【山梨県】職員採用試験の合格法を解説!

ハチミツちゃん

「山梨県の職員採用試験って、どんな感じなんだろう?」

「じぶんでも受かるのかな…」

山梨県の職員採用試験のこと、よく分からなくて不安になりますよね。

わんこ先生

山梨県の職員採用試験はとても人気のある公務員試験です。

山梨県をふくむ都道府県庁や政令指定都市の公務員大卒程度採用試験は、「地方上級」とよばれます。

地方上級といっても、自治体ごとに試験内容や特徴がことなります。

この記事では山梨県の職員採用試験にフォーカスして、

  1. 山梨県職員採用試験の「求める人材」と「職場環境」
  2. 山梨県職員採用試験の「試験種類」
  3. 山梨県職員採用試験の「試験内容」
  4. 山梨県職員採用試験の「試験スケジュール」
  5. 山梨県職員採用試験の「試験対策」
  6. 山梨県職員採用試験の「倍率」

をくわしく解説していきます。

学習のガイドとして参考にし、山梨県職員採用試験の合格をめざしましょう!

 

 

山梨県職員採用試験の「求める人材」と「職場環境」

山梨県は、世界遺産に登録された富士山やおいしい果物、ワインなど優れた観光資源が豊富。
2027年にはリニア中央新幹線の開業をひかえ、あらゆる面でおおきく飛躍することが期待されています。

そこで山梨県職員採用試験がもとめている人材は、「時代のながれをつかみ、経営感覚をもって課題にチャレンジできる人」です。
自分にその素養があることを、論文試験や面接試験のときにアピールしましょう。

次に、山梨県庁の職場環境にかんするデータをまとめたので確認してください。

  • 【平均年齢】:43.3歳
  • 【平均給与月額】:462,882円
  • 【年次有給休暇の平均取得日数】:11.3日
  • 【女性職員の割合】:24.1%
  • 【女性管理職の割合】:10.3%

山梨県庁では平成29年に知事以下幹部職員が「イクボス宣言」をおこない、年休取得の促進や時間外労働の縮減など、働きやすい職場づくりを進めています。

 

山梨県職員採用試験の「試験種類」

山梨県の職員採用試験は、「大学卒業程度」「高校卒業程度」「小中学校事務」「民間企業等職務経験者」の大きく4種類。
そのなかに試験職種がいくつか用意されています。

受験資格といっしょに確認してみましょう。

  • 【大学卒業程度】:試験職種は「行政Ⅰ」「行政Ⅱ」「警察行政」「社会福祉Ⅱ」「薬剤師」「化学」「林業」「土木」「農業土木」「建築」「電気」「保健師」「司書」「学芸員Ⅱ」「学芸員(古環境)」「文化財主事」「建築設備」「研究(林業)」「警察鑑定研究(機械)」。受験資格は年齢が22~35歳(薬剤師をのぞく)、「社会福祉Ⅱ」「薬剤師」「保健師」「司書」「学芸員Ⅱ」「学芸員(古環境)」は必要な資格や免許を有すること
  • 【高校卒業程度】:試験職種は「行政」「警察行政」「土木」。受験資格は年齢が18~21歳
  • 【小中学校事務職員】:試験職種は「学校事務」
  • 【民間企業等職務経験者】:試験職種は「行政」。受験資格は年齢が59歳まで、山梨県外の民間企業等で職務経験が5年以上あること

年齢はすべて受験翌年の4月1日時点

平成29年度受験案内より

大学卒業程度といっても、じっさいに大学を卒業している必要はありません。
年齢要件などを満たしていれば受験することができます。

ここからは、もっとも受験者が多い行政系職種をメインに解説していきますね。

  • 【大学卒業程度】:「行政Ⅰ」「行政Ⅱ」「警察行政」
  • 【高校卒業程度】:「行政」「警察行政」
  • 【小中学校事務】:「学校事務」
  • 【民間企業等職務経験者】:「行政」

