

テキストや過去問題集が充実している筆記試験科目とちがって、集団討論は対策の仕方に悩む受験生が多くいます。
なかには「集団討論は受験生同士で差がつかない」「ぶっつけ本番しかない」といって、ほとんど対策をしないひとも。
でもじつは、集団討論はきちんと対策したひとと、そうでないひとの得点差が大きくあらわれるんです。
じっさいに受験生の発言や態度を見比べてみると、討論のよしあしがはっきりと分かります。
集団討論は配点がけっして低くない試験。教養試験や専門試験と同じ配点のばあいもよくあります。
筆記試験にくらべて、ほんの少し対策しただけで得点がぐっと高まるお得な試験なので、ここできちんと方法をおさえておきましょう。
目次
公務員試験【集団討論】対策1.「集団討論の情報を集める!」
集団討論をするときには、あらかじめいくつかの知識があると役立ちます。
面倒がらずにしっかりと情報を集めることが大切です。
受験先の出題形式
過去に受験先で集団討論はどんな形式で出題されていたのか、調べておきましょう。
出題テーマや制限時間、グループの人数などが事前に分かれば、本番に向けて有効な対策をとることができます。
調べ方は公務員試験の専門誌やネットの情報サイトなどを使います。
自治体によっては過去の問題を公開しているばあいもあるので、チェックしてみるのがおすすめです。
自治体の基本情報と施策
受験する自治体の基本的な情報を集めましょう。
歴史や文化、人口推移、おもな産業や資源をおさえます。
また、総合計画や各課の計画にも目をとおし、自治体がどんな施策に力をいれて取りくんでいるのか理解することが大切です。
テーマが重要な施策から出題されることは、よくありますからね。
ほとんどの自治体はホームページをもっているので、すみずみまで確認します。
ホームページに重点施策が掲げられていることも多いですよ。
頻出テーマに関する白書
頻出テーマについては国がまとめた白書が多数あります。
統計データや現状の課題、今後の施策の方向性について提言されているので、集団討論をするうえでとても参考になります。
おもな白書をまとめたので、じっくりと読みこんでみましょう。
出題テーマ | 白書 |
---|---|
少子高齢社会/ 社会保障 |
少子化社会対策白書(平成27年度版) 高齢社会白書(平成29年度版) 厚生労働白書(平成28年度版) |
労働/ ワークライフバランス |
労働経済の分析(平成29年度版) |
環境問題 | 環境・循環型社会・生物多様性白書(平成29年度版) |
防災/防犯 | 防災白書(平成29年度版) |
地域活性化/観光 | 中小企業白書(平成27年度版) 観光白書(平成29年度版) |
行政機関のあり方 | 日本の財政関係資料(平成29年度版) 地方財政白書(平成29年度版) |
法整備 | 規制改革実施計画(平成29年度版) |
住民や民間組織との関わり | 新しい公共に関する調査報告書(平成24年度) |
公務員試験【集団討論】対策2.「集団討論の模擬練習をする!」
とにかくやってみる
まずはこちらの記事を読んで、集団討論の正しい進め方を理解しておきましょう。
集団討論の対策でもっとも大切なのは「とにかくやってみる」ことです。
いくらあたまのなかでイメージトレーニングをしたり、進め方を覚えたり、白書を読んで知識を詰めこんでも、じっさいにやってみないことには集団討論が上達することはありません。
まったく集団討論の経験がないひとと、一度でも練習したことがあるひとでは、得点に大きな差がつきます。
意外なことに、「試験本番が初めての集団討論」という受験生は多くいます。
そんな受験生を横目にみながら二度、三度と練習をくり返しておけば、十分に合格レベルに到達できるわけです。
半年近くも勉強する必要がある筆記試験科目にくらべれば、明らかに「楽」ですよね。
参加メンバーを集める
問題は、模擬集団討論を一緒にやってくれるメンバーを集めること。
学生であれば大学の友人や公務員試験を目指す知り合いに声をかけて集められます。
就職支援の部署が支援してくれるばあいも多いでしょう。
社会人だとひとを集めるのはなかなか大変です。
昔からの友人や公務員として働いている知人、家族や恋人を頼ってなんとかメンバーを探したいところです。
人数は6名以上いれば理想的ですが、少なくとも3名で集団討論の練習にはなります。
人数によゆうがあれば1名は試験官役として発言や態度を集中してチェックしてもらい、討論後に参加メンバーみんなから「よかった点」「わるかった点」を評価してもらいましょう。
模擬討論でとり上げるテーマはこちらの頻出テーマから選んでみてください。
公務員試験【集団討論】対策3.「頻出テーマの小論文の答案をあらかじめ用意しておく!」
集団討論対策の最後のステップは「小論文」を書くことです。
集団討論の対策なのに、なぜ小論文を書くのか不思議に思いますよね。
じつは集団討論と小論文は、頻出の出題テーマがほとんど同じ。
そして集団討論の議論の進め方と、小論文の構成もよく似ているんです。
集団討論は「1.役割分担と時間配分」「2.前提条件の明確化」「3.原因分析」「4.解決策提案」「5.予備時間とまとめ」の順番に進めます。
小論文の構成は「1.定義」「2.背景」「3.問題点」「4.解決策」「5.まとめ」です。
両者はとてもよく似ていることが分かるでしょうか。
小論文の頻出テーマ(集団討論と同じ)で小論文を書いておけば、集団討論の本番で類似のテーマが出題されたとき、議論の流れがあたまのなかにインプットされているので、落ち着いて論理的に話をすることができます。
原因や解決策の内容もそのまま使えますよね。
「小論文の構成のつくり方」と「小論文の対策法」はこちらの記事を読んでみてください。
頻出テーマで小論文をいくつか書いておくことは、小論文の対策はもちろん、集団討論でも大きな威力をはっきします。
さらに言えば面接対策にもなる一石三鳥の対策法です。
筆記試験科目の勉強よりはるかにコストパフォーマンスがいいので、面倒がらずにがんばってみましょう。

これで公務員試験「集団討論の対策法」の解説はおしまいです。おつかれ様でした。
この記事のまとめです。
- 受験先の出題形式や自治体の基本情報など、集団討論の情報を集める
- ひとを集めて一度だけでも模擬集団討論をやってみる
- 頻出テーマで小論文の答案をあらかじめ書いておく
はじめのうちは「集団討論って、いったいなにを勉強したらいいの?」と、対策の方法が分かりませんでした。