

東京都庁は人気の公務員試験です。
併願先のひとつに選ぶひとも多くいます。
でも最初は、「東京都庁ってどんな試験?」「どんな勉強をしたらいいの?」と疑問に思いますよね。
東京都庁の試験内容や難易度、試験科目や学習のポイントをすべて解説します。
東京都庁の「仕事内容」
東京都は日本の首都であり、世界トップクラスの大都市です。
東京都の行政を担う東京都庁は、職員数4万人規模の超巨大組織。
東京都庁の業務はまさに多様なフィールドに分かれており、大勢の職員がそれぞれの分野で活躍しています。
- 【政策企画局】:部局の枠組みを越えて、都のビジョンや政策を実行に結び付ける
- 【青少年/治安対策本部】:子供や若者が健やかに暮らせる、世界一安心安全な首都東京を目指す
- 【総務局】:4万人規模の都庁を機能させる
- 【財務局】:7兆円規模の予算を編成する
- 【主税局】:都税の公平な徴収を行う
- 【生活文化局】:生活や文化に関するサービスで都民の日常を豊かに
- 【都市整備局】:世界をリードする都市づくりにチャレンジ
- 【環境局】:世界一の環境先進都市を実現
- 【福祉保健局】:誰もが生きいきし、活躍できる東京を目指す
- 【病院経営本部】:高水準で専門性の高い総合医療を推進
- 【産業労働局】:産業や雇用に関する課題を解決し、東京の活力を高める
- 【建設局】:防災機能と快適さを備えた都市基盤の整備と維持管理
- 【港湾局】:東京港の発展と魅力ある臨海エリアの実現
- 【会計管理局】:会計制度の整備と適正な運営を図る
- 【交通局】:安全を確保しながら、便利で快適な交通サービスを提供
- 【水道局】:安全でおいしい高品質な水を安定的に供給
- 【教育庁】:学校、家庭、地域社会全体で子供の力を伸ばす環境を整える
- 【選挙管理委員会事務局】:選挙を公正、公平に執行
- 【人事委員会事務局】:職員がやりがいをもって働けるよう、勤務条件の充実に努める
- 【監査事務局】:最小のコストで最大の成果をあげるため、都政を様々な角度から監査
- 【労働委員会事務局】:円滑な労使環境の構築に向けて、公正な立場で紛争の解決に取り組む
- 【収用委員会事務局】:公正中立な第三者機関として、公共の福祉と私有財産の調整を図る
- 【議会局】:都議会の活動をサポート
東京都庁の「異動/昇任/年収」
東京都庁の職員は3年を目安に異動します。
局内の異動はもちろん、局をまたいだ異動もさかんです。
昇任は学歴や性別によらず、能力や業績にもとづく選考。
おおむね在職5年で主任選考資格があたえられます。
努力次第で主任⇒課長代理⇒統括課長代理⇒課長⇒部長⇒局長と昇任することが可能です。
昇任するにしたがって、もちろん給与も増えます。
年齢ごとの平均的な年収は、大手企業の社員と同じか少しおよばないくらいのようです。
公開されている採用初年度の給与例はこちら。
(平成29年4月1日の給与例)
Ⅰ類B(大卒程度試験) |
---|
217,400円 |
東京都庁の「難易度/倍率」
東京都庁のほかにも、公務員にはいろいろな種類があります。
種類ごとに大卒程度試験の難易度をランキングにしました。
難易度は筆記試験や面接試験、採用人数などから総合的に判断しています。
- 国家総合職
- 国家一般職、国家専門職(国税専門官/財務専門官/労働基準監督官など)、国立大学法人等職員、裁判所職員
- 地方上級(県庁/政令指定都市)、東京都庁
- 東京都特別区(東京都23区)
- 市役所(政令指定都市をのぞく)、警察官/消防官
東京都庁の採用試験は、国家一般職についで難易度が高い試験です。
学歴が高くても関係なく落ちてしまう試験ですから、かんたんではありません。
試験の難易度は受験年度や、どの試験区分を受験するかによって変わります。
難易度ランキングは参考ていどにとどめてくださいね。
東京都庁の大卒程度試験「Ⅰ類B」の行政職の倍率は下表のとおりです。
(平成29年度試験)
区分 | 採用予定 | 受験者 | 1次合格 | 最終合格 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
