

数学/物理/化学は範囲がとても広いわりに出題数が少ないので、すてる受験生は多くいます。
苦手科目がほかに多すぎなければ、数学/物理/化学はすてても大丈夫です。
この記事では、
- 数学/物理/化学の出題分野と形式
- 数学/物理/化学の頻出分野と難易度
- 数学/物理/化学の効果的な勉強方法
- 数学/物理/化学のおすすめ参考書
- 数学/物理/化学の試験種類ごとの勉強ポイント
をすべて解説します。
すてずに対策するひとは効率的に勉強していきましょう!
公務員試験「数学/物理/化学」を知ろう!
まずは、数学/物理/化学がどんな科目なのか見てみましょう。
それから難易度や頻出分野を確認し、大まかな勉強の方針を立てます。
どんな科目なの?
数学/物理/化学のおもな分野、出題数、出題形式は次のとおりです。
分野は6つ/5つ/3つ
数学/物理/化学はそれぞれ4つ/5つの分野に分かれています。
- 【式と計算】:数の計算、平方根と有理化、整式の乗法と因数分解、整式の除法
- 【方程式/関数】:二次方程式、関数、二項定理
- 【図形と式】:2点間の距離、直線の方程式、円の方程式、不等式と領域
- 【数列/指数/対数/三角比】:
- 【微分/積分】:導関数、関数の極大と極小、不定積分、定積分
- 【図形の計量】:面積、体積、相似
- 【力と運動】:等加速度運動、ばね、剛体のつりあい、ニュートンの三法則
- 【運動量とエネルギー】:運動量と運動量保存則、エネルギーと力学的エネルギー保存則
- 【波動】:波の性質、基本公式
- 【電気】:電流と電圧と電気抵抗、クーロンの法則、直流回路
- 【原子】:原子の構造、放射線、単位系
- 【理論化学】:原子、結晶、物質量と化学反応式、物質の三態、ボイル/シャルルの法則、化学反応と熱、中和反応、イオン化傾向
- 【無機化学】:金属元素、非金属元素
- 【有機化学】:有機化合物、高分子化合物、環境化学
出題数は少ない
教養試験で数学/物理/化学はどれくらい出題されるのかというと、
国総合 | 国一般 | 国専門 | 特別区 | 地上級 | 市役所 | |
---|---|---|---|---|---|---|
数学の出題数 | ― | ― | ― | ― | 1 | 1 |
物理の出題数 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 |
化学の出題数 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 |
全体の回答数 | 40 | 40 | 40 | 40 | 50 | 40 |
全体の出題数 | 40 | 40 | 40 | 44 | 50 | 40 |
回答必須/選択 | 必須 | 必須 | 必須 | 選択 | 必須 | 必須 |
受験案内 | 国総合 | 国一般 | 労基官 国税官 財務官 |
特別区 | ― | ― |
- 【国総合】:国家総合職(法律、経済、政治/国際区分)
- 【国一般】:国家一般職
- 【国専門】:国家専門職(労働基準監督官、国税専門官、財務専門官)
- 【特別区】:東京都特別区(東京都23区)
- 【地上級】:地方上級(道府県庁、政令指定都市)
- 【市役所】:市役所上/中級(政令指定都市をのぞく市役所)
すべて1~2問の出題と少ないですよね。
数学は地方上級や市役所上/中級でしか登場しません。
物理や化学は国家公務員試験でも出題があります。
東京都特別区ではそれぞれ2問ずつの出題。
数学/物理/化学をすべて合わせても2~4問にしかならないので、勉強量にたいするパフォーマンスはとても低い科目たちです。
出題形式は2つ
問題の出題形式は大きく2通りです。
- 【計算問題】:「~はいくらか?」「~として正しいのはどれか?」
- 【知識問題】:「次の記述のうち、妥当なのはどれか?」「次の空欄に当てはまる語句の組み合わせとして、妥当なのはどれか?」
数学はもちろん計算問題ですね。
物理は計算問題がメインで、知識問題の出題もあります。
化学はどちらもよく出題されています。
頻出分野と難易度をチェック
公務員試験の試験種別に、数学/物理/化学の頻出分野と難易度を表にまとめました!