大卒程度の行政Ⅰは従来からある試験職種です。

いっぽう「行政Ⅱ」は、近年あたらしい試験職種として設けられました。
対象者は次のような卓越した経験、または高度な専門知識や資格をもっているひと。

  1. 青年海外協力隊、継続して1年以上の海外留学・海外活動、高度な社会貢献(ボランティアやNPO)などの卓越した経験
  2. 法律や税務、防災、そのほか多方面の分野における高度な専門知識や資格

行政Ⅰと試験内容はことなりますが、採用後の職務内容や処遇にちがいはありません。

 

山梨県職員採用試験の「試験内容」

試験区分  1次試験 2次試験
教養試験 専門試験 自己アピール 論文試験 個別面接 集団討論
大卒程度 行政Ⅰ
警察行政

40点

40点

20点

140点
行政Ⅱ
20点

60点

20点

140点
高卒程度 行政
警察行政

40点

20点

60点
小中学校事務 学校事務
40点

20点

60点
職務経験者 行政
80点
 
20点
〇140点

1次試験

1次試験で共通して課されるのは、「教養試験」です。

教養試験は公務員試験にとくゆうな科目群の「一般知能分野」、高校までに学ぶことが多い科目群の「一般知識分野」にわかれます。

  • 【一般知能分野】:文章理解(英文/古文/現代文)、判断推理、数的推理、資料解釈など
  • 【一般知識分野】:社会科学(政治/法律/経済/社会)、人文科学(日本史/世界史/地理/文学,芸術)、自然科学(数学/物理/化学/生物/地学)など

大卒程度試験のばあい各科目の出題数はおおむね、

科目 出題数
政治 1
法律 3
経済 3
社会 6
日本史 3
世界史 3
地理 2
文学,芸術 1
数学 1
物理 1
化学 2
生物 2
地学 1
英文 5
古文 1
現代文 3
判断推理
数的推理
資料解釈 1
合計 50

合計回答数は40問、回答時間は120分です。

一般知能分野の問題はすべて回答。
全体の回答数が40問になるよう、一般知識分野の問題をえらんで回答します。

 

大卒程度の行政Ⅰや警察行政の1次試験では、「専門試験」が課されます。

専門試験とは公務員試験の各職種ごとに、必要な専門的知識をはかるため実施される試験です。

行政系職種のばあい、専門試験は「行政系科目」「法律系科目」「経済系科目」から出題されます。

  • 【行政系科目】:政治学/行政学/社会政策/社会学/国際関係
  • 【法律系科目】:憲法/行政法/民法/刑法/労働法
  • 【経済系科目】:ミクロ経済学/マクロ経済学/財政学

各科目ごとの出題数はおおむね、

科目 出題数
政治学 2
行政学 2
社会政策 3
国際関係 3
憲法 4
行政法 5
民法 6
刑法 2
労働法 2
ミクロ経済学/
マクロ経済学
12
経済政策/
経済史
3
財政学 4
合計 50

出題される50問から、40問をえらんで回答します。

回答時間は120分です。

 

大卒程度の行政Ⅱの1次試験では、「自己アピール試験」が課されます。

自己アピールといっても、論文試験とあまりかわりません。
「自らの経験から得た能力や実績」について、90分間で記述して回答します。

 

2次試験

2次試験では、どの職種でも「論文試験」が課されます。

出題されたテーマに対して、高卒程度試験は60分間、それいがいの試験は90分間で記述して回答。

過去の出題例は、

  • 2027年にリニア中央新幹線が開業し、東京と山梨は約25分で結ばれることになります。山梨県においては、リニア中央新幹線の開業がもたらす多くの効果が期待されています。
    それらの効果のなかから1つを挙げ、それを最大限引き出すための施策および、その施策を実現するにあたっての課題について、あなたの考えを述べなさい。(大卒程度)
  • あなたのこれまでの経験のなかで、もっとも熱意をもって取り組んだことを挙げ、それをあなたの今後の人生にどのように活かしていくのか述べなさい。(高卒程度)
  • 少年少女の犯罪を減少させるために、山梨県としてどのような取り組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。(職務経験者)

 

2次試験では、「個別面接」もすべての職種でおこなわれます。

面接回数は2回です。

 