一般方式 | 365 | 2,706 | 923 | 550 | 4.9 |
新方式 | 105 | 920 | 343 | 137 | 6.7 |
ほかの府県庁の倍率はだいたい5~10倍くらい。
東京都庁だからといって、倍率がほかよりも高いというわけではないんです。
ただ受験者は学力に自信があるひとが多いので、難関の公務員試験であることにかわりありません。
表の試験区分については、次から解説していきますね。
東京都庁の「試験種類」
東京都の職員採用試験はいろいろあって、まず次の3つに大きく分かれています。
- 【Ⅰ類】:大学院卒や大卒程度を対象とした試験
- 【Ⅱ類】:司書や栄養士を対象とした試験
- 【Ⅲ類】:高卒程度を対象とした試験
採用者数や受験者数がもっとも多く一般的な試験はⅠ類です。
Ⅰ類はさらに3つの種類があります。
- 【Ⅰ類A】:大学院卒程度を対象とした試験
- 【Ⅰ類B[一般方式]】:大学卒程度を対象とした試験。教養試験のほか専門試験や小論文試験などが課される
- 【Ⅰ類B[新方式]】:大学卒程度を対象とした試験。教養試験のほかプレゼンテーション試験などが課される
Ⅰ類B[新方式]は筆記試験の負担を減らし、より多様なひとから受験してもらえるよう新しく設置された試験です。
どちらも受験資格は、
- 31歳まで(受験翌年4月1日時点の年齢)
- 職種によっては必要な資格や免許を持っていること(一般方式のみ)
Ⅰ類に学歴要件はありません。
大学院卒程度や大卒程度といっても、じっさいに大学院や大学を卒業していなくても受験することができます。
Ⅰ類には「行政職」のほか、土木職や機械職などがあります。
ここからは採用者数や受験者数がもっとも多く、一般的な事務職である行政職について解説していきますね。
東京都庁の「試験科目/配点」
東京都Ⅰ類B[一般方式]の行政職の試験種目はこちら。
一般方式 | 試験種目 | 配点 | 時間 | 問題数 |
---|---|---|---|---|
1次試験 | 教養試験 | ― | 2時間10分 | 40問 |
専門試験(記述式) | ― | 2時間00分 | 3問 | |
小論文試験 | ― | 1時間30分 | 1題 | |
2次試験 | 面接試験 | ― | ― | ― |
専門試験はマークシート式ではなく、すべて記述式なのが特徴です。
それぞれの試験種目の配点は公開されていません。
東京都Ⅰ類B[新方式]の行政職の試験種目はこちら。
新方式 | 試験種目 | 配点 | 時間 | 問題数 |
---|---|---|---|---|
1次試験 | 教養試験 | ― | 2時間30分 | 40問 |
プレゼンテーション シート作成 |
― | 1時間30分 | ― | |
2次試験 | 面接試験/ プレゼンテーション |
― | ― | ― |
3次試験 | 面接試験/ グループワーク |
― | ― | ― |
一般方式とちがって専門試験と小論文試験が課されず、かわりにプレゼンテーションやグループワークが登場します。
ここからはⅠ類[一般方式]を中心に解説していきますね。
教養試験
教養試験はマークシート式で、全40問が出題されます。
各科目ごとの出題数は、
(平成29年度試験)
科目 | 出題数 | |
---|---|---|
現代文 | 4 | |
英文 | 4 | |
判断推理 | 2 | |
数的処理 | 6 | |
資料解釈 | 4 | |
空間概念 | 4 | |
人文科学 | 文化 | 1 |
歴史 | 2 | |
地理 | 1 | |
社会科学 | 法律 | 1 |
政治 | 1 | |
経済 | 1 | |
自然科学 | 物理 | 1 |
化学 | 1 | |
生物 | 1 | |
地学 | 1 | |
社会事情 | 5 | |
合計 | 40 |
専門試験(記述式)
専門試験の記述式は一般方式のみ課されます。
マークシート式の択一式とちがって、設問に対して1,000~1,500文字ていどで論述回答する試験です。
文章力があれば高得点がねらえるわけではなく、問いに対する深く正確な知識が要求されます。