数学 | 国総合 | 国一般 | 国専門 | 特別区 | 地上級 | 市役所 |
---|---|---|---|---|---|---|
式と計算 | ― | ― | ― | ― | ◎ | ◎ |
方程式/関数 | ― | ― | ― | ― | ◎ | ◎ |
図形と式 | ― | ― | ― | ― | 〇 | 〇 |
数列/指数/対数/三角比 | ― | ― | ― | ― | △ | △ |
微分/積分 | ― | ― | ― | ― | △ | △ |
図形の計量 | ― | ― | ― | ― | △ | △ |
難易度 | ― | ― | ― | ― | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
物理 | 国総合 | 国一般 | 国専門 | 特別区 | 地上級 | 市役所 |
---|---|---|---|---|---|---|
力と運動 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ |
運動量とエネルギー | △ | △ | 〇 | ◎ | △ | △ |
波動 | △ | △ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
電気 | △ | △ | △ | ◎ | 〇 | 〇 |
原子 | △ | ◎ | △ | △ | △ | △ |
難易度 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
化学 | 国総合 | 国一般 | 国専門 | 特別区 | 地上級 | 市役所 |
---|---|---|---|---|---|---|
理論化学 | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
無機化学 | 〇 | ◎ | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
有機化学 | 〇 | △ | ◎ | 〇 | △ | △ |
難易度 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
- 【頻出分野】は「◎:とてもよく出る」「〇:よく出る」「△:出る」の3つに分類しています。
- 【難易度】は「★:とても易しい」「★★:やや易しい」「★★★:標準」「★★★★:やや難しい」「★★★★★:とても難しい」の5段階で表示しています。
- 個人の所感により作成したものです。
頻出分野は?
どの科目も出題分野に特徴があります。
数学は「式と計算」「方程式/関数」が頻出。
数的推理と役割を分担するため、「数列」や「図形の計量」が出にくい傾向があります。
物理の頻出分野は「力と運動」です。
東京都特別区は「運動量とエネルギー」「電気」「波動」から問題がよく出ます。
化学は「理論化学」が頻出分野です。
有機化学は試験種によって、出題されるかどうかが分かれます。
難易度は?
数学/物理/化学は全体的に難易度がやや高め。
標準的なレベルよりやや難しい問題が多いです。
市役所上/中級だけは基礎的な問題が中心で、難易度は高くありません。
頻出分野と難易度の話をまとめると、
- どの科目も頻出分野がある!
- 難易度はやや高め!
勉強の方針
ここまでをふまえて、数学/物理/化学の大まかな勉強方針を次のように決めましょう。
- よゆうがなければ、すてても大丈夫!
- 受験勉強の最後に対策する!
よゆうがなければ、すてても大丈夫
数学/物理/化学は難易度が高めで勉強範囲がとても広いわりに、出題数が少ないので、すべての科目のなかでもっとも優先度の低い科目です。
まずは学習するのかどうか、慎重に決めましょう。
とくに物理や化学を高校のとき選択しなかったひとは、あきらめることをおすすめします。
公務員試験は満点をとらなくても合格できる試験。
数学/物理/化学をすてても、ほかの科目で十分にカバー可能です。
自然科学はほかに生物と地学があります。
この2つの科目も出題数は少ないんですが、数学/物理/化学とちがって単純な暗記科目です。
初学者でも得点できるようになります。
数学/物理/化学をすてるばあいは、代わりに生物と地学を勉強するなどバランスをとりましょう。
受験勉強の最後に対策する
地方上級や市役所上/中級を受験するときの、教養試験のおすすめ勉強順番はこちらです。
- 数的推理/判断推理/資料解釈
- 文章理解:現代文/英語/古文
- 時事
- 社会科学:政治/経済/社会
- 人文科学:日本史/世界史、地理/思想/文学/芸術
- 自然科学:生物/地学、数学/物理/化学
数学/物理/化学を勉強するときは、ほかのすべての科目の対策が終わってから最後にとりくみましょう。
もっとも優先度が低いんですから、当然ですよね。

数学/物理/化学の特徴がよくわかりましたね。
それではいよいよ、公務員試験の数学/物理/化学で高得点をとる勉強法を解説していきますよ。
公務員試験「数学/物理/化学」が得点できる勉強法!
