説していきますね。
地方初級や地方中級という試験もあります。
初級は高卒程度、中級は短大卒程度の試験です。
初級と中級は市役所によって、実施しているばあいがあります。
市役所の「仕事内容」
市役所には次のようにいろいろな部署があり、市役所上級で採用された行政職員はいずれかの部署で働きます。
- 【総務部】:予算の総括、職員の人事や勤務の管理、情報公開や広報活動
- 【企画部】:総合計画の策定、都市構想、行政のトータルプランニング
- 【福祉保健部】:地域保健医療計画の推進、高齢者や障害者への福祉拡充、地域福祉活動
- 【生活環境部】:生活排水対策、産業廃棄物処理対策
- 【商工部】:地域産業の活性化、観光ビジョンの策定、イベント事業
- 【農政部】:農産物のブランド化、バイオテクノロジーの研究開発、生産性向上
- 【水産林務部】:漁業管理、漁港整備、森林資源の安定
- 【労働部】:雇用対策、労働福祉の向上、健全な労使関係の形成
- 【土木部】:治水事業、港湾整備事業、道路網の整備
- 【建築都市部】:市街地再開発事業、土地区画整理事業
市役所の「異動/昇任/年収」
市役所上級で採用された職員は、将来の幹部候補として期待されています。
若いうちからさまざまな部署を経験してキャリアを積んでもらう必要があるため、異動のサイクルは3,4年と短いのが特徴です。
出先機関や民間企業への出向もめずらしくありません。
異動をくり返しながら、役職もどんどんと上がっていきます。
「主事」からはじまり、40歳までに「主任」⇒「主査」⇒「係長」と昇任するのが一般的です。
その後は能力で差がつきやすく、努力しだいで「課長補佐」⇒「課長」⇒「次長」⇒「部長」へと昇任することができます。
昇任するにしたがって、もちろん給与も増えます。
平均年収は下表のとおりです。
(平成28年度)
団体区分 | 平均給与月額 |
---|---|
都道府県 | 418,752円 |
政令指定都市 | 443,083円 |
市 | 399,144円 |
町村 | 355,293円 |
国 | 433,738円 |
市役所の「難易度/倍率」
市役所のほかにも、公務員にはいろいろな種類があります。
種類ごとに大卒程度試験の難易度をランキングにしました。
難易度は筆記試験や面接試験、採用人数などから総合的に判断しています。
- 国家総合職
- 国家一般職、国家専門職(国税専門官/財務専門官/労働基準監督官など)、国立大学法人等職員、裁判所職員
- 地方上級(県庁/政令指定都市)、東京都庁
- 東京都特別区(東京都23区)
- 市役所(政令指定都市をのぞく)、警察官/消防官
市役所の採用試験は、公務員試験のなかでは難易度が低めの試験です。
それでも受験生は学力に自信があるひとが多いので、かんたんな試験ではありません。
試験の難易度は受験年度や、どの自治体を受験するかによって変わります。
難易度ランキングは参考ていどにとどめてくださいね。
受験倍率は市役所によって大きくことなります。
だいたい5~10倍くらいが標準です。
人気の市役所は20倍近く、そうでない市役所は2倍くらいのこともあります。
市役所上級は併願先の1つとして受験するひとも多くいるので、じっさいの倍率はもっと低くなるでしょう。
市役所の「試験種類」
市役所上級は大卒程度試験ひとつしか種類がありません。
市役所によっては種類を「A区分」「B区分」や、「行政区分」「警察事務区分」など細かく区分にわけて実施しているばあいもあります。
そのばあいは試験内容がことなるのが一般的です。
市役所の「試験科目/配点」
市役所上級でよく課される試験種目はこちら。
- 教養試験
- 専門試験(択一式)
- 論文試験
- 面接試験
- 集団討論試験
市役所によって試験種目や配点はちがいます。
1次試験で「教養試験」「専門試験(択一式)」「論文試験」が課され、2次試験で「面接試験」「集団討論試験」などを課すのが、よくあるパターンです。
専門試験(択一式)や集団討論試験を課さない市役所もあります。
配点はすべての試験種目がだいたい同じか、専門試験(択一式)や面接試験の配点を高くしているばあいが多くあります。
筆記試験の学習に気がむきがちですが、面接試験や集団討論試験の対策も同じくらい力をいれましょう。
教養試験
市役所上級の教養試験の出題内容は、筆記試験の日程ごとに3パターンにわかれ、各日程で共通の問題が出題されます。
- 【A日程】:6月下旬に実施。県庁所在地など大きな市でみられ、地方上級とだいたい共通の問題が出題される