各科目から1題ずつ出題され、そのなかから3題を選択して回答します。
科目 | 回答数 |
---|---|
憲法 | 全10科目のうち 3科目を選択回答 |
行政法 | |
民法 | |
経済学 | |
財政学 | |
政治学 | |
行政学 | |
社会学 | |
会計学 | |
経営学 |
小論文試験
東京都庁の小論文試験の出題形式は、
- 【制限時間】:90分
- 【文字数】:1,000~1,500文字
- 【テーマ】:1テーマ提示され、そのなかで複数の設問が問われる
過去にこんなテーマが出題されています。
平成29年度試験
- 別添の資料から、東京を環境先進都市とするために、あなたが重要と考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
- 上で述べた課題に対して、都はどのような取り組みを進めるべきか、あなたの考えを述べよ。
小論文試験は「採点基準」と「頻出テーマ」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
面接試験
一般的な面接試験の形式は、
- 【面接時間】:15分~30分程度
- 【試験官】:3~5人程度
- 【質問】:5~10項目程度
大まかな面接の流れはこのとおりです。
- 【入室】:控え室から面接会場の入り口手前まで案内される。入室して席の前で待機し、促されたら着席
- 【説明】:試験官または司会から面接の時間や注意事項が説明される
- 【面接】:試験官からの質問に回答する。はじめに自己紹介や自己PRを求められるばあいがある
- 【退室】:退室を促されたら、挨拶して面接会場を出る
面接試験は「採点基準」と「定番の質問」をまずおさえてから、対策をはじめることが大切です。
こちらの記事をぜひ読んでみましょう。
採用面談
東京都庁のばあい、人事院が主催する試験に最終合格しただけでは採用になりません。
最終合格したあとに任命権者による採用面談を通過して、内定をもらう必要があります。
とはいっても、最終合格者が採用面談で落ちることはほとんどありません。
採用面談では2次試験と同じような質問をされるので、特別な対策は不要です。
そのほか身体検査や写真撮影が同日におこなわれます。
東京都庁の「試験日程」
東京都庁Ⅰ類B[一般方式]の試験日程と採用までのながれはこちら。
(平成29年度実施試験の日程)
- 【受験案内】:3月7日~
- 【受験申込み】:4月3日~
- 【第1次試験】:5月7日
- 【合格発表】:6月7日
- 【第2次試験】:6月22日~30日
- 【最終合格発表】:7月21日
- 【採用面談】:7月21日~
- 【内定】:10月1日~
そのほか、職場訪問やインターンシップなどがずいじ開催されています。
東京都庁の「勉強スケジュール」
東京都庁の対策期間がだいたい1年間あるばあいのスケジュール例はこちら。
試験種目 | 月 | ||||
---|---|---|---|---|---|
7~12 | 1~3 | 4~5 | 6 | ||
教養試験 | 一般知能 | ★ | ☆ | ☆ | |
一般知識 | ☆ | ☆ | |||
専門試験 | ★ | ★ | ★ | ||
小論文試験 | ☆ | ★ | |||
面接試験 | ☆ | ★ |
- 【★】:注力して取りくむ試験種目
- 【☆】:取りくむ試験種目
7~12月
試験勉強はまず、教養試験の一般知能と専門試験(記述式)からはじまります。
一般知能の科目は出題数がとても多く、毎日コツコツと問題を解きつづけることで得点力がみにつきます。
専門試験(記述式)もっとも難易度が高いので、早くから学習しておきましょう。
1~3月
年明けあたりからは一般知識の対策もスタートです。
一般知識は出題数が少なく、範囲がとても広い科目ばかり。
5問が出題される社会事情の学習に注力します。
小論文試験の対策は後回しになりがち。
小論文試験は少し対策をすれば得点力がぐっと高まる、コストパフォーマンスのよい試験です。
公務員試験予備校の添削指導の予約が空いているうちに、少しずつすすめておきましょう。
