

どんなひとと一緒のグループになるかで、集団討論は毎回ちがったものになります。
よくある困った状況の対処法や、どんなときでも使える高評価のコツを知っていると便利です。
コツといっても難しいものではありません。
ひととコミュニケーションをとるときの心がけのようなものです。
これを心がけて討論できると、数多くいるライバルから抜け出し、採点者の目にとまるようになりますよ。
目次
公務員試験【集団討論】コツ1.「アイデアがなくても発言する!」
集団討論でもっとも大切なことは、とにかく発言することです。
あたりまえと思うかもしれませんが、試験本番になると緊張して言葉が出なくなってしまうことがあります。
「なかなかいいアイデアが思いつかないから、ほかのメンバーの意見を聞いて、自分もアイデアが出たら発言しよう」と一歩引いた姿勢でいると、あっという間に時間がすぎて十分にアピールできません。
いいアイデアをもっていなくても、どんどん発言しましょう。
ほかのメンバーの発言を聞いたら、すかさず乗っかってしまうのが簡単です。
- 「その意見とてもいいですね。~な効果が期待できますよね」
- 「さらに~したら、もっとよくなりそうです」
メンバーの意見で疑問に思うことがあれば、えんりょなく質問して議論の内容を深めます。
抜けている論点があると感じれば、グループに投げかけてみましょう。次の議論のながれをつくることができます。
- 「先ほどの発言で~のところよくが分からなかったので、もう一度お聞きできますか?」
- 「具体的な対策はまだ考えられてないんですが、~の点について議論する必要があると思います」
自分で考えた解決策やアイデアを提案することは必要ですが、それだけでなくメンバーと議論にかかわる発言をたくさんすることも重要です。
素晴らしいアイデアをひろうする必要はありません。
ほかのメンバーの話をよく聞き、怖がらずに会話のキャッチボールができればそれだけで高い評価につながります。
公務員試験【集団討論】コツ2.「グループのメンバーとなごやかに!」
同じグループになったメンバーはライバルではなく仲間です。
「みんなで一緒に合格する」という気持ちをもちましょう。
集団討論は相手を負かすディベートとちがって、グループとしていかに合意形成を図るかが評価されます。
だから採点基準にも「協調性」「貢献性」の項目があるわけです。
メンバーを敵と思って議論に参加していたら、高い評価はえられませんよね。
相手の意見をただ批判するだけの発言はひかえなければいけません。
一般的に考えておかしいと感じるときは元の発言者にあらためて再考を促したり、自分で改善案や代替案を提案しましょう。
- 「~という意見は、~の点で適切ではないと感じます。~さんいかがですか?」
- 「~という意見は、~の点で適切ではないと感じます。ただ、~とミックスさせることで改善できると思います」
集団討論の評価ポイントは発言だけではなく、ほかのメンバーの発言を聞いているときの「態度」も評価されます。
態度でも協調性や貢献性を示しましょう。
発言しているメンバーの目をよく見てうなずきながら話を聞き、笑顔であいづちを打つことが大切です。
- 「うんうん」「なるほど」「へえ~」「そうか」「たしかに」
- 「おもしろい」「いいですね」「同感です」
書記がこれまでの議論のふり返りを報告してくれた後や、自分がなにか提案をして受け入れてもらった後に「ありがとうございます」と一言そえるだけで、場の空気が明るくなるのでおすすめ。
ひとは自分の意見を好意的に受けとめてくれる相手に向かって、語りかけるようになります。
メンバーの話をていねいに聞く姿勢を続けていれば、自然とあなたがグループで中心的な存在になり、発言をしていない間も前向きな態度が採点者から評価されるでしょう。
公務員試験【集団討論】コツ3.「議論をまとめる発言はゆずらない!」
数ある発言のなかで、もっとも評価されやすいものがあります。
それは「議論をまとめる発言」です。
解決策がたくさん提案された後、結論に向けて議論をまとめるステップが最後にあります。
そのときにリーダーシップをとることが大切です。
議論の中心である解決策について、メンバーが提案するアイデアに大きな質の差はありません。
たとえ独創的な策をひろうするメンバーがいても、公務員試験の集団討論ではそれだけで高い評価がされることはないんです。
大切なのはグループにどれだけ貢献しているか。