大卒程度と職務経験者の2次試験では「集団討論」が登場します。

集団討論は受験者数名がグループになり、出題されたテーマに対してグループでディスカッションし、結論をみちびき出す試験です。

大卒程度試験の過去の出題例は、

  • 山梨県では、毎月19日を「イクメンの日」とし、父親の子育て参加を推進しているところだが、山梨県の男性の育児休暇取得率は、平成24年度山梨県労働者就業実態調査では1.6%であり、2%に満たない現状である。
    男性の育児休暇取得を促進するにはどうすればよいか、意見をまとめなさい。(平成29年度)
  • 2014年に「ふるさと回帰支援センター」が、来場者を対象に「都会から地方に移るとしたらどこに住みたいか」を調査した結果、山梨県が1位となった。
    この結果を今後も定着するためには、どのような対策に取り組むべきか、意見をまとめなさい。(平成28年度)
  • 富士山の世界遺産登録を背景に、多くの外国人観光客が山梨県を訪れているが、外国人観光客を受け入れるにあたり、山梨県として取り組むべきことについて、意見をまとめなさい。(平成27年度)

 

山梨県職員採用試験の最終合格者は、各試験の合格基準をみたしたうえで、1次試験と2次試験の総合得点の順位で決まります。

教養試験と専門試験の合格基準点は、満点の3割以上です。

 

山梨県職員採用試験の「試験スケジュール」

平成29年度に実施された大卒程度の試験日程はこちら。

  1. 【1次試験】:6月25日
  2. 【1次合格発表】:6月30日
  3. 【2次試験】:7月上旬~8月上旬
  4. 【最終合格発表】:8月17日

 

山梨県職員採用試験の「試験対策」

教養試験

教養試験や専門試験は、とにかく科目数がたくさんあります。
出題数が多い科目や、マスターするのに時間のかかる科目から学習するのが鉄則です。

教養試験のなかでは「判断推理」「数的推理」がもっとも重要な科目。
得点源にできる「資料解釈」や「文章理解」も、早いうちから取りくみましょう。

これらの科目の学習が十分にすすんだら、「社会科学(政治/法律/経済/社会)」や「人文科学(日本史/世界史/地理/思想/文学,芸術)」、「自然科学(数学/物理/化学/生物/地学)」の勉強をはじめます。

社会科学は専門試験の科目とかぶる内容が多くあります。
専門試験の政治学や憲法、経済学の学習を優先するのがおすすめ。

人文科学と自然科学は範囲がとても広いわりに出題数が少ないので、時間のかけすぎに注意が必要です。
判断推理や文章理解の学習をメインに続けながら、気分転換として取りくみましょう。

 

専門試験

専門試験のなかでもっとも理解に時間がかかり、出題ウェイトも大きい科目は「民法」と「経済学」です。
出題数が多くて、教養試験にも登場する「憲法」や「行政法」の学習も早くからスタートします。

法律系科目では憲法がいちばん勉強しやすいので、先にはじめるのがおすすめ。

重要科目の学習がすすんだら、次に行政系科目とよばれる「政治学」「行政学」「社会政策」「国際関係」や、のこる経済系科目の「財政学」「経済政策」「経済史」に取りかかります。

こうした科目は、ほとんど暗記科目です。
演習問題をくり返しながら、知識をあたまに定着していきましょう。

最後によゆうがあれば、「労働法」と「刑法」の対策をします。
刑法は難解ですが、労働法は得点源になるので勉強しておくのがおすすめです。

 

論文試験

筆記試験とちがって、「論文はなにを勉強したらいいんだろう」「どうしたら得点が高くなるのか分からない」と疑問に思いますよね。
勉強のしかたが明らかな筆記試験より、対策も不十分になりがち。