- 【B日程】:7月下旬に実施。全国的に広くみられ、問題はA日程より易しめ
- 【C日程】:9月中旬に実施。もっとも多くの市役所にみられ、問題はA日程よりかなり易しい
どの日程でも試験時間120分、出題数40問がふつうです。
教養試験科目ごとの出題数は(平成28年度試験)、
科目 | A日程 | B日程 | C日程 |
---|---|---|---|
政治 | 1 | 1 | 1 |
法律 | 2 | 2 | 2 |
経済 | 2 | 2 | 2 |
社会 | 2 | 2 | 2 |
日本史 | 2 | 2 | 2 |
世界史 | 2 | 3 | 2 |
地理 | 2 | 2 | 2 |
文学,芸術 | 1 | 0 | 0 |
思想 | 0 | 0 | 1 |
数学 | 1 | 1 | 1 |
物理 | 1 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 | 1 |
生物 | 2 | 2 | 2 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
英文 | 3 | 3 | 3 |
古文 | 1 | 1 | 1 |
現代文 | 3 | 3 | 3 |
判断推理 | 7 | 8 | 8 |
数的推理 | 5 | 4 | 4 |
資料解釈 | 1 | 1 | 1 |
合計 | 40 | 40 | 40 |
専門試験(択一式)
教養試験と同じように市役所上級の専門試験の出題内容は、筆記試験の日程ごとに3パターンにわかれます。
- 【A日程】:6月下旬に実施。県庁所在地など大きな市でみられ、地方上級とだいたい共通の問題が出題される
- 【B日程】:7月下旬に実施。全国的に広くみられ、問題はA日程より易しめ
- 【C日程】:9月中旬に実施。もっとも多くの市役所にみられ、問題はA日程よりかなり易しい
どの日程でも試験時間120分、出題数40問がふつうです。
C日程では専門試験を課さない市役所もよくあります。
専門試験科目ごとの出題数は(平成28年度試験)、
科目 | A日程 | B日程 | C日程 |
---|---|---|---|
政治学 | 2 | 2 | 2 |
行政学 | 2 | 2 | 2 |
社会政策 | 3 | 3 | 3 |
国際関係 | 2 | 2 | 2 |
憲法 | 4 | 4 | 4 |
行政法 | 5 | 5 | 5 |
民法 | 4 | 4 | 4 |
刑法 | 2 | 2 | 2 |
労働法 | 2 | 2 | 2 |
ミクロ経済学/ マクロ経済学 |
11 | 11 | 11 |
財政学 | 3 | 3 | 3 |
合計 | 40 | 40 | 40 |
論文試験
一般的な市役所上級の論文試験の出題形式は、
- 【制限時間】:60~90分が標準
- 【文字数】:800~1,200文字が標準
- 【テーマ】:1つまたは複数提示される。複数の場合は1つを選んで回答
論文試験は「採点基準」と「頻出テーマ」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
面接試験
一般的な市役所上級の面接の試験形式は、
- 【面接時間】:15~30分程度
- 【試験官】:3~5人程度
- 【質問】:5~10項目程度
大まかな面接の流れはこのとおりです。
- 【入室】:控え室から面接会場の入り口手前まで案内される。入室して席の前で待機し、促されたら着席
- 【説明】:試験官または司会から面接の時間や注意事項が説明される
- 【面接】:試験官からの質問に回答する。はじめに自己紹介や自己PRを求められるばあいがある
- 【退室】:退室を促されたら、挨拶して面接会場を出る
面接試験は「採点基準」と「定番の質問」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
集団討論試験
一般的な市役所上級の集団討論の試験形式は、
- 【制限時間】:30~60分が標準
- 【人数】:5~8人が標準
- 【テーマ】:1つまたは複数提示される。複数の場合は1つを選んで回答
大まかな流れはこのとおりです。
- 【着席】:アルファべットや数字など記号が置かれた座席に案内され、着席する。討論中はグループのメンバーを記号で呼ぶ
- 【説明】:テーマや制限時間などが書かれた用紙が配られ、進め方や注意事項について試験官から説明を受ける。「討論開始前に各自が考える時間」「役割分担」「討論終了後の発表」などの有無は、試験によってことなるため説明をしっかりと聞くこと