4~5月
専門試験(記述式)と小論文試験の学習に、ラストスパートをかけます。
これまでの総復習を中心にするのがおすすめです。
6月
1次試験が終われば2次試験(面接試験)対策に集中できます。
1次試験が終わる前でも、職場訪問や業務説明会に参加することは忘れずに。
東京都庁の「教養試験科目の学習学習法」
現代文/英文
現代文と英文どちらも4問の出題、形式は内容把握がメインです。
現代文のテーマは「哲学」「思想」が頻出。
テーマが複雑で選択肢の正誤判断も難解です。
たくさんの過去問にあたり、読解になれるほかありません。
英文は「エッセイ」からの出題が頻出です。
現代文にくらべれば解きやすい問題が多いでしょう。
判断推理/数的処理/資料解釈/空間概念
判断推理2問、数的処理6問、資料解釈4問、空間概念4問の出題。
判断推理は「3集合の要素の個数」がとてもよく出ます。
キャロル表をつかった解法パターンをおさえておきましょう。
数的処理は「素数と素因数分解」「公倍数と公約数」「図形」「確立」が頻出です。
過去問演習をくり返して、基本事項を確実に理解する必要があります。
資料解釈で出題されるのは、毎年ほとんど同じような問題です。
登場する資料の形態や選択肢の内容などが固定化しているので、しっかりと対策すれば満点がねらえます。
空間概念は「軌跡」がとてもよく出ます。
弧の長さ、回転角度、面積など定番の解法パターンを完ぺきにすること。
人文科学(文化/歴史/地理)
文化1問、歴史2問(または1問)、地理1問の出題です。
文化は二十四節季や西洋美術など範囲が広く、対策がたいへんです。
ほかの学習に時間をつかうのが得策。
日本史は「江戸時代以降」、世界史は「近代以降」が頻出です。
細かな単語を覚えず、歴史のながれをつかんで効率よく勉強しましょう。
地理は「統計問題」がよく出ます。
難易度は標準的です。
主要な統計データを確認しておく必要があります。
社会科学(法律/政治/経済)
社会科学はすべて1問ずつ出題されます。
専門試験を学習していれば得点できる問題がほとんどです。
法律は憲法からの出題がほとんど。
範囲は全体の分野におよびますが、難易度は低めです。
政治は専門試験の国際関係や政治学とかさなります。
専門試験対策をしないひとは、特別区の過去問も解いておきましょう。
経済の頻出テーマは「財政」「金融」「国際経済」です。
過去問演習のほか、時事参考書をつかって最近の動向をチェックすることが大切。
自然科学(物理/化学/生物/地学)
自然科学はすべて1問ずつの出題です。
物理は知識問題と計算問題どちらも出題されます。
覚える知識の量は多くないので、基礎事項を整理しておきましょう。
典型的な計算問題にも慣れておけば十分です。
化学は知識問題と計算問題どちらも出題されます。
難問には手を出さず、特別区の過去問題集もつかって基本問題の演習をくり返すのがおすすめ。
生物は「ヒト」に関する問題がもっとも頻出です。
「臓器の構造と機能」など主要なテーマは学習必須。
地学は中学理科からの出題がみられます。
しっかり復習しておきましょう。
社会事情
試験前年のできごとを中心に出題されます。
頻出テーマは「法律の制定や改正」「最高裁判所の判決」「国内政治」「経済事情」「国際事情」です。
最新版の時事対策本をつかって、すべてのテーマをまんべんなく学習しましょう。
東京都庁の「専門試験科目(記述式)の学習法」
憲法
憲法は主要なテーマからはば広く出題されます。
人権からの出題では、最高裁の判例をもとに論述することが必要です。
統治機構は問題文に論述するべき事項が示されているので、それに沿って論述すればいいでしょう。
憲法の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:違憲審査制の意義、類型および違憲判決の効力について説明せよ。
- 【平成28年度】:外国人の人権について説明せよ。
- 【平成27年度】:国政調査権の意義、性質、範囲と限界について説明せよ。
行政法
行政法は「行政作用法」からの出題が頻出です。