議論をまとめる発言をすることが、グループへの貢献として高く評価されます。
議論をまとめるときには、誰もが納得できる「客観的な軸」を登場させると効果的です。
いくつかの案が対立しているときには、解決の道すじを示します。
- 「案がたくさん出ているので、客観的な軸をもうけて絞るのはどうでしょうか。軸として『期待される効果』『コスト』『実現可能性』などが挙げられます」
- 「2つの案は~の点で対立しています。うまく解決する方法はないでしょうか。たとえば2つのよいところを合わせてしまうのはどうでしょう?」
- 「2つの案のメリットとデメリットをそれぞれ挙げ、比較してみませんか?」
アイデアを語ることはできても、議論をまとめる発言ができるひとは多くいません。
これができれば採点者に大きなアピールになるので、ぜひ練習しておきましょう。
公務員試験【集団討論】コツ4.「困ったメンバーへの対処法!」
公務員試験はいろいろなひとが受験します。
集団討論で自分のグループのなかに「ちょっと困ったメンバー」がいることもあるので、対策法をおぼえておきましょう。
よくいる困ったメンバーは、
- 【だんまりさん】:発言せずにだまりこんでいる。ようやく発言しても、なにが言いたいのかよく分からない
- 【KY(空気が読めない)さん】:議論のながれが分からず、的はずれな発言をする。突拍子もない発言をくり返す
- 【クラッシャー】:メンバーの意見を否定してばかり。自分の意見をむりやり押し通そうとする
だんまりさん
ひかえ目な性格なのか、討論にもかかわらずいっこうに発言しないだんまりさんがよくいます。
ようやく話しはじめたと思えば、どうにも自信なさげで意見のなかみもよく分からない、という状況になりがちです。
本人の責任といってしまえばそうなのですが、そんな状況を放っておいて自分の評価がプラスになることはありません。
対処法は下の例のようにかんたんなので、積極的にサポートしてあげましょう。
- 「~さん、なにか意見はありますか?」
- 「という意見に対して、~さんはどう思いますか?」
- 「これまでの議論でつけ足しておくことはありますか?」
- 「~さんの意見は、~という意味でまちがいありませんか?」
- 「なるほど。~ということを言いたいわけですね」
KYさん
議論のながれが読めないKYさんも、よくいる困ったメンバーのひとりです。
はじめに決めた前提条件を忘れていたり、原因分析をしているときに解決策の話をしたりというぐあい。
そのままにしておくと、討論のペースが乱されてよくありません。
ストレートに指摘しないよう注意しながら、みんなとのズレを認識できるように促してあげましょう。
- 「前提条件はたしか~でしたね。この前提だと、どう考えますか?」
- 「いいアイデアですね。後の解決策提案の時間でもう一度検討しませんか?」
- 「なるほど。では原因についてはどう思いますか?」
クラッシャー
集団討論でいちばん困るのがクラッシャー。
メンバーの意見のアラを探して批判なかりするわりに、自分の意見をもっていないやっかいなひとです。
自分の意見だけが正しいと主張するパターンもあります。
もしグループにクラッシャーがいると、議論が紛糾してメンバー全員の評価が低くなります。
感情的にならず、かといって遠慮はせずに堂々と対応しましょう。
- 「まずは意見を出してから、その後に妥当性を検討していきませんか?」
- 「はるほど。では、あなたはどうしたらいいと思いますか?」
- 「意見が対立していますね。客観的な軸をもうけて比較してみましょう」
クラッシャーは集団討論において非難されるふるまいです。
強めに対応しても問題ありませんので、前向きな議論の場をつくることを優先しましょう。

この記事のまとめです。
- アイデアがなくても発言する!「ほかの意見への同調」「メンバーへの質問」「不足している論点の提示」などなんでも大丈夫
- グループのメンバーとなごやかに!「うんうん」「なるほど」「いいですね」と笑顔のあいづちを忘れないこと
- 議論をまとめる発言はゆずらない!「客観的な軸」「メリットとデメリット」を登場させてまとめること
- 困ったメンバーへの対処法!「だんまりさん」「KYさん」には優しく手を差しのべ、「クラッシャー」にはきぜんと対応すること
自分が練習したとおりに議論が進まなかったり、他人の意見を否定するひとがいたり、集団討論ってなかなか思うようにいかないんですよね。