- 【討論開始】:グループで討論をはじめる。討論の進行や管理はすべてグループに任される
- 【討論終了】:グループとしての結論を導き、討論を終える。時間内にグループ内でまとめを行う、あるいは終了後に試験官へ発表する場合などがある
集団討論試験は「採点基準」と「頻出テーマ」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
市役所の「試験日程」
市役所上級の試験日程と採用までのながれはこちら。
(平成29年度実施試験の日程)
- 【受験案内】:4月~
- 【受験申込み】:5月~
- 【第1次試験】:6月下旬 or 7月下旬 or 9月中旬
- 【第2次試験】:7月~
- 【最終合格発表】:8月~
- 【内定】:10月1日~
第1次試験の日程いがいは、市役所によってちがいます。
市役所によっては第3次試験以降が実施されることがあります。
市役所の「勉強スケジュール」
対策期間がだいたい1年間あるばあいのスケジュール例はこちら。
試験種目 | 月 | ||||
---|---|---|---|---|---|
9~12 | 1~3 | 4~6 | 7 | ||
基礎能力試験 | 一般知能 | ★ | ☆ | ☆ | |
一般知識 | ☆ | ☆ | |||
専門試験(択一式) | ★ | ★ | ★ | ||
論文試験 | ☆ | ★ | |||
面接試験/ 集団討論試験 |
☆ | ★ |
- 【★】:注力して取りくむ試験種目
- 【☆】:取りくむ試験種目
9~12月
試験勉強はまず教養試験の「一般知能」と「専門試験の択一式」からはじまります。
一般知能の科目は出題数がとても多く、毎日コツコツと問題を解きつづけることで得点力がみにつきます。
専門試験の択一式は教養試験一般知識の出題範囲を一部カバーしているので、早くから学習しておきましょう。
1~3月
年明けあたりからは教養試験の「一般知識」や「論文試験」の対策もスタートです。
一般知識は出題数が少なく、範囲がとても広い科目ばかり。
多くの科目にからんでくる一般知識の「時事問題」の学習に注力します。
論文試験は受験する自治体の情報を収集したり、論文の正しい書き方を学習しておくのがおすすめです。
4~6月
「面接試験」や「集団討論試験」の対策は後回しになりがち。
少し対策をすれば評価がぐっと高まる、コストパフォーマンスのよい試験です。
専門試験対策に追い込みをかけながらも、公務員予備校の面接指導の予約が空いているうちに、面接試験や集団討論試験の対策をすすめておきましょう。
7月
1次試験が終われば2次試験(面接試験や集団討論試験など)対策に集中できます。
1次試験が終わる前でも、市役所の「業務説明会」や「職場訪問」があるときは参加することを忘れずに。
市役所の「教養試験科目の学習法」
政治/法律/経済/社会
市役所上級の政治、法律、経済は専門科目と出題範囲がほとんど同じです。
政治は「政治学」「行政学」「国際関係」、法律は「憲法」、経済は「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「財政学」に対応します。
専門試験の内容が理解できれば、教養試験の問題は解くことができます。
専門試験の学習を優先し、本番前に教養試験の過去問演習に取りくんで出題形式になれるのが効率的です。
政治の頻出分野は「議員内閣制と大統領制」「各国の政治制度」「日米の選挙制度や選挙結果」「国際機構」。
まずはこの分野をおさえて、それからほかの分野にも手を広げていきます。
法律はほとんど専門試験憲法の基礎知識でカバーできる問題です。
憲法全体の分野から出題されます。
経済はミクロ経済学とマクロ経済の「基本学習事項」や、財政や金融にかんする「経済事情」についてほかの試験より難易度の低い問題が出題されます。
はじめは専門試験の経済学の学習に取りくみ、本番前に時事参考書で経済事情の項目を暗記しましょう。
社会は時事問題が広く出題されます。
頻出テーマは「経済事情」「金融政策」「予算」「社会保障」「労働問題」「環境問題」です。
日ごろからニュースをチェックしておき、最新版の時事参考書が発売されたら知識を一気にかためるのがおすすめ。
日本史/世界史/地理
市役所上級の人文科学の出題範囲は膨大ですが、計7問の出題なので捨てることもできません。
頻出テーマはかぎられているので、的をしぼって学習するのがおすすめ。
日本史は「第一次世界大戦」以降から1問出題される傾向があります。