主要テーマの性質や要件を整理しておきましょう。
行政法の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:行政不服審査法の平成26年の全部改正の意義を簡潔に述べたうえで、同法に定める行政不服申立ての種類および審理手続きを行う者ならびに行政不服審査会への諮問について説明せよ。
- 【平成28年度】:行政手続法に定める「行政指導の中止等の求め」および「処分等の求め」について説明せよ。
- 【平成27年度】:行政行為の附款について説明せよ。
民法
民法は広いテーマから出題されます。
「意義」⇒「要件」⇒「効果」の順で問われる形にかわりはないので、主要なテーマをこのとおりにまとめておくことが大切です。
民法の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:物権的請求権の意義、根拠、種類および消滅時効について説明せよ。
- 【平成28年度】:通謀虚偽表示の意義について述べたうえで、効果について説明せよ。
- 【平成27年度】:不法行為の意義を述べ、一般不法行為の成立要件について説明せよ。
経済学
経済学はミクロ経済学とマクロ経済学どちらも出題されます。
基本的な用語や学説を問うばあいがほとんどです。
図を用いて説明できるように準備しておきましょう。
経済学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:屈折需要曲線の理論について、図を用いて説明せよ。
- 【平成28年度】:市場での自由な取引だけでは望ましい資源配分が実現しない場合を3つ挙げ説明せよ。
- 【平成27年度】:生産物市場における独占企業の価格および生産量の決定について、完全競争市場との違いに言及しながら図を用いて説明せよ。
財政学
財政学はテキストで学ぶ「原則」「機能」「制度」にかんする基本知識が問われます。
複数のことがらに言及するよう求められるので、関連する知識をひも付けて理解しておくことが必要です。
財政学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:国債発行に関する国債管理政策の意義および2つの目標について説明せよ。なお償還期限による国債の分類についても言及すること。
- 【平成28年度】:地方財政計画について、その概要および役割を説明せよ。なお歳入と歳出の構成についても言及すること。
- 【平成27年度】:マスグレイブの財政の3機能について、具体例を挙げながら説明せよ。
政治学
政治学は「政党」「圧力団体」「投票行動」「マスコミ」がくり返し出題されています。
過去問と似た出題も多いので、過去問演習をとおして模範解答を準備しておきましょう。
政治学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:政治的無関心について、ラズウェルとリースマンの類型に言及して説明せよ。
- 【平成28年度】:ミルズの「パワーエリート」について、リースマンの多元主義と比較しながら説明せよ。
- 【平成27年度】:ダールのポリアーキー論について説明せよ。
行政学
行政学は毎年ことなるテーマが出題される傾向があります。
まだ出題されていない「ホーソン工場実験」「ギルバートのマトリックス」「アメリカ行政学史」などの主要テーマと、過去問どちらもおさえておけば安心です。
行政学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:官僚制について、ウェーバーの挙げた特徴およびマートンの唱えた逆機能に言及して説明せよ。
- 【平成28年度】:リンドブロムのインクリメンタリズムについて、合理的決定に対する批判に言及して説明せよ。
- 【平成27年度】:行政組織におけるラインとスタッフについて説明せよ。
社会学
社会学は社会学者について、学説の説明をもとめる問題が頻出です。
各分野の代表的な社会学者と学説のキーワードを中心に、論述するポイントを整理しておきましょう。