でも、論文は筆記試験や面接と同じくらい重要で、合否に影響する試験です。

論文試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

面接試験

どんな公務員試験でも、面接は必ず課されます。

筆記試験とちがって、面接はいまいち試験の内容がつかみづらく、どんな対策をしたらいいか不安になりますよね。

事前にしっかり対策したひとと、そうでないひとの差が簡単に見えてしまう試験なので、筆記試験と同じくらい気合をいれて取り組む必要があるんです。

面接試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

集団討論試験

集団討論って「どんなふうに進むんだろう?」「なにを話したら評価されるのかな」と、分からないことだらけですよね。

面接練習は2人いればできますが、集団討論の練習はたくさんの人がいないとできません。
あらかじめ頻出テーマや、評価の高いすすめかたを知っておくと有利です。

集団討論試験を突破するために大切なポイントは、すべてこちらの記事で解説しています。
参考にしてみてくださいね。

 

山梨県職員採用試験の「倍率」

平成29年度採用試験

試験区分 受験者 1次合格 最終合格 倍率
大卒程度 行政Ⅰ 468 138 65 7.2
行政Ⅱ 7 4 2 3.5
警察行政 42 12 5 8.4
社会福祉Ⅱ 24 5 2 12.0
薬剤師 9 8 4 2.3
化学 7 4 1 7.0
農業 23 12 5 4.6
林業 18 14 6 3.0
土木 33 29 14 2.4
農業土木 10 6 3 3.3
建築 5 3 2 2.5
電気 6 6 2 3.0
保健師 15 5 2 7.5
司書 21 7 3 7.0
学芸員Ⅱ 13 5 2 6.5
学芸員(古環境) 6 5 2 3.0
文化財主事 14 8 2 7.0
建築設備 3 2 1 3.0
研究(林業) 3 1 1 3.0
警察鑑定研究(機械) 2 2 1 2.0
高卒程度 行政 20 9 1 20.0
警察行政 6 5 1 6.0
土木 5 2 1 5.0
小中学校事務 学校事務 199 41 17 10.3
民間経験者 行政 61 8 2 30.5

 

平成28年度採用試験

試験区分 受験者 1次合格 最終合格 倍率
大卒程度 行政Ⅰ 499 140 65 7.7
行政Ⅱ 13 4 2 6.5
警察行政 43 11 6 7.2
社会福祉Ⅱ 39 11 5 7.8
薬剤師 4 4 2 2.0
農業 21 14 6 3.5
林業 22 16 8 2.8
土木 26 19 9 2.9
農業土木 5 5 4 1.3
建築 9 5 2 4.5
電気 7 5 1 7.0
保健師 8 5 1 8.0
建築設備 2 1 1 2.0
研究(化学) 22 5 1 22.0
高卒程度 行政 18 7 2 9.0
警察行政 29 9 2 14.5
土木 2 2 1 2.0
小中学校事務 学校事務 180 32 14 12.9
民間経験者 社会福祉Ⅱ 15 8 2 7.5

 

平成27年度採用試験

試験区分 受験者 1次合格 最終合格 倍率
大卒程度 行政Ⅰ 481 137 50 9.6
行政Ⅱ 16 5 2 8.0
警察行政 52 15 5 10.4
社会福祉Ⅱ 25 11 4 6.3
薬剤師 5 5 4 1.3
化学 17 5 1 17.0
農業 17 13 5 3.4
林業 15 12 6 2.5
土木 36 29 14 2.6
農業土木 7 7 4 1.8
建築 11 10 4 2.8
電気 9 6 1 9.0
保健師 12 8 2 6.0
司書 23 5 3 7.7
学芸員Ⅰ 5 5 2 2.5
学芸員Ⅱ 4 4 1 4.0
文化財主事 21 9 4 5.3
研究(林業) 7 5 1 7.0
高卒程度 行政 28 8 3 9.3
警察行政 22 9 2 11.0
土木 3 2 1 3.0
小中学校事務 学校事務 200 33 14 14.3
民間経験者 土木 12 5 1 12.0
農業土木 9 8 2 4.5

 

わんこ先生

これで「【山梨県】職員採用試験を解説!」は終わりです。
おつかれ様でした。

この記事のポイントです。

  • 教養試験と専門試験の配点はおなじ
  • 個別面接と集団討論の配点はとても高い
  • 最終合格者は1次試験と2次試験の合計で決定