のこり1問は「江戸時代」「明治」や、「土地制度史」「外交史」「貿易史」などテーマ史が多めです。
古代からの出題はほとんどありません。
世界史も「第一次世界大戦」以降から1問がよく出題されます。
のこりは「西洋近現代史」「中国王朝史」「イスラム史」が多めです。
地方上級にくらべて難易度の低い問題が出題されます。
地理は「地形」「気候」「アジア地誌」が頻出。
難易度は高くないので基本知識を整理しておきましょう。
数学/物理/化学/生物/地学
数学や物理、化学と聞くと「ぜったい分からない」と拒否反応を示してしまうひとがいますよね。
でも、市役所上級の問題は基本的な内容が多く、自然科学が苦手でも正解することができます。
細かな知識や公式を覚えようとせず、過去問演習で頻出問題になれておくことが大切です。
自然科学ははば広い分野から出題されるのが特徴です。
難易度は地方上級よりやや低く、基本事項をおさえていれば得点できます。
過去問題集の応用問題を解く必要はありません。
基本問題にしぼって効率的に学習しましょう。
英文/古文/現代文
市役所上級は現代文よりも英文のほうが出題数は多く、英語力が重視されています。
古文は1問の出題です。
英文も現代文も出題形式は「内容把握」がほとんど。
選択肢にある内容が本文のなかにあっても、筆者がもっとも主張したいことでなければいけない「要旨把握」とちがって、「内容把握」は解きやすい形式です。
出題テーマは「社会科学」「人文科学」「自然科学」など多様です。
時間をはかりながら過去問を毎日コツコツ解き、スピードを速める練習をしましょう。
古文は時間をかけず、直前期に過去問を確認するくらいにとどめます。
判断推理/数的推理/資料解釈
市役所上級の判断推理と数的推理は、だんだんと難易度が上昇しています。
出題数がもっとも多い重要科目なので、十分な対策が必要です。
まずは市役所上級の過去問レベルの問題は解けるように学習します。
次に地方上級ていどのレベルにチャレンジしましょう。
資料解釈は1問の出題です。
時間をかければ必ず解ける問題なので、さっと過去問を確認して出題パターンをみておきましょう。
市役所の「専門試験科目(択一式)の学習法」
政治学/行政学/国際関係/社会政策
政治学⇒行政学⇒国際関係⇒社会政策の順番で学習するのがおすすめ。
後ろにいくほど時事的な問題がよく登場するからです。
難問は出題されません。
一冊の過去問題集をくり返して、基本知識を完ぺきにしておきましょう。
政治学の頻出テーマは「政治の動態」「政治の制度」「政治の思想と理論」です。
「政治史」はほとんど出題されないので、日本史の学習でカバーするくらいがおすすめ。
行政学は「官僚制論」「行政責任と統制」「組織論」が頻出です。
そのほか「公務員制度」「行政改革」「地方自治」もよく出るので、広く学習する必要があります。
国際関係は出題テーマが分散しています。
たびたび出題されているのは「日本外交史」「国際政治理論」「現代的課題」などです。
世界史や日本史とかぶる部分があるので、おたがいに補強しながら学習できます。
社会政策は「労働経済」と「社会保障」の2分野にわかれます。
どちらも統計データがよく問われるので、白書で確認しておく必要があります。
- 労働経済白書
- 厚生労働白書
- 労働力調査
社会保障からは現行制度も出題されます。
「年金」「医療保険」「介護保険」「生活保護」などの仕組みは要チェックです。
憲法/行政法/民法/刑法/労働法
法律系科目の問題は、すべて過去問に登場する知識の範囲におさまっています。
だからといって簡単というわけではありません。
選択肢によっては細かな知識が問われるからです。
過去問演習をくり返して正確な知識をインプットしましょう。
憲法は1問がマイナーなテーマから、のこりが過去問の頻出テーマから出題される傾向があります。
マイナー問題の対策は難しいので、過去問演習に集中するのが効率的です。
行政法は出題範囲がとても広いです。
頻出分野の「行政作用法」と「行政救済法」にしぼって学習します。
民法はほとんどの問題が、過去にくり返し問われている分野にかぎられます。
家族法の出題は少なめなので、財産法の基本問題から学習をすすめましょう。
刑法の難易度は地方上級と大きくかわりません。
深入りせず、基本事項の学習で1問正解をねらうのがおすすめ。
労働法は主要な論点から易しい問題が出題されます。
条文と判例の基礎的な知識をかためておけば十分です。
ミクロ経済学,マクロ経済学/財政学
市役所上級では、経済学と財政学どちらにも属さないような問題が出題されることがあります。
そうした問題の対策を完ぺきにしておくことは難しいので、典型的な経済学と財政学の学習に集中するのがおすすめです。
ミクロ経済学とマクロ経済学ともに、広い分野からなんべんなく出題されます。
計算問題も登場しますが、ほかの公務員試験にくらべて難易度は簡単です。
ミクロ経済学⇒マクロ経済学の順に、じっくりと時間をかけて学習しましょう。
財政学は「わが国の財政事情」「公債」「税制」「地方財政」が頻出テーマです。
細かな財政理論や計算問題はほとんど登場しません。
暗記色のつよい科目なので、経済学の学習がひととおり終わったら取りくみます。
市役所の「論文試験の学習法」
市役所上級の論文試験を突破するために必要なポイントは、次の4つです。
POINT.1 正しい文章の書き方を覚える
ふだん文章を書き慣れてないと、文章を正しく書くことは意外と難しいものです。
原稿用紙の使い方や日本語の文法など、細かいルールはあまり覚えていないですよね。
論文試験は内容が優れていることのほかに、「文章が正しいかどうか」も形式面として採点基準になります。
形式面の採点は減点法。
例えばある漢字を間違って記憶していたら、その漢字を使うごとに知らないうち減点され続けてしまうので、こわいですよね。
公務員試験の論文で、おさえておくべき正しい文章のポイントは多くありません。
すべて解説しますので、覚えてしまいましょう。
POINT.2 答案の構成を理解する
論文を書くたびに「書き出しはどうしよう?」「次の段落でなにを書こう?」と、悩んでいませんか。
論文はテーマを見ていきなり書き始めてはいけません。
まず答案の構成をつくりあげることが、なにより大切です。
構成をつくってから文章を書くと、論文全体に論理的なつながりが生まれるので、合格点を目指すことができます。
「次になにを書こうか」と悩まないので文章を書く時間も短縮できるし、練習で書いた回答を1字1句記憶しておくのは無理でも、構成なら覚えられて本番で役立つんです。
どんなテーマでも使える論文の構成をマスターしましょう。
POINT.3 コツを意識する
POINT.2「論文の構成」のとおりに答案が書ければ、合格点は十分にねらえるはずです。
さらに高い得点を目指すときには、下の記事で解説するコツが役立ちます。
コツといっても難しいものではありません。
文章を書くときの心がけのようなものです。
これを心がけて文章を書くようになると、数多くあるライバルの答案から抜け出し採点者の目にとまる論文になりますよ。
POINT.4 頻出テーマの答案をつくり、解答例と比べる
論文試験でよく出題されるテーマは決まっています。
下の記事で紹介している頻出テーマに対する答案を、あらかじめ考えておくのがおすすめ。
練習として書いた答案は、公務員予備校の講師などプロに添削してもらうのが一番です。
よいところ、わるいところを客観的にアドバイスしてくれて、だいたいの点数も分かりますからね。
添削をお願いできるひとがいない場合は、この記事の解答例をよく読んでみましょう。
解答例は平均的な答案として書いています。
自分の答案と比べると、かいぜんするポイントが見えてくるはずですよ。
市役所の「面接試験の対策法」
市役所上級の面接試験を突破するために必要なポイントは、次の4つです。
POINT.1 回答の構成を理解する
面接で質問されると「どんな話をしよう?」「どういう構成で伝えたらいいだろう」と、焦ってしまいますよね。
面接独特の空気のなかで、質問にすばやく的確に答えるのは難しいものです。
でも、評価の高い面接の回答の構成には決まりがあります。
この決まりを理解しておけば、本番でどう話したらいいか迷うことはありません。
落ち着いて自分をアピールすることができます。
面接官から高評価をもらう回答の構成を理解しましょう。
POINT.2 定番質問の回答をつくり、解答例と比べる
面接試験でよく問われる質問は決まっています。
下の記事で紹介している定番質問に対する回答を、あらかじめ考えておくのがおすすめ。
用意した回答は、公務員予備校の講師などプロに添削してもらうのが一番です。
よいところ、わるいところを客観的にアドバイスしてくれて、だいたいの点数も分かりますからね。
添削をお願いできるひとがいない場合は、この記事の解答例をよく読んでみましょう。
解答例は平均的な回答として書いています。
自分の回答と比べると、改善するポイントが見えてくるはずですよ。
POINT.3 面接カードをていねいに作る