社会学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:ラザースフェルドによるマス・コミュニケーションの3つの機能について、それぞれ具体例を挙げて説明せよ。
- 【平成28年度】:家族の機能について、マードックの説を中心に説明せよ。なおパーソンズの説についても言及すること。
- 【平成27年度】:スペンサーの社会進化論について説明せよ。
会計学
会計学は「企業会計原則」や「貸借対照表」などの内容について説明をもとめる問題が出題されます。
学習していれば必ず目にする内容なので、テキストと過去問をつかって基本事項を確認しておきましょう。
会計学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:キャッシュフロー計算書の意義と概要について説明せよ。なお表示方法にも言及すること。
- 【平成28年度】:企業会計原則における損益計算書原則のうち、営業利益、経常利益および当期純利益について説明せよ。
- 【平成27年度】:利益剰余金の意義および種類について説明せよ。
経営学
経営学は「経営学説」「経営戦略論」「経営組織」「マーケティング」が頻出ですが、マイナーな難問が出題されることもあります。
代表的な学説や概念にしぼって対策しておくのが効率的です。
経営学の過去の出題内容は、
- 【平成29年度】:企業の国際化の意義と動機について説明したうえで、多国籍企業に関するストップフォードとウェルズのモデルについて説明せよ。
- 【平成28年度】:事業部制組織について、長所と短所に言及して説明せよ。
- 【平成27年度】:人間関係論について、ホーソン実験に言及して説明せよ。
東京都庁の「小論文試験の対策法」
東京都庁の小論文試験を突破するために必要なポイントは、次の4つです。
POINT.1 正しい文章の書き方を覚える
ふだん文章を書き慣れてないと、文章を正しく書くことは意外と難しいものです。
原稿用紙の使い方や日本語の文法など、細かいルールはあまり覚えていないですよね。
小論文試験は内容が優れていることのほかに、「文章が正しいかどうか」も形式面として採点基準になります。
形式面の採点は減点法。
例えばある漢字を間違って記憶していたら、その漢字を使うごとに知らないうち減点され続けてしまうので、こわいですよね。
公務員試験の小論文で、おさえておくべき正しい文章のポイントは多くありません。
すべて解説しますので、覚えてしまいましょう。
POINT.2 答案の構成を理解する
小論文を書くたびに「書き出しはどうしよう?」「次の段落でなにを書こう?」と、悩んでいませんか。
小論文はテーマを見ていきなり書き始めてはいけません。
まず答案の構成をつくりあげることが、なにより大切です。
構成をつくってから文章を書くと、小論文全体に論理的なつながりが生まれるので、合格点を目指すことができます。
「次になにを書こうか」と悩まないので文章を書く時間も短縮できるし、練習で書いた回答を1字1句記憶しておくのは無理でも、構成なら覚えられて本番で役立つんです。
どんなテーマでも使える小論文の構成をマスターしましょう。
POINT.3 コツを意識する
POINT.2「小論文の構成」のとおりに答案が書ければ、合格点は十分にねらえるはずです。
さらに高い得点を目指すときには、下の記事で解説するコツが役立ちます。
コツといっても難しいものではありません。
文章を書くときの心がけのようなものです。
これを心がけて文章を書くようになると、数多くあるライバルの答案から抜け出し採点者の目にとまる小論文になりますよ。
POINT.4 頻出テーマの答案をつくり、解答例と比べる
小論文試験でよく出題されるテーマは決まっています。
下の記事で紹介している頻出テーマに対する答案を、あらかじめ考えておくのがおすすめ。
練習として書いた答案は、公務員試験予備校の講師などプロに添削してもらうのが一番です。
よいところ、わるいところを客観的にアドバイスしてくれて、だいたいの点数も分かりますからね。
添削をお願いできるひとがいない場合は、この記事の解答例をよく読んでみましょう。