数学/物理/化学を勉強するとき、本番直前まで心にとどめてほしいことがあります。
それをつねに意識しながら、導入テキストと過去問題集の使い方をマスターして学習していきましょう。
大切な3つのポイント
- 対策は過去問演習にとどめる!
- 物理と化学は暗記テーマをおさえる!
- 数学は頻出分野にしぼる!
POINT.1 対策は過去問演習にとどめる
対策は過去問題集の演習だけにとどめておくことが大切です。
高校時代に勉強したことがあって「今は忘れてしまった」からといって、教科書を読み直したりする必要はありません。
物理や化学は高校3年間で習った範囲から出題されます。
教科書や導入テキストから勉強を始めていると、いくら時間があっても足りません。
すぐ過去問題集にとりくみ、過去問を解きながら知識を思い出しましょう。
過去問もすべて解けるようになる必要はありません。
解説を読んで「そういえばそうだったな」と理解できる問題だけ、解けるようにしておけば十分です。
「これなんだっけ?」と解説が理解できないばあいは、すっぱり切ってしまいます。
POINT.2 物理と化学は暗記テーマをおさえる
物理と化学には、公式や知識を知っていればそれを当てはめれば解ける、という問題があります。
過去問演習をするときは、その公式や知識はおさえるようにがんばりましょう。
物理は「当加速度運動の公式」「ばね定数の合成」「ドップラー効果の公式」「レンズの公式」「オームの法則」などです。
化学は「原子の構造」「結晶の種類と性質」「ボイル/シャルルの法則」「電池の種類」「周期表」などは覚えておくと役立ちます。
POINT.3 数学は頻出分野にしぼる
数学は「式と計算」「方程式/関数」が頻出分野です。
「数列/指数/対数/三角比」「微分/積分」が登場することはあまりありませんし、「図形の計量」は数的推理で対策できます。
数学は頻出分野だけ対策するのが効率的です。
おすすめ参考書と使いかた
参考書選びはとても重要。
数ある参考書のなかで、おすすめはこちらです。
- 【公務員試験 過去問 新クイックマスター 自然科学I(物理・化学・数学)】:過去問題集
- 【公務員試験 合格の500】:総仕上げ
参考書の特徴やおすすめする理由を知りたいときは、この記事を読んでくださいね。
よい参考書をえらんだら、参考書を正しく使って勉強することが大切。
大まかな流れは次のとおりです。
- クイックマスターをくり返し解く!
- 合格の500を解く!
勉強の効果をもっとも高める参考書の使い方を、くわしく知りたいときはこの記事を読んでくださいね。
試験種類ごとの学習ポイント
公務員試験には国家総合職や国税専門官、地方上級などたくさんの種類があります。
試験の種類ごとに、数学/物理/化学の効果的な学習方法はちがうんです。
自分が志望するところの学習ポイントをおさえましょう。
国家公務員や裁判所職員、東京都庁職員、国立大学法人等職員はとくに難関の公務員試験です。
「数学/物理/化学の独学はちょっと自信がない…」というひとは、公務員試験予備校の活用をかんがえてみましょう。
公務員試験予備校は、質の高い講師やテキストがそろっているのでおすすめです。

これで数学/物理/化学の勉強法の解説は終わりです。おつかれ様でした。
数学/物理/化学はほとんど勉強しなくても問題ない科目です。
いちど学んだことがあるひとでも、深入りせずポイントを押さえた勉強を心がけましょう。
物理と化学は高校のとき選択しなかったし、数学は苦手な科目でした。
公務員試験でもまったく勉強しませんでしたよ。