筆記試験を突破すると、面接カードとよばれる質問項目がならんだ用紙が配られます。
それに回答を書いて、面接時に持参するのが一般的です。
面接直前の控室で配られ、その場で記入するばあいもあります。
民間企業でいうエントリーシートのようなものです。
面接官は事前に面接カードを読み、面接の評価に加味をします。
じっさいの面接も提出されたカードにそって進行することが多いので、面接カードにどんな内容を書いておくかは、とても重要だと分かりますよね。
面接官から高評価をもらう面接カードの書き方を理解しましょう。
POINT.4 落ちる人の特徴を知る
せっかくがんばって筆記試験を突破したら、「面接はぜったい落ちたくない」と思いますよね。
面接に「受かりやすいひと」もいれば、ざんねんながら「落ちやすいひと」もいるんです。
落ちやすいひとには共通点があります。
こちらの記事をよく読んで、面接でこうなってしまわないよう注意しましょう。
あわせて対策法も解説するので、自覚があるひともきっと改善できますよ。
市役所の「集団討論試験の対策法」
市役所上級の集団討論試験を突破するために必要なポイントは、次の3つです。
POINT.1 進め方をおさえる
集団討論はいつも「はじめになにを話そう?」「議論をどう進めたらいいんだろう」と、悩んでしまいますよね。
集まったメンバーによって、議論の中身は毎回ちがったものになります。
でも、評価の高い集団討論の進め方には決まりがあるんです。
これを理解しておけば、なにを話したらいいか迷うことはありません。
自分がリーダーシップをとって、グループの議論をスムーズに進めていくことができます。
採点者に好印象をあたえるポイントがたくさんあるので、すべてお伝えしますよ。
POINT.2 役割分担を知る
集団討論では「司会」「書記」「タイムキーパー」という3つの役割を分担することがあります。
「集団討論で役割、とくに司会を引き受けると落ちる」という噂を信じて、「本番ではなにも担当したくない」というひとが多くいます。
じつは、それぞれの役割にはメリットとデメリットがあるんです。
もちろん、司会をしたからといって不合格になることはありません。
役割を活かして高評価をもらう方法、はんたいに気をつけるポイントを説明しますね。
POINT.3 コツを意識する
自分が練習したとおりに議論が進まなかったり、他人の意見を否定するひとがいたり、集団討論はなかなか思うようにいかないことがありますよね。
集団討論にのぞむさい、よくある困った状況の対処法や、どんなときでも使える高評価のコツを知っていると便利です。
コツといっても難しいものではありません。
ひととコミュニケーションをとるときの心がけのようなものです。
これを心がけて討論できると、数多くいるライバルから抜け出し、採点者の目にとまるようになりますよ。
市役所の「独学/予備校」
市役所上級を受験するひとの半分くらいは独学、のこりは公務員予備校にかよっています。
公務員予備校はお金がかかるので、どうしようか迷いますよね。
独学でも対策可能な試験種目
- 教養試験
- 専門試験(択一式)
市役所上級の教養試験と専門試験(択一式)は、独学でも合格レベルまで得点力を高めることができます。
どちらの試験の科目も、質の高い導入テキストや過去問題集がそろっているからです。
難関大学合格者や勉強に自信があるひとなら、市販の参考書をつかってひたすら問題演習に取りくめば合格点をこえることは難しくありません。
予備校で対策したほうがいい試験種目
- 論文試験
- 面接試験
- 集団討論試験
論文試験の対策は、頻出テーマの答案を作成し、専門的なスキルがあるひとに添削してもらう必要があります。
面接試験は本番の形式で模擬練習をなんどもくり返すことが合格への王道です。
どちらも独学で対策するのは厳しい試験種目ばかり。
公務員予備校では、論文について頻出テーマ分析や、答案作成、添削指導など万全の対策ができます。
面接練習のサポート体制や、先輩合格者の体験記などノウハウの蓄積も十分です。
市役所上級はあまり難関の公務員試験ではありません。
ただ、国家公務員など難易度の高い公務員試験に挑戦するひとが大勢、すべり止めとして市役所上級を受験します。
よほど筆記試験に自信があったり、論文対策や面接対策の環境を自前で用意できるひと以外は、公務員予備校をつかう方法がおすすめです。

これで「市役所」採用試験の解説はおしまいです。
おつかれ様でした。
市役所の採用試験って、地方公務員試験ですよね?
地方上級とはなにがちがうんだろう。