解答例は平均的な答案として書いています。
自分の答案と比べると、かいぜんするポイントが見えてくるはずですよ。
東京都庁の「面接試験の対策法」
東京都庁の面接試験を突破するために必要なポイントは、次の4つです。
POINT.1 回答の構成を理解する
面接で質問されると「どんな話をしよう?」「どういう構成で伝えたらいいだろう」と、焦ってしまいますよね。
面接独特の空気のなかで、質問にすばやく的確に答えるのは難しいものです。
でも、評価の高い面接の回答の構成には決まりがあります。
この決まりを理解しておけば、本番でどう話したらいいか迷うことはありません。
落ち着いて自分をアピールすることができます。
面接官から高評価をもらう回答の構成を理解しましょう。
POINT.2 定番質問の回答をつくり、解答例と比べる
面接試験でよく問われる質問は決まっています。
下の記事で紹介している定番質問に対する回答を、あらかじめ考えておくのがおすすめ。
用意した回答は、公務員試験予備校の講師などプロに添削してもらうのが一番です。
よいところ、わるいところを客観的にアドバイスしてくれて、だいたいの点数も分かりますからね。
添削をお願いできるひとがいない場合は、この記事の解答例をよく読んでみましょう。
解答例は平均的な回答として書いています。
自分の回答と比べると、改善するポイントが見えてくるはずですよ。
POINT.3 面接カードをていねいに作る
筆記試験を突破すると、面接カードとよばれる質問項目がならんだ用紙が配られます。
それに回答を書いて、面接時に持参するのが一般的です。
面接直前の控室で配られ、その場で記入するばあいもあります。
民間企業でいうエントリーシートのようなものです。
面接官は事前に面接カードを読み、面接の評価に加味をします。
じっさいの面接も提出されたカードにそって進行することが多いので、面接カードにどんな内容を書いておくかは、とても重要だと分かりますよね。
面接官から高評価をもらう面接カードの書き方を理解しましょう。
POINT.4 落ちる人の特徴を知る
せっかくがんばって筆記試験を突破したら、「面接はぜったい落ちたくない」と思いますよね。
面接に「受かりやすいひと」もいれば、ざんねんながら「落ちやすいひと」もいるんです。
落ちやすいひとには共通点があります。
こちらの記事をよく読んで、面接でこうなってしまわないよう注意しましょう。
あわせて対策法も解説するので、自覚があるひともきっと改善できますよ。
東京都庁の「独学/予備校」
東京都庁を受験するひとの半分くらいは独学、のこりは公務員試験予備校にかよっています。
公務員試験予備校はお金がかかるので、どうしようか迷いますよね。
独学でも対策可能な試験種目
- 教養試験
東京都庁の教養試験は、独学でも合格レベルまで得点力を高めることができます。
ほとんどの科目にたいして、質の高い導入テキストや過去問題集がそろっているからです。
難関大学合格者や勉強に自信があるひとなら、市販の参考書をつかってひたすら問題演習に取りくめば合格点をこえることは難しくありません。
予備校で対策したほうがいい試験種目
- 専門試験(記述式)
- 小論文試験
- 面接試験
東京都庁の専門試験(記述式)の難易度の高さはピカイチです。
マークシート方式の学習だけでは歯が立ちません。
小論文試験はなんども答案を作成し、専門的なスキルがあるひとに添削してもらう必要があります。
面接試験も本番の形式で模擬面接をくり返すことが、合格への王道です。
公務員試験予備校では、専門試験(記述式)について頻出テーマ分析や、答案作成、添削指導など万全の対策ができます。
小論文試験や面接試験のサポート体制も十分です。
東京都庁は難関の公務員試験。
よほど筆記試験に自信があったり、小論文対策や面接対策の環境を自前で用意できるひと以外は、公務員試験予備校をつかう方法がおすすめです。

これで「東京都庁」採用試験の解説はおしまいです。
おつかれ様でした。
東京都庁の公務員試験は、特別区とちがうんですよね。
どんな試験なのか